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インバウンド|地域住民を「分からせよう」としては逆効果。受入れ体制の正しい整備方法とは?

先日はインバウンドサミット2022でした!地域住民を「分からせよう」としては逆効果。受入れ体制の正しい整備方法とは??について。

内容充実のサミットを通して、地域作り・教育の観点から、地域の受入れ体制の整備に課題を抱える自治体やDMOの現状を改めて目の当たりにしました。

・外国人観光客を受け入れたくない住民
・インバウンドの必要性を必死に伝える行政側

これはまるで、勉強に前向きでない子どもに「勉強しろ」と押しつけている状態かもしれません。押しつけとまでは行かなくても、勉強は大事だよ~したほうがいいよ~という念を送りながら、子どもの目の前に問題集と鉛筆を置き、勉強することを期待している状態に似ているような。。

地域住民の多くは、当然、インバウンドの必要性は頭では理解しています。

・外国人旅行者 8 人分の消費額 は、定住人口1人当たりの年間消費額に相当すると言われても、
・住民ひとりひとりの「草の根外交」を自覚しろと言われても、
・眠っている観光資源は地域を豊かにすると言われても、
・インバウンドは旅行業・宿泊業だけの問題じゃないと言われても、

それを理解していることと、外国の方を前向きに受け入れたい!と思うこととは、別問題です。大切なものが置き去りされています。

それは、地域ひとりひとりの心です。意識面での受け入れ体制の整備は、急がば回れです。「受け入れるしかないんです!」「地域経済のために受入れましょう!」「後世のためです!」と言って、目先の受け入れ体制整備を急げば、当の後世に、たしかな地盤を引き継ぐことはできません。

受け入れ反対派のことは諦めろと言っているのだと誤解しないでください。物事には順番があるということです。順番を踏まえればスムーズに行くものを、目先の効果に走るから、大切な理想を遠ざけている、それが、受け入れ体制の意識面での整備です。


受け入れ体制を整備する上で効果的な取組みは2種類あります。
1.インバウンドに対して比較的前向きな地域住民と行政担当者さん向け
2.否定的な住民と行政担当者さん向け

1については、地域ビジョンをベースとした「地域作りのための異文化コミュニケーションセミナー」で充分です。(詳細はコメント欄)

2については、丁寧なアプローチを避けて通ることはできません。その内容は、「これがなぜ必要なの??」と首をかしげる人もいますが、基本的には以下の流れです。

①自己理解、自文化、地域の理解と価値と可能性の自覚
②異文化の交わりから生まれる具体的な価値や変化の理解
③未来の社会
④行政側の意識ポイント
+3つの行動化におけるポイント(住民の行動)
⑤意識の地域内浸透のためのポイント

上記は、住民の方に示す項目ではなく、地域作りを進める運営側が把握している項目です。

大切なのは、
・「住民は新しい流れを受け入れるよう変化成長するべき対象である」と捉えすぎない
・行政側の意識が流れを作る重要な存在
・①の必要性を感じている住民も行政の方も基本的に多くありませんが、ここが受け入れ意識の基礎になります。バカ正直に「自分を知りましょう」などと言えば拒否されるので注意
・②の異文化の交わりから生まれる価値については、いかに具体的な詳細をイメージできるかが鍵
・④は、「(反対)意見を伝える・見守る・力を貸す」という住民の3つの行動化における注意点
・⑤は、地元のキーパーソンに頼りすぎることへの警鐘と共に、ひとりひとりの意識を「受け入れよう」から先の「受け入れられず苦しむ住民に対して自分ならどう寄り添えるか」を着地点とする


このような手順を踏んだアプローチを先延ばしにすることは、永遠に可能です。
意識面における基礎が最終的には地域作りを支えると考え、アプローチを検討することも可能です。
基礎を丁寧に整えていくしか残された道はないと、少し視点を上げたが故に危機感を抱くことも可能です。


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