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ほんまに自分どんなことでもできるか? オイシイ話は無いぞ。

[やれば、変わる。変われば、わかる⑧]
※この連載は、無料アプリ「題目PRO」内にて無料連載しているため、noteでも無料記事としています。

<前回までのあらすじ>
テッチャンが勤行を始めると、奥さんが元気になった!

〈本編〉
勤行指導再開3日目

テッチャンはやって来るなり「聞いて欲しいことがあるんです」と言います。
分かった。まずは祈ってから・・・・・・と勤行、唱題。
今日からはテッチャンに導師をしてもらいます。
導師にになると、とたんに自信なさげになるテッチャン。キョロキョロしたり、経本をじっと見つめたりしています。
御祈念文のページを開き「ここに書いてある順番でやるんだよ」と伝えると、鈴をならし、読経が始まります。昨日までの勢いは消沈。置きに行く勤行唱題です。
大切なのは、歓喜を湧き出す祈り。
「テッチャン、いまは間違えてもええから、元気にやろう。奥さんに届く題目あげようや」
ハッとしたように、テッチャンの声に張りが戻りました。

勤行を終えるとテッチャンは、「待ちきれない」という感じで話し出しました。
「高校時代の先輩でYさんという方が居るんですが、その人が今、この地域の土建業を仕切るような会社をやってはるんです。
高校時代、その人はけっこうなヤンキーで、僕は怖かったのであまり関わりを持っていなかったんです。仕事が無いときも、その人に相談はできませんでした。
仕事を回してもらっても、その現場でヘタ打ったら、そのウワサが地域に広まって仕事が減るんじゃ無いかと思って怖かったので・・・・・・。
でも今日、このまま逃げていても仕方ない。この地域で、この仕事をしていくなら絶対に関わっていくべき人やと思って、事務所に行ってきたんです」

それまで仕事に自信を持てなかったテッチャンが、勤行を2日やっただけで、苦手な人と向き合う勇気を得たのです。これは凄いことです。
テッチャンの話によると、Yさんはテッチャンのことを憶えては居なかったそうですが(卒業して20年以上経っているので当然)、テッチャンが訪問したことを喜んでくれたそうです。
テッチャンは勇気を出して切り出します。

「Yさんは僕が何しに来たのか知りません。『まあ、座り。こっちおいで』と言って、コーヒーやお菓子を出してくださったんです。
僕は開口一番『じつは今日は仕事の相談で来さしてもらいました』と伝えました。
Yさんは真面目な顔になって『おう、どないしたんや』って聞いてくれました。
これまでのこと、やってきた仕事や、仕事にあぶれたこと、これからどんな仕事をしたいかなどを伝えました。
そして、どんな仕事でも夜勤でも短時間でも良いから、やれることあったら手伝わせてくださいとお願いしたんです。
『ほんまに自分どんなことでもできるか? オイシイ話は無いぞ。俺も経営者やからな。社員にやらせるのが申し訳ないような仕事を自分に回すかもしれへんぞ。ええんか?』って聞かれたので『ハイ! なんでも、ありがたくやらせてもらいます! 家族を守るためには贅沢言ってられないんで』と即答しました。
そしたら、『明日の夜10時に来てくれ。 積み荷をやってもらうわ。3時間程度で終わるから5千円しか出されへんけど、ええか?』って言ってくれたんです」
テッチャンの目は輝いています。
これまで一日頑張って6~8千円の現場で働いてきたのです。3時間で5千円はテッチャンにすれば本当にありがたい額面です。

しかしこんなものは序の口、ここからテッチャンは堰を切ったように、怒濤のごとく福運の激流に呑み込まれていくのです。

〈つづく〉
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