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ツイッターは軽いサイトラの練習に最適

2021年が明けて初めてのnoteになります。

つい先日、ツイッターのツイートでサイトラしてみたところ、これがなかなかやりやすく面白いので、今回はそれについて書いてみようと思います。

サイトラとは、サイト・トランスレーション(sight translation)の略語で、ほぼ通訳と同じ要領で、その場で即興でテキストを訳すことです。私はもう何年も前のことになりますが、翻訳学校サイマル・アカデミーの日英翻訳者養成コースで学んでいたことがあり、その時に毎回授業の後半でサイトラをやるのが課題となっていました。

つい先日のことですが、ツイッターで興味を持ったツイートをその場で英訳してツイートしてみると、これがサイトラによく向いている方法だと実感し、ここ数日間それを続けています。

本来のサイトラは、辞書などは使わずに、その場で即興で頭に浮かんだ英語で表現するものですが、ツイッターで文字としてツイートするので、なじみのない単語や表現はその場で辞書やネットで調べて、納得のいく表現を決めたら、それをツイートしています。

以下にいくつか実例を紹介します。

元のツイートは、基本的に相互フォローのアカウントのもので、まず最初は+Mさん@ freakscafeのものを取り上げたいと思います。+Mさんは読書について、次のようなツイートをしていました。

私はこれを次のように英訳しました。

続いて、これ以外の+Mさんのツイートと私の英訳を以下に連続させて並べてみました。

次に、今度は医師のHashimotoさん@ r_hashimotoのツイートと私の英訳です。

最後に、軍事研究家の関口高史さん@parsifa18401874のツイートと私の英訳です。

前述の通り、なじみのない単語や知らなかった単語はその場で辞書やネットで調べましたが、それ以外は自分のオリジナルの言語感覚に基づいてその場で自然に頭に浮かんできた言葉を使って英訳しました。その際には、肩の力を抜いて、言葉遊びを楽しむ感覚で訳しました。

このようにツイッターでサイトラしてみて実感したことですが、ツイッターは140字という文字制限があるため、自然と余分な言葉をできる限り削って、必要な言葉だけでシンプルに簡潔に表現する良い訓練になります。

私は前述のサイマル時代に、授業の課題文の英訳で余計な言葉を付けてくどい(wordy)英文を書く癖があることをネイティブ講師に指摘されて、その経験を通してシンプルで簡潔に表現することの重要性を認識するようになったことを、改めて思い出しました。シンプルで簡潔な英語こそ良い英語だということを改めて再確認する機会になりました。

このツイッターを使ったサイトラで新たに得た単語の知識や自分が考えた英訳や表現は、実際の仕事をする際にも活かすことができる自分だけの資産になるので、翻訳を勉強している皆さんやすでに翻訳実務に関わっている皆さんにも一度試してみることをお勧めします。

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