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企業における絶対権力者の危険性

ロシアがウクライナ侵攻して一ヵ月半以上が経ちました。被害は拡大しており、一刻も早くこの戦争が終結することを祈ります。

ロシアのウクライナ侵攻はプーチン大統領の暴走と言われておりますが、一部報道ではプーチンの判断に意見することはおろか、怖くて本当の戦局を伝えることすらできていないということです。

プーチンは2000年に大統領に就任し、実質的に20年以上ロシアの絶対権力者として君臨しています。強いリーダーシップと能力があったからこそ長期間におよび大国の権力を握ってきたのでしょう。しかし、結果的にそれが今回のような悲劇を生む判断ミスに繋がってしまったと思われます。絶対的な権力を持っていることはスピード感のある意思決定ができるというメリットもありますが、判断を誤りやすいというデメリットもあります。国家のような巨大組織であればあるほど、判断ミスは大きな悲劇を生みます。


しかし絶対権力者の暴走は国家に限ったことではありません。ビジネスにおいても同じことが言えます。企業でいう絶対権力者が株主であり社長であるオーナー経営者です。

オーナー経営者は企業内において大げさに言うと従業員の生殺与奪件を持っています。オーナー経営者に嫌われると評価も下がるし、場合によっては雇用不安に繋がることすらあります。だから従業員の立場でオーナー経営者に意見に反対するようなことは非常に勇気のいることです。地方に行くとたまに不思議なテーマパークやミュージアム、店舗があったりしますが、多くの場合、地方の中小オーナー経営者の暴走によって作られたものだったりします。きっとそのような不思議なものを作るとオーナー経営者が言い出した際、多くの従業員は上手くいかないだろうと思いつつも、反対意見を出すことができなかったと思います。「どうだ、こういうミュージアム良いだろう!」と言われたら、心の中で微妙だと思っていても「そうですね、良いですね!」と答えるしかありません。そのような悲劇(笑)を生まないようにするためにもオーナー経営者は、周りの従業員は言いにくいことは言わないものだと自覚する必要があります。

私は深く関わっているお客様では、重要な案件を意見する会議体を設定するようにしてもらっています。また参加者の心理的安全性を高めるために、「良い会社にするために、忖度しないで発言して欲しい」と経営者から参加メンバー言ってもらいます。そして、他のメンバー言いにくそうなことほど、私自身が積極的に発言するようにします。

当たり前ですが、事業が失敗して一番ダメージが大きいのはオーナー経営者です。だからこそ、周りの人が本音で意見を言ってくれる仕組みを意図的に作る必要があります。「俺の決めたことに文句あるのか!」というスタンスではいずれ大きな判断ミスを犯してしまします。

人の話をよく聞きなさいということは、子供のことから言われていることですが責任のある立場になればなるほど、それが重要になってくると思います。



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