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【琥珀色の雨にぬれて】富山公演

9月4日 オーバードホール マチネソワレ観劇

月城かなとさんですっかり宝塚にハマったわけですが、れいこさんが退団されたあとも月組は観たいな〜と思っていたところチケットが取れたので行ってきました。
ちょうど富山は旅行も兼ねて行きたかった場所ですし。
富山までは新幹線の本数が少ないのが玉にキズではありますが、大阪まで行くのとそんなに変わらないし、行きやすい土地だなと思いました。

【琥珀色の雨にぬれて】は何度か再演されている宝塚の古典という以外は何の知識もないまま観たわけです。
ストーリーはぶっちゃけかなり古い。60年代あたりのフランス映画を観ているようでした、いわゆるノワールってやつ?
主演のクロードを演じている鳳月杏さんはカッコ良いですが、クロードというキャラクターに対しては心の中で何度も「はぁ?ありえん」「うそやろ、何考えてんの」とツッコんだ(笑)
しかし、宝塚という舞台のマジック、男役という技術を駆使されると、どんなクソ男もかっこよく見えてしまうという。
特にラストシーンのクロードなんて自己完結して良い思い出にしてしまってて、おいっ!おまえは二人の女を泣かせたことわかってるのか?と言いたくなるところを、あのトレンチコートを着こなしクールにハットをかぶる姿(またあの角度が絶妙)、哀愁の漂う背中を見せられると、目がハートになってしまうという。
しかし、鳳月杏さんのキスシーンがエロすぎて、宝塚初心者の私には刺激が強すぎました。
こわいわー、ちなつさん。

そして、新娘役トップの天紫珠李さん。
私が初めて観に行った万華鏡のロケットで、可愛い!あの子は誰!と思った娘役さんなのでトップ就任めちゃくちゃ嬉しいです。
古い言葉でいうと「バタくさい」感じの雰囲気がとても私好み。それこそ60年代フランス映画の常連だった女優さんに通じる雰囲気があるなと思ってます。
その天紫珠李さんがシャロンという役にピッタリで、自由を語り奔放を装いながらも、どこか淋しげで日々に退屈し、口ではクロードを突き放しながらも身を引くという、最高にいい女ぶりを発揮していた。
特に電車のデッキでクロードと語り合うときの目線に持っていきかたとか声色が上手い。
これからどんな役をこなしていくのか、非常に楽しみ。

そして、初めて生で拝見した水美舞斗さん、かっこよすぎた!
花組さんはちょいちょいオンデマンドの配信で観てて、もちろん顔と名前は一致してるジェンヌさんだったのですが、映像を観ていた時はあまりピンとこず。
しかし、ピエールのあのクールさにまずやられ、ショーのキラキラさにノックアウトされ、やはり生でお姿を拝見しないことにはわからんもんだと再認識しました。
アヴァンギャルドのダンスもかっこよかったんですが、燕尾で踊るシーンが軽やかすぎて、ポーッと見惚れてしまった。

ほんと、ジェンヌさんはみんな違ってみんないいで、魅力的な方が多くて困りますね。

宝塚も歴史が長くなり、演目によっては時代劇、古典なものもあるわけですが、そこはもう様式美といやつですよね。
今やってる【ベルサイユのばら】は、私も過去に劇場でみたことのある演目で、配信でもいくつかのバージョン観てますが、代表作であるからこそ、様式美がわかりやすい演目だよなと、つい先日雪組新人公演の配信を観て思いました(れいこさんのベルナールめちゃ良かった)
アントワネットの台詞の言い方とかは、もう歌舞伎と一緒で伝統だわ。
古い台本は今の価値観には合わない描写はたくさんあるけど、それを無理やり今風に捻じ曲げてしまって良いのかってのは前から考えてることなのですが、時代劇は時代劇として、観客がきちんと認識しながら観る、そういう時代を経てこその今なのだと、理解することも大事なのではないかなと、【琥珀色の雨にぬれて】を観ながら思ったことでありました。

思うところがあって友の会への入会を躊躇してますが、チケットサイトとか企業の貸切を狙って、なんとか今後の月組さんも観ていきたいところです。
(ま、ダメなら配信があるし)

オーバードホール、本当は1月にオペラで訪れる予定だったのですが、地震で中止になってしまい、今回が初めてでした。
駅からめちゃくちゃ近いし、富山駅周辺はホテルも多いし便利なとこですね。
月組さんはみんな声が大きいというのを差し引いでも音良かった。
ただ、座席の前後間が非常に狭い。中の方の人が遅く来ると立たないと席にたどり着けない。
これ遅刻してくる人がいたら、相当困るやつ、絶対に遅刻できないホールだなと思いました。窮屈なので私の弱った腰とお尻にはちょっときつかったです💦
でも、観やすいしまた来たいホールだとは思ってます。

あと周辺にごはんを食べられるとこが少ないかな。下調べをちゃんとすればあるのかもしれないけど。
駅の中混んでたし。
私はマチソワ間で、白エビ丼をいただき、日本酒飲み比べを嗜みましたが。
これが美味しかった。


予想より量が多かった日本酒
サクサクの白エビ

肴が美味しそうだったので、次はゆっくり呑みたいぞー。

一泊しないと帰りつけないとこなので、次の日は富山県美術館と富山ガラス美術館に行きました。
どちらも良き美術館でした。

最近は1日目に観劇して次の日は観光というのが私の遠征スタイルになりつつあります。
美術鑑賞も趣味なので一石二鳥、いや地酒を飲むのも好きなので一石三鳥だな。

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