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【サブ10】IRONMAN World Championship KONAレースレポート (バイク編)

スイム編に引き続き、バイク編です!
スイム編はこちら↓

Bike

180㎞ 5:17:42 (34.19km/h)
Bike順位 年代別21位、総合132位
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ターゲットタイム・ワット

Bike想定タイムは5:25:00(33.2km/h)

9月15日に実施したFTPテスト(DHポジション、20分間測定)で、FTPが224w(PWR4.3倍)だったので、ターゲットパワーはNP170~180w(FTPの75~80%)に設定していました。

※FTPとは、1時間維持できるパワーの平均値のこと。私が行ったFTPテストは、20分間の全力走のパワー×0.95で算出された想定値。


9月3日の佐渡B(Bike110㎞)がNP183w(当時のFTPの83%、PWR3.5倍)で、自分の中では結構バイクで攻めた感覚でも、そのあとのランを4’30/kmより遅いペースで走る脚は残せる感触を得られていたので、このワット設定としました。

補給

補給はこんな感じ。

水分は
▶︎胸に2Lのモルテン、
▶︎DHバーに500mLのGUドリンク(写真漏れ)
▶︎ボトルゲージにエアロボトル500mL(マグオンピンクグレープフルーツジェル4つ+トップスピードミネラルタブレット2つ)と、500mL (BCAA+トップスピードミネラルタブレット2つ)で合計3.5Lを積載。
(サドル後ろはパンク修理キットのみ)

トップチューブのバッグには
▶︎エネ餅×2
▶︎アミノサウルスジェル×2
▶︎アミノサウルス
▶︎コムレケアゼリー×2
▶︎羊羹×3
▶︎胃腸薬と痛み止め

スイムアップ後にすぐ、エネ餅とコムレケアを補給したかったので、このふたつは取りやすい位置に配置。(エネ餅は場所をとるから早めに食べちゃいたかっただけ)

あと写真撮り忘れたけどいちばん大事な塩!
これこの夏めちゃくちゃ大活躍してて、超お気に入り。今回のレースでもこれがかなり効いたと思う。


今回は、給水・補給共にエイドステーションには頼らずに、自分が積載したもので完結する作戦。

ただ、暑さによる深部体温上昇を防ぐために、エイドステーションには全て寄り、水だけもらってその場で頭と体にかけて、その場で捨てていく計画でした。

※深部体温はCOREで管理

レース展開

さあ、話を戻して、レース展開を。

バイク乗車ラインには大盛り上がりのボランティアさんと大勢の観客!
みんなに手を振りながら、「いってきま~す!」と笑顔でスタート。

スタートして最初の10㎞くらい?は、もはやパレード走行です。笑
ウェーブスタートなので、走力差のある選手たちが狭い道路で密集してしまい、ドラフティングもクソもない状態。

道幅も狭いしキャットアイも多い区間なので、とにかく安全第一に。下り部分は追い抜き側にいてもバイクが詰まってしまっていてスピードが思うように出せないが、まだまだ序盤。イライラせずに落ち着いて、我慢してやり過ごす。

大きい道路に出てからも、間隔はあきながらもバイクがしばらく連なっているので、ブロッキングにならない25秒以内に前に続いているバイク全てを追い抜けるか、前後を良く見て冷静に抜かしていく。

20kmを超えてきたくらいからは、人も減ってきてかなり走りやすくなる。ペースが合う人はほとんどおらず、基本単独走で、抜かすか、抜かされるか、の連続。
暑さが心配だったので、序盤に塩サプリを2粒補給。

KONAのバイクコースは、平坦部分はほとんどなく、ひたすらアップダウンの連続。ゆるやかな変化が続くので、飽きなくて面白い。

走行速度が30㎞/hを下回るほどの勾配の登りでは、DHポジションは解除してしっかり上体を上げて、エアロよりも身体の負担を軽減させながら楽に楽に上る。

キツめの登りはこの姿勢で。


パワーのある外国人選手たちは、結構な勾配の登りでもDHポジションでガンガン踏んで抜かされましたが、「大丈夫、この人たち絶対ラン走れないから。」と言い聞かす。笑

私のようなパワー自体はそんなになく、フォーミング重視タイプの人は、登りは割り切って楽な姿勢で足腰の負担を軽減して登るのが吉だと思っています。結局勝負は最後のランなのですから。


バイクスタートから1時間経過したところで、35㎞通過。平均スピードが想定よりもかなり速い!おお、こりゃいいぞ~!!!と調子に乗りかけて、いったん落ち着く。

こらこら、スイムでも同じだったでしょうが!
最初は追い風で楽なだけ。調子に乗らない。
後できっと辛い時間がやってくるんだぞ~。
そうそう、落ち着いて。謙虚に、冷静に。
一定パワーとエアロフォームに集中集中!!

40km地点くらいのところには、Luminaの方々が!

写真提供 : Lumina 小野口健太
写真提供 : Lumina 小野口健太

「40km地点で写真撮ってるから、こっちに気付いてもDHポジションのままカッコよく通過してね!」
って事前に言われてたのに、普通に
「ひらめさーん!!」って声かけてくれたから、笑顔で手振っちゃった笑

その後、45㎞地点くらいでマグオン4つ入れたダウンチューブのジェルボトルが落下!!

路面が悪い所は結構気を付けて避けながら走っていたものの、なんてことのないちょっとした段差で勝手に落ちていった。。。
たしかにちょっとカパカパするなと思ってたけど、、補強?落ちにくい工夫できてなかった。

微妙に登り基調だったから、バイクを降りて取りに戻ってもそこまでロスにならなそうだったので、取りに戻るか1~2秒の間でめちゃくちゃ悩んだ結果、降りるのやっぱめんどくさいしリズム崩れるの嫌で諦めた。

が、この判断をこのあとしばらく後悔し続けた、、、。だって、まず貴重なジェルボトルだし、何よりこの先135kmもあるのにせっかくのエアロ効果を失ってしまったじゃないか。。

あーーーーーー、
戻ったほうがよかっただろうなーーーーーと、
このあと1時間くらいずっとうじうじしてた。笑

まあ、補給に関しては、落としてしまったものは仕方ないし、余裕を持って多めに積載しているし、エイドでモルテンももらえるし。焦りはない。エアロ問題だけ、悔やんでいた。笑

このときにはもうボトルひとつ無い。
(シートポストのものをダウンチューブ側に移した)



そんなこんなで、毎エイドでしっかり水被り、登りは楽な姿勢で軽く走り、、あっという間にHawiの10㎞ほど続く登り区間へ。
車で試走していたおかげもあって、ここまで思っていたよりも長く感じなかった。心配していた強い横風もほとんどない。

そしていよいよHawiの登り。ここはまさに修行タイム。
地味~で、向かい風基調?な登りが10㎞ずーっと続く。

登りで楽な姿勢でいられるので、プロや、前スタートのエイジグループの方々の折り返しとすれ違いで仲間を探しながら。日本人選手を見つけたら「ファイト~!」と声をかけて。
すれ違いがあるからまだ気が紛れたけど、やっぱこの登りはめちゃくちゃ長かった、、、。

やっとHawi折り返しにたどり着き、ここでアミノサウルスジェルの白を投入。
「よし!集中!!」としっかり声に出して、気合いを入れる。

アミノサウルスは、ジェルの吸収が速いのも押しポイントなのですが、それ以上に代表の嵜本さんや、サウルスメンバーの熱い想いが詰まっているので、より気持ちが引き締まる、自分の中ではここぞというときの勝負アイテムです。


そうして気合を入れ直して、ここから恐怖のHawiの下りへ。

強い横風でDHバーを握っていられないとか、反対車線まで吹き飛ばされてしまう人もいるとか、、そんな怖い話ばかりを聞いていたので、とにかくとにかく集中して。

路面も悪い部分が多いので、風と、路面と、前方の選手との距離感と、ものすごい集中力で下っていきました。

幸い、Hawiの下りも強い横風はほとんどなく、安全に下ってこれました。

凄まじい集中力で下った。


125㎞地点のKawaihaeの登り部分にはサポートメンバーも応援に来てくれていて、ここにいると思っていなかったから会えてすごく嬉しくて、元気もらえた!!!

他の日本人応援団に
「餃子ヘルメット🥟」って呼ばれていたらしい。笑


帰りは向かい風基調だけど、アップダウンの連続なのであまり気にならない。
巡行スピードはほとんど見てなくて、ひたすらパワー管理なので追い風も向かい風も正直関係ないのもある。笑

130㎞地点くらいの段差で、サドル後ろのボトルが落ちる。
え、、テープで補強したのに、、、。またエアロが失われる、、、。。

サドル後ろは2つボトルを刺していて、ひとつは交換した古いタイヤ、もうひとつにはテープやボンベ、六角レンチなどの修理キットが。
修理キットの方が落ちちゃってたら嫌だなーと思いながらも、下り基調なので諦めて走る。
もうパンクしたら直せない。集中。集中。

140kmくらいで手持ちの水分がほぼなくなり、エイドでゲータレードを一本もらい、DHバーの間のハイドレーションに中身だけ入れる。
そのときにハイドレーションの蓋も落としちゃった、、、(今回よく落とすな。)

やはり一回のエイドで、補給ももらいながら、掛水をもらうのは結構大変。
今回補給は基本自分の積載で完結し、エイドは掛水だけに集中するやり方は正解だったと思う!

KONAのバイクコースは、ポジションやケイデンスを変化させながら走るタイプの自分にとってはすごく得なコースだなーと走りながら思った。
勾配や風に応じて、楽に体重を乗せられるポジションやケイデンスを探しながら、筋疲労を分散させて走れたと思う。 

ロングのレースで初めて脚が攣ることなく、終盤になっても余裕を持ってバイクを終われた。

トランジションエリアに戻ってきたときには、事故無く、パンクもなく、無事に戻ってこれたことに心から安堵。大きなトラブルなくバイクを終えられるということは、本当に幸運なことです。

感謝の気持ちと共に、バイクを終えました。

いつもメカニック担当してくださっているtettoさん、今回レースメカ関係ご相談させていただいたハイリッジの嶺さん、直前で調整してくださったやおさん、ありがとうございました!!!

※身体の不調も出ず、胃腸薬と痛み止めの出番はありませんでした!

バイクデータ

平均パワー162w
NP167w(FTPの74.6%、PWR3.2倍)
想定よりやや低いパワーで、タイムは想定より速くなったバイクパートでした。

そういえば書き忘れたけど
後半少し疲労を感じ始めてからは、あえて時々足首の固定を解除して、大袈裟にアンクリングして、かかとからペダリングしたりしてました。
そうすると、大腿四頭筋の力が抜けてリラックスできる感覚があって、とてもよかったです!

深部体温変化 スイム→バイク
深部体温変化 バイク→ラン

T2

2:58

しっかり止まって、落ち着いて降車。
KONAはバイクキャッチャーはおらず、自分で最初のバイクセット場所までバイクを持っていきます。

1
バイクシューズは履いたまま走ってバイクをセット

2
ヘルメット外してバイクにかける

3
その場でバイクシューズを脱いで手で持って更衣テントまでダッシュ

4
テントまでの100mくらいでしっかり靴下びしょびしょになる笑

5
ボランティアさんからランギアバッグを受け取る

6
テントで着替え
・お腹のハイドレーション外す
・靴下を履き替える
(ランギアバッグに予備の靴下必須!)
・ランシューズを履く(靴ベラ便利!)
・帽子とゼッケンベルトを持ってGO!

T2は3分かからず。結構速かった!

ゼッケンベルトに手袋と、氷用の洗濯ネットを予めセットしておいたので、走りながら装着できたのも良かった工夫点◎

暑さ対策の手袋は走りながら装着


バイクコーチング

現在、バイクはSparkle Oita Racing Teamの住吉コーチにトレーニング指導をいただいております。

7月中旬から指導を受け始め、当初211wだったFTPは2か月で224wまで上がりました。(体重は2㎏減なので、PWRだと3.8倍から4.3倍に増加。詳しい変化やトレーニング内容等は後日、「半年間のトレーニング編」にてご紹介予定。)

さぁ、ついにレースレポートも終盤!
42kmのラン編に続きます!

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