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エモい、ヤバい、かわいい創価学会は、つくれる

 我々は、ずっと言われてきた。
「信心を弘めるには、勇気が要る」
 世間(特に週刊誌とネット民)は、ずっと言ってきた。
「層化は危ない。カルト集団だ。朝鮮の回し者だ。ヤクザとも右翼ともつながっている。天皇家の傀儡で、南米の麻薬王ともズブズブだ」
これらすべては信心の楽しさが、分かりにくいからだ。世間に「怖い、キモい、危ない」と思われている学会は、本当のところ「エモい、ヤバい、かわいい」人たちの集いだ。
 しかし外部の友人には、なかなか伝わらない。伝わりにくさの半分は、先入観だ。日本という国の中で「宗教」が持っているイメージ。もう半分は、創価学会の活動が作りあげてきたイメージ(ゴリ折)。この二つが理解されにくさの正体だ。
 戦後の焼け野原から病人と貧乏人の集まりが、バカにされながら立ち上がり、人生をよじ登る。独特の熱と迫力をまとった異様な社会運動。それは「楽しそう」より「なんかスゴい」もの。見たことのないスゴいものに、人は恐怖を感じる。
「そんなこと、やっちゃっていいの?」
 やっちゃう側に回れなかった人間は、自分に湧いた恐怖と羨望と嫉妬と焦燥と拒絶を二文字で理由づける。「洗脳」と。
 そのような世の中の冷たい目に、最もさらされていた時代には、仲間内で熱くヒロイズムを燃え上がらせる必要があった。
「会合に出るのが許されない会社なんて、やめてやる!」
「信心を一緒にできないなら、結婚できません」
 男も女も、熱かった。それは世間と言うより、ままならぬ人生への反骨精神。すべてをなげうって、懸けていたのだ。

 ひるがえって現代。私が見る限り、学会員と外部の友人の間に往事のような温度差はない。
 「学会宣言」なんて言葉もあるが、それは学会員が「学会員であること」を深刻に考えているだけで、外部の友人は学会が何なのか、ほとんど知らない。
 ネットには「洗脳だ」「カルトだ」と大騒ぎしている人がたくさんいる。
ネットでは多く見られるアンチだが、世の中にはさほど多くはない。「学会って、普通だよ」「層化は、別に危なくない」そんな主張を、誰もしないだけだ。
 ネットで学会を批難している人たちは、敵ではない。敵と呼ぶには、値しない。批判がしたいだけだからだ。
 創価学会だけでなく、幸福の科学もアムウェイもカニエ・ウエストも西野亮廣エンタメ研究所も「洗脳だ」「カルトだ」と批判の的になっている。信じられる人、夢中になれるものが見つからなくて、それを見つけた人間に自分の鬱屈をぶつけるヘイターは一定数いる。縁があれば、そして気が向けば、折伏してあげればいい。

 学会員は、おしなべて好い人が多い。優しくておせっかいな元祖・意識高い系の伝統的スピリチュアル系。それが学会員だ。
 なるべく誤解されないように、相手を不快にさせないように、他者に迷惑をかけないように気を払いながら生活している。
 相手の目を見て、ひとこと一言にうなずきながら全身で話を聞く。
会合後は、近隣の迷惑にならないように、黙って歩く。短時間であっても路上駐車などせず、歩いて片道20分はかかる駐車場に車を停めてから会合に参加するような人たちだ。実に可愛い。

 「病人と貧乏人の集まり」だった創価学会は、いまや病人・貧乏人よりも中流以上の家庭が多くなり、政権与党を要し、文化(エンタメ)、教育、出版、流通に根を張り90年の歴史を誇る宗教団体の枠組みを超えた国際的な民衆勢力となった。
 外郭団体だけでも相当数の企業があるが日本有数の遊園地、100円ショップ、銀行、ゼネコン、飲食チェーン・・・・・・多様な業界の経営者が学会員だ。国内は札幌、東京、大阪に、海外ではアメリカ、香港、シンガポール、マレーシア、韓国、ブラジルに学校を持っている。
 世界中の大学から池田先生に名誉学位記が贈られる。テレビをつければ国会でもお笑いでもスポーツでもNHK大河ドラマでも学会員が活躍している。
 陰謀論をささやかれても仕方はない。ささやかれない方が、どうかしている。
 しかし一般の学会員たちは、権力をふりかざすこともなく(ふりかざす方法も持たず)、他者の悩みをどうすればもっと理解できるのかと、今日も頭を悩ませている。マジでヤバい。

 学会員がもっとも力を発揮するのは、「人生を変えよう」と決意したときだ。
 彼らは目標を決めてお題目をあげ、また折伏に取り組み、就職を、昇進を、チャンスを、優勝を、伴侶を、健康を勝ち獲っていく。
 学園時代、池田先生は「使命を自覚した時、才能の芽は急速に伸びる」と指導してくれた。学会員はこの言葉の通り、ぶつかった人生の障壁を「我が使命」と心にさだめ、急速に人生を変えていく。
 人間性の根本から変わっていく、まさに「人間革命」と言える生命の大変革を幾度も目の当たりにしてきた。
 ある友人は、少年時代から麻薬を覚え、窃盗と傷害を繰り返して人生の半分を牢獄で送った。
 出獄して、「やり直そう」と思うたびに悪い友達の誘いに乗り、悪事を働いては、塀の中へ送り返された。
 ある日、自分がC型肝炎であることを知る。放置しておけば、肝硬変になって死ぬ病気だ。感染源は友達と回した注射器。
 その上、ドラッグの後遺症で統合失調症を併発。幻聴に惑わされ、警察署へ凸って刃物を振り回し、またも投獄された。
 彼は一縷の望みを託し、牢獄から、一度だけ会った学会員に手紙を送る。学会員は面会に行き、彼に数珠と経本を差し入れる。面会室のアクリル板越し、勤行指導がはじまる。
 半年後、彼はシャバに出たが、人間は簡単には変わらない。ツラいときにすがりついた学会員に背を向け、退廃的な生活を送る。
 保護されていた肝炎治療の施設から追い出され、生活保護費を搾取するタコ部屋に入れられた。
 そこからも逃げだし、最後は炎天下の沖縄で、生身で地雷撤去をさせられることになった。
 そんな彼が今では肝炎を完治させ、悪い友人とはきっぱり手を切って御本尊を受け、創価班を目指して地道な信心をしている。
「妙とは蘇生の義なり 蘇生と申すは よみがへる義なり」(九四七頁)。信心には、どんな状況からでも人生を変える力がある。かなりエモい。

 このように「エモい、ヤバい、かわいい」学会が、なかなか友人の理解を得られない理由はステロタイプ(先入観・偏見)だ。
 ただこれは、かなり薄まってきている。学会はもう折伏大行進をしていない。多くの友人にとって、よく分からない団体。それが現在の創価学会だ。
そのよく分からない団体を知るとき、もっとも身近な情報源は何か。ネットではない。あなた自身だ。繰り返す。創価学会が理解されない理由は、あなた自身だ。
 本来「学会宣言」など「フットサルやってる」とか「バンドやってる」くらいの話だが、あなたの友人はなぜか変な反応をする。

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