ロバート・マクマン著『冷戦史』の翻訳出版

今回は書籍の紹介をしたいと思います。

私が和訳を担当させていただいたロバート・マクマン著『冷戦史』(勁草書房)が2018年7月13日付で書店配本され、14日付でアマゾンでの販売が開始されました。著者であるロバート・マクマン氏はオハイオ州立大学歴史学部名誉教授(国際政治史、米国外交史)です。

私が本書の和訳作業にあったのが2016年の11月から12月にかけてで、そこから監訳者である一橋大学の青野利彦准教授(国際関係史、アメリカ外交史)による監訳作業が開始されましたが、青野准教授のご多忙の中での作業が長くかかり、今回ようやく出版の運びとなりました。

本書は私にとって、初めての翻訳書の出版であり、喜びもひとしおですが、どんな方が購入してくれるのか、読者の反応はどうなのか、今後の展開が非常に気になるところです。

青野准教授は監訳者解説の中で、本書について次のように述べています。

監訳者である私が、本書の原著を初めて手にしたのは、大学院生としてアメリカに留学していたころのことであった。留学時代に入手し、現在まで何度も読み返してきた手元の本は、赤と青の鉛筆でほぼ全体に下線が引かれ、一センチもない余白は書き込みで真っ黒になっている。当時、ケネディ政権期のベルリン危機とキューバ・ミサイル危機に関する博士論文を書いていた私は、冷歴史の概説書を何冊も読み比べていたが、そのコンパクトな外観に比して豊饒な内容を持つ本書から強い印象を受けた。その後、帰国して教壇に立つようになってからも、本書には、初めて担当したアメリカ外交史の講義の準備でずいぶんお世話になり、また、学部ゼミや大学院授業の課題文献としてもたびたび用いてきた。
このように自分自身が学生時代から多くを学び、また、多くの学生たちとともに読みこんで議論を交わしてきた本書には、冷戦史に関する多くの書物の中でも、とりわけ思い入れがある。

上記のように、青野准教授は本書について「そのコンパクトな外観に比して豊饒な内容を持つ本書から強い印象を受けた」と書かれていますが、訳者である私も同じ印象を受けました。オックスフォード大学出版会から出版されている英語の原書は約170ページ程度というコンパクトな外観ですが、内容が濃く、読み応えがあると思いました。

国際政治や冷戦の歴史に興味のある方には是非おススメです。


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