空港ポスト003-後編8　19/12/17～19/12/25

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ディスクール　だ円の多い街にいてそれでも訃報はかならず届く
／村上航

「だ円の多」さ、に気付いていながらそれが歌の核ではない感じ、をおもしろがれつつ、それ以上に込み上げてくる「どういうこと？」の疑問が勝りすぎて歌の印象はそっちで残りました。
「それでも訃報はかならず届く」の、誰の、を言ってこないところで「すべての」の可能性を残せていて、さらに「だ円の多い街」の割とどの街も当てはまりそうな感じ、からすごく広がっていくおもしろさがある、一方で、その絞られなさでさらによくわからない歌になってしまっているのかな……と思います。

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水筒のゴムパッキンを洗うとき蛙はどこの道に轢かれて
／田村穂隆

　思い馳せの距離、でいうと「水筒のゴムパッキン」から「どこかの道で轢かれた蛙」までだとまだ近すぎるのかな……という印象です。なんというか、まだ想起できる形状な感じ、がします。一方で、そこに共感ができるほど近くもない、というところで、いまひとつ読者の心が動かされていかないのかなと思います。

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平出奔
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