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2-2 そういえば、広宣流布って何だっけ

チェ 拙著をお読みくださり、ありがとうございます。〈広宣流布〉について創価学会の公式サイトでは「仏の覚(さと)りである正法を人々に流布し、万人を仏の境涯に導くこと」とあります。師匠の言葉と行動から考えれば、〈広宣流布〉とは、ほぼ〈世界平和〉という言葉で表現できます。
 世界平和を目的として、勤行・唱題の実践と、それを弘めることを根本的手段とする活動が〈広宣流布〉です。

博士 目的は世界平和、手段は勤行・唱題。分かりやすいですね。
 平和学の権威 ヨハン・ガルトゥングは、平和には2種類あると言います。暴力や争いが無い状態を消極的平和、人を悲しませる状況や構造そのものを無くすことを積極的平和と呼びました。

チェ 池田先生が目指すのは、積極的平和です。戦争が無いだけでなく人類が幸福であること、悲惨な状況が起こる原因そのものを取り除き、心を豊かにする平和行動に人生を懸けられました。
 積極的平和を求める行動として、70年代、池田先生が中ソ国交正常化のための民間外交を行い、中ソ両国の首相と会談して戦争をする意志が互いにないことを確認されたのは有名な話です。
 ソビエトを訪れた際には、コスイギン首相から「あなたのイデオロギーは何か」と問われました。

博士 怖い! 私なら、即座に明確に答えられませんね。

チェ 答えられる人の方が少ないと思いますが、池田先生は即座に回答します。
「平和主義であり、文化主義であり、教育主義です。その根底は人間主義です」

博士 明確ですね。人間主義を象る三つの要素も的確に思います。

チェ 小説・新人間革命には、この答えに池田先生が明確な根拠を持たれていたことが描写されています。
「伸一の生き方の根本にあるのは、仏法の生命尊厳の哲理を根底にして、人類の幸福と平和を打ち立てることである。人間の生命を磨き、豊かな社会を築き上げることである。つまり、広宣流布であり、立正安国の実現である」(新人間革命20巻「懸け橋」の章)
 これが、先に述べた〈広宣流布観〉の根拠です。

博士 「目的は世界平和、手段は勤行・唱題」ですね。

チェ 簡単な言葉にすると、平和とは人に優しくすること、文化とは人を喜ばせること、教育とは人を賢くすることです。人間主義とは、生命に宿る無限の可能性を信じ、磨き、花開かせてゆくことです。

博士 なるほど。「生命を磨き、豊かな社会を築き上げる」ですね。

チェ これをもう少し詳しく説明するためにネパール国立トリブバン大学での講演(95年)をひもときます。

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