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【感想】”ELLEGARDEN : Lost & Found” を観て、勇気をもらった!

「エルレ」を知ったのは軽音楽部に所属していた高校時代の時。先輩のバンドが演奏していた「風の日」に心を奪われました。それから自分で調べて聴くようになって、気づけば高校三年生受験期にはエルレのプライリストをぶん回して聴きながら勉強して、真っ暗な帰り道に「高架線」を聴いて励まされたりなんかして、僕の青春にはエルレがいました。

一方で最初のメジャーアルバム「DON'T TRUST ANYONE BUT US」を出した2002年は僕が生まれてまだ1歳。もちろんエルレの全盛期をリアルタイムで見ていません。

しかし、今回のELLEGARDEN : Lost & FoundではタイムスリップしてELLEGARDENの当時を追体験しているかのようでした。そんなエルレが好きだけど全盛期を知らない10代、20代はもちろん、なんならエルレを知らない人でも楽しめると胸を張って言えるドキュメンタリー映画 ELLEGARDEN : Lost & Foundの感想をこのnoteで書いていきます。

引用 : amazon music

目次
・全体的な感想
・エルレの初期
・苦しさのピーク ELEVEN FIRE CRACKERS
・エルレに背中を押されて
・終わりに

全体的な感想

先にこの映画の全体的な感想を言うと「最高」の一言につきます。★5つです。まず映像がとても綺麗でした。最初のロサンゼルスの映像がとても綺麗でワクワクしました。
それから昔のエピソードの挿入絵も可愛かったしエルレのパンクな感じとマッチして良かったです。全体の構成もとてもスッキリしていて、大きく分けると4本立て

①エルレ結成
②全盛期とその苦しみ(活動休止の裏側)
③活動休止期間の4人
④再結成、これからのELLEGARDEN


これらの流れをエルレの4人と当時の関係者などのコメントからエルレの歴史を紐解いていく感じです。特に「活動休止に至る理由を解き明かす」みたいな面もあって、メタ的な感想ですが、いろんな証言から真実を解き明かすミステリー映画っぽさがありました。

エルレの初期

「エルレは2000円の演奏をするからチケット代安くしたいんだったら他のライブ行ってくれ」
結成初期からエルレの4人は「自分たちの音楽が一番かっこいい」という共通の信念をもってライブをやっていました。それでもなかなか売れず、できることは何でもやりました。と生方さんは話していました。なんと渋谷で路上ライブをしたこともあったそうです。こんなことまでをやっていたのか!と今のエルレしか知らない自分はとてもびっくりしました。こうしたことを地方を回りながら繰り返していき着実にファンが増えたエルレ。「風の日」に乗せて数人しかいなかったライブハウスからロッキンの映像に変わるシーンは本当に圧巻でした。歌ってる細美さんが本当に楽しそうで、自分はエルレに救われてきたけど、実は細美さんもエルレに救われていたんですね。

ここまで着実にファンが増えたのはなんでだろうと考えた時に、4人の想いが結束してがっちりハマっていたからなんだと思います。ひとりひとりがパワフルで個性的だけど、4人が共通の認識を持っていて1つのバンドとして成立しているように当時の映像を見て感じました。ゲストのごっちさんも言うように文学的アプローチからしてもELLEGARDENというものは言い表せないもので、細美さん自体(それ以外の3人の影が薄いとかではなくて)を理解しないとわからないものなのかもしれません。

苦しさのピーク ELEVEN FIRE CRACKERS

「一番製作が苦しかったアルバムは?」という質問に対して生方さん、高田さん、高橋さんの三人が口をそろえて言ったのが「 ELEVEN FIRE CRACKERS」でした。細美さんも相当限界だったそうで円形脱毛症になるほどだったそうです、、このELEVEN FIRE CRACKERSで、3対1(生方さん、高田さん、高橋さん 対 細美さん)の溝ができたわけです。これは決して細美さんや他の3人が悪いとかではなくて、より刺激的な音楽を作ろうとブレーキが利かなくなった細美さんを3人は止めることができなくなったわけです。当時の様子を高橋さんは「スタッフが細美さんに何か言っている時にスタッフ側になって細美さんを攻め立ててしまった。それがいまでもすごく後悔している。」と言っていました。自分も昔、自分自身のことでいっぱいいっぱいで相手の気持ちをしっかりと感じ取れなかった時がありました。だからこそこの高橋さんの言葉が染みました。

加えて、「創り出すことの1つの本質」にも触れたような気がしました。というのも、個人的な意見にもなるのですが「ELEVEN FIRE CRACKERS」はエルレの中で1,2位を争う名アルバムです。そんな神アルバムができた裏側で4人は魂を削っていた訳で、どこか人間の限界に達した時に日常では感じれない「凄み」が生み出されるということを感じました。これはこれであの音楽はあの時のエルレにしか作れなかったのではないでしょうか。終盤では今の細美さんは過去の自分を受け入れつつも「共同」、「新しい環境」や「自然から感じる新しい感動」からクリエーションをしていこうという試みにシフトしていくという描写があり、新しくてパワーアップしたこれからのエルレが楽しみでワクワクしています。

エルレに背中を押されて

現在、パワーアップしたELLEGARDENを聴けるのは確実に16年という長い休止期間の中で4人が再結成に向けて自分と向き合い努力をしていたからです。その中でも特に細美さんがキーマンであり、細美さんは休止期間で自分自身の問題と向き合い、いろんな人との出会いを通してアイデンティティでもあったELLEGARDEN再結成を叶えました。僕自身も「このままではいけない」と思いながらも何も変えられない自分を見過ごしてきました。でもこのドキュメンタリーを見て細美さんに「闘え!」って背中を押されてる気がしました。

また、終盤に細美さんがMountain Topのデモを三人に聴かせて、三人が「良い!」って目を輝かせて言って、それに細美さんも「よし!」ってガッツポーズするシーンがとても心に残っていてます。僕も高校時代、軽音楽部でオリジナル曲を作っていたのですが、めっちゃ良い曲ができた時にバンドメンバーと喜びを分かち合ったあの時の感動を重ねながら見ていました。自分はやっぱり「創ること」が好きだと再認識したし、そのために今やっていること一つ一つを全力で取り組む心がけをすること、そして弱い自分と向き合う勇気をもらいました。

終わりに

このドキュメンタリーはただの1つのバンドのドキュメンタリーではなく、ELLEGARDENが結成してブレイクし、空中分裂をして活動休止を決め、長い時を経て再結成に至るまでの紆余曲折を4人の視点から描いた恋愛ドラマのような作品です。ELLEGARDENを知らない人でも楽しめるのではないかと思います。是非、見てください!

予告映像


ELLEGARDEN : Lost & Found 本編はこちら
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B8Q83R5J/ref=atv_dp_share_cu_r


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