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映画・ドラマ・小説の感想

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観たり、読んだりした感想を書きます。
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#読了

「ミステリー「暗号」の作り方」読了:小説執筆アイデアのための刺激に

「ミステリー「暗号」の作り方」を読みました。  暗号の作り方だけを簡潔に体系立ててまとめています。執筆中の方が暗号の謎を作りたいときにざっと見ると、アイデアを考えるための刺激として役立ちそうです。  ミステリー執筆中の方には作品作りの参考になる内容ですが、ミステリー好きの方には謎解きのヒントになるかもしれません。簡単に見抜けない方が、作品を楽しめるような気もしますが……😅  この本は、kindle unlimited対象作品です。サブスクされている方は、気軽に読めます

還暦を迎えた女性暗殺者たちのミステリー: 「暗殺者たちに口紅を」読書感想

「暗殺者たちに口紅を」 ディアナ・レイバーン (著), 西谷 かおり (翻訳)を読みました。  読みながら、脳内でハリウッド映画を見ているようでした。特に暗殺というミッションをこなす還暦を迎えた女性4人組の描写の部分はスピード感があり、あっという間に読んでしまいました。若くて、暗殺者としては絶頂期というわけではなく、年齢を重ね、無理をすると身体がきつい彼女たち。けれどこれまでの経験から、狙撃名手がいれば、毒薬を使いこなしたり、武器が好きだったりと、自分たちそれぞれの経験と

「ある行旅死亡人の物語」―孤独死から解き明かされる身元不明の女性の半生と、自分の人生について考える時間

 ノンフィクション、「ある行旅死亡人の物語」を手に取りました。ある孤独死をした身元不明の女性の人生に焦点を当てたこの作品は、彼女が残したわずかな痕跡から、記者たちがどうやって彼女の身元と半生を解き明かしていったのかを描いています。興味をお持ちの方は、ネット上で公開されている原稿もご一読いただけます。  (無料で全文読めました)↓  警察も探偵も、彼女の身元を明らかに出来きませんでした。なぜなら、彼女は住民登録がされておらず、銀行の通帳を作成したときに残るはずの資料も何故かな

「ブラックサマーの殺人」読了:一気読みしてしまうミステリー小説第2弾

 M W クレイヴン (著), 東野 さやか (翻訳)の「ブラックサマーの殺人」を読みました。  こちらは、「ストーンサークルの殺人」が1作目だったワシントン・ポーシリーズ2作目です。 「ストーンサークルの殺人」の読書感想はこちら⇩  今回も面白くて、一気読みでした。  6年前にポーが手掛けた殺人事件。三ツ星レストランのカリスマシェフが、娘を殺したとして有罪判決を受けた。しかし6年後、殺されたと思われていた娘が生きて現れた。シェフに対する冤罪疑惑が持ち上がり、ポーは窮

秋の夜長に読むサスペンス推理小説にオススメ!「ストーンサークルの殺人」”ワシントン・ポー”シリーズ、必読の理由

「ストーンサークルの殺人」M W クレイヴン (著), 東野 さやか (翻訳)を読みました!めちゃくちゃ面白かった!文庫本としては600ページ近くあるのですが、とにかく昨日1日で500ページぐらいを一気読みしました。そのくらい読みやすく、終始物語に飽きることがありませんでした。秋の夜長に面白い推理小説を読みたいという方には、かなりおすすめです。この作品はシリーズ化されているということで、2~4作目も買って読みたいと思っています。  この物語の面白かったところは、とにかく主

小惑星テロス衝突直前のミステリー: 「此の世の果ての殺人」読書感想

「此の世の果ての殺人」を読みました。第68回江戸川乱歩賞受賞作です。  私は犯人が誰かということを、割と早めに気付いてしまいました。が、物語がどうやって終わりを迎えるかという過程を楽しませてもらえたというのが正直な感想です。  とはいえ、作者の荒木さんは23歳のときにこの作品で乱歩賞を受賞されました。私が23歳だったころを振り返ると、彼女のような成果を上げるのは難しいと感じます。すごいです。  もうひとつ印象的だったのは、物語の終わり方でした。主人公がこの世の終わりに叶