見出し画像

スペイン、巡礼④

サン•ジャン•ピエ•ドポー。
この街では、巡礼事務所のお世話をして下さった女の人と、宿の女主人と、お二人のとても暖かいお人柄が心に残った。
できるなら、もう一度行きたいと、今でも、思う。

そして、翌朝。
"スペインでは、自分の荷物に気をつけるように!"と 宿の女主人の言葉に送られて、
いざ出発!

今日は、この旅一番の難所と言われている、ピレネー越え!

街はまだ、昨夜の余韻を残したまま寝静まっている。
ごみ箱に溢れた物を、猫が漁っていたり、
寝そびれたような人が、ふらついていたり‥…
そんな街を、私達は、昨日下見をしておいた道を通り、街を抜ける。

家に車でパンを配達する人の姿を見たりしながら、(へぇ、こんなふうに、パンを届けてるんだね!って驚いた!) 
住宅街を離れ、だんだん緩やかな斜面を上る道になる。

そして、オリソンに着いた。
ちゃんと下調べが出来ていて、予約をする事ができたならば、昨日、ここまで来て、泊まりたかった所!
水場で、補給して、休んで、出発!

画像1

ここからが、本番のピレネー越えか!と、気合を入れて歩き始める。 
でも、日本の山と比べると、急坂ではあるけれど、歩きやすい。
寒くもなく、春の穏やかな天気の元、なんて気持ちの良い道!
緑の牧草地に、白い羊がきれいに見えて、とてもかわいい
新緑の緑の牧草地は、なだらかでのびのびしていて、ここで、一日、本を読んで過ごせたらなぁ!と思いながら、歩く。 
一緒に行った友達とは、途中からそれぞれのペースで歩くようになっていて、
今日、泊まる予定の所で会えば良いかという感じだった。

スペインとの国境は、知らなかったらやり過ごしてしまうくらいのささやかな場所であった。
で、スペインに入ると、道は泥道になってたり、高い木が生い茂ったりして、生態系が変わったことを感じた。
ピレネーを越えると、今までの気象とは違って、風が吹いてきて、雨が降ってきて。( その日は )
みんなあたふたして、カッパを着たり、対応をし始めたのだった。

この日、歩いてる途中で、日本の一人旅の女性と知り合った。
一人旅! 同じ位の年代かな? ええーっ!すごいなぁ!
心の中で自分に言う。
ほら! こんなに勇気のある女性もいるのだよ!

フランス側の道とは違う、高い木々の道を降りて行くと、今夜の宿のある ロンセスバージェスのアルベルゲが ( 巡礼者のための宿で、クレデンシャルという、パスポートを持っていたら、安く泊まることができる ) 見え、ホッとする。

一番心配していたピレネー越えを終えて、宿に友人と二人でチェックインをすることができた。
チェックインを済ませ、シャワーを浴び、洗濯をして、ホッと一息をつく。
私達が、与えられたのは、2台のベッドがあるスペースを一区画として区切られた、大きな体育館のような所。
後で、聞いてみると、早く着いた人は二段ベッドのところだったとか。
振り分けかたは分からなかったが、ホッとできるスペースで、良かったなあと、思ったことは覚えている。

やっと 一息ついて、夕食に出発。
宿のすぐ近くのレストランに入り、ここのお勧めは、マスと言うことで、巡礼者用のマスのメニューを注文し、絶対にはずせないビールも、注文して。
無事に今日の道を歩けたことに乾杯!

お喋りをしながら食べていると、奥の席から声がかかった。
振り向くと、TGVで会った アイルランドの若い女性二人組。
傍らに、若い男性たち。 楽しそう!
若いって、良いね!

その後、2回会ったかな、
今、どうしているかな?と、 時々 懐かしく思う。

そして、満腹、満足、帰ってバタン、キュー。
洗濯物を取り込んだのか、そのままだったのか、覚えてない。

そうそう、チェックインをして、靴置き場に、靴を置いたとき、知り合った日本人の女性のストックと思われる物が、靴と一緒に置いてあった。
何となく "大丈夫かな" と不安に思った。
後で、聞いたところ、やっぱり無くなっていたそうで、彼女は、ちょっと高かったけど、新たに買ったとか。

こんな感じで、今日の一日が過ぎた。

歩いた距離、サン•ジャン•ピエ•ドポー から ロンセスバージェスまで、25km.

長い道のりではあったけど、あぁ、巡礼の道を歩くとは、こんな感じなんだ、と ちょっと安心して、寝袋に入ったのだった。 

おやすみなさい!













この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?