2-5 メタボ本部に課せられた組織のスリム化と職員のシェイプアップ

博士 「数値に表れない目標が大切」というお話が出ましたが、数値に表れる目標もまた、やはり現実として、組織の維持には絶対に必要なものであると私は思います。
 学会はボランティア団体ではなく、多くの外郭団体や関連企業と密接な関係を持ち、与党最大の支持団体という社会経済構成体となっています。本部職員をはじめとし、多くの人の生活を支えている事業体でもあります。これを維持するコストは、やはり数値目標によって賄われるところが大きいのではないでしょうか。

チェ おっしゃるとおりです。学会の予算の額や使途を一般会員が知ることはできませんが、組織維持に莫大なコストがかかることは想像に難くありません。
 ただそのコストに無駄がないのかと言えば、そうではないと感じています。学会職員の給与は、一般的な給与所得よりも高い水準にあるのは有名な話です。それ自体は問題ではありません。それに見合う仕事をしているならば、です。
 私の知る本部職員からは「勤務中にやることが、あまり無い」という話が聞こえてきます。では、何をやっているのか問えば「今日は新人間革命を集中して拝読させて頂いた」と言うのです。何のためらいもなくです。
 また創価小学校から創価大学まで一貫教育を受け、そのまま職員になったメンバー。彼はラインでは部長、私は転入したばかりで無役職でした。その彼が音信不通になったことがありました。心配していると、数日後に電話がつながりました。話を聞くと「プライベートなことで落ち込んで、仕事も無断欠勤するくらい凹んでいました。でも本部の方でも指導を受けたので、もうなんとか大丈夫です」と言います。耳を疑いました。
 一般企業で、数日間無断欠勤すれば、指導などでは済みません。それで済ませてしまう風土と、またそれで済ませてしまえる程度の業務なのだと衝撃を受けました。
 余談ですが、彼は「折伏には挑戦できない」とも言っていました。理由は「小学校から就職まで創価なので、外部の友人がいないんで」でした。
 職員のみんながみんな、こんな人ではないはずですが、人事以前に、採用の段階から厳しく見直していくべきだと感じています。
 学会も少しずつ職員の数を減らす方向で動いていますが私の知るかぎり、仕事ができない人、仕事にあぶれている人を解雇するという印象ではありません。仕事はできるけど、結婚を理由に女子職員を解雇したり、パートさんを減らしたりというケースばかり聞きます。あとは不正をしたり、執行部の意に染まぬ者の解雇ですね。
 企業風土として一般企業のようなリストラはできないのかもしれませんし、〈何らかの事情〉があって、リストラを行うと不都合が生じるのかもしれません。ひとつだけ言えることは、現状が会員にも職員にも良くない影響をおよぼすということです。

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