スペイン巡礼の旅⑯ 2018.6.4
アタプエルカ 〜 ブルゴス 20.12km( 合計287.7km )
今日の道の事は、ほとんど覚えていない。
この写真は撮ってあるけど、どんな場所からどんな思いで撮ったのか…。
この花は 初めて見た花だなぁと思って撮ったのは覚えている。
この岩が多い道は、どこの国の人だったか、女の人の家族の話を聞きながら下ったことは覚えているな。
帰ってから、しばらくの間は、こんなことは絶対に忘れないだろうと思っていたけど、3年弱経ってみると、クリアな記憶が、蜃気楼みたいに、あやふやで、はっきりした形も残ってないことに愕然とする。
写真を見ると、友人と珍しく一緒に朝ごはんを食べたんだった。
歩くペースが違うので、なかなか一緒に休むことはなかったな。
友人と言っているけど、私にとってはお師匠さん。
山のあるき方、植物の名前などを、一から教えて頂いた人。
主人も私も、彼女の生徒だったのだ。
お陰さまで、興味の湧く分野が広がって、今の私がある。
北アルプス、南アルプス、近隣の山々、一緒に登った素晴らしい山の思い出がいっぱい!
だけど、しっかりと自分の考え方、生き方を持っていて、ベタベタと馴れあうことはしない。
独りで暮らすことにやっと慣れてきた私の、目指す姿がそこにある感じ。
なにはともあれ、美味しかった。ごちそうさまです!
この壁の絵がおもしろくて、思わずパチリ。
そして、ブルゴスの町に着いた。
町の入口の標識の所では、Tさんと一緒にいたようだ。
Tさんと、どっちに行こうか迷っていたら、前に会ったアメリカ人の男性が、こっちの方が緑が多いからこっちに行こう!と。
あとから聞くと、友人は、街の中の道を歩いたそう。
でも、その道も旧市街までは長かったと。
川沿いに延々と続く道。
木の綿毛が、溶けかけた雪のように、道路の脇にたまっていた。
旧市街まで、とにかく延々とこの道を歩いた。
そして、あまり大きくない橋を渡って、街に入ったような覚えがある。
Tさんが、もうダメ!トイレ休憩をしたい!とのことで、バルに入った。
ワインとこのサンドイッチで2ユーロ。280円くらい。おいしかった!
大きな町の中は、標識が分かりにくい。
やっと、今日泊まる公営のアルベルゲに、着いた。
友人が、私達より早く着いていた。
小さいアルベルゲでは、早く着いた人が3人分ベッドを確保することができたが、ここは大きいので、ダメだったと友人が言っていて、Tさんと私は、友人とは、違う階になった。
各階で色が違う。
荷物を今日のベッドに広げ、片付けながら、
カタツムリのように、自分の持ち物を全部担いで、毎日移動していると、
人間 生きていくのに必要な物ってそうたくさんはいらないのかなと思ったり、
今は、旅の途中で、帰れる家があるから、今はこれでやっていけるけど、これがずっと続くと、どうなのかなと、思ったり…。
あれから年月が経ち、今の私が思うことは、
どこにいても、持っているものが少なくても、
丁寧に暮らしたいと思って、努力して暮らしたら、
少なく、足りない物があっても、心豊かな満ち足りた暮らしができるのではないかと。
そして、それは私が、これから目指していく生き方なのだろうと。
清潔!これが一番です!
アルベルゲは、右側。反対側にバルがあった。
Tさんは、日にちの都合で、明日は、バスに乗ってショートカットをして、また、違う町から歩くという。
一緒に歩くのは今日で最後だった。
寂しいな。
Tさんは、日本のカミーノ友の会で知り合った、Nさんという男性と一緒に歩く予定だったんだそう。
( カミーノ友の会は、巡礼の情報を提供したり、相談、支援などをしている団体。)
それが、Nさんの乗る飛行機が飛ばなかった、というアクシデントで、Nさんと出会えないまま、サンジャンから一人で歩き始めたということだった。
そして、私達との付き合いが始まったのだ。
これも、ご縁、ですかね。
そして、後から追いついたNさんと、ここで今日 会えたのだが、明日からは、もう二人は別々に歩くことになる。
こんなこともあるんだねぇ。
友人は、足が痛いので、バルで休むというので、Tさん、Nさんと3人でカテドラルを見に行った。
カテドラルは大きくて、一周りするだけでも、すごいこと。
Nさんから、折角だから入って見ましょうと誘われクレデンシャルを見せ、割引になった入場料をはらって、中に入った。
広くてあちこち、迷いながら、見て回った。
きれいなバラ窓、ステンドグラス。
後でガイドブックを見たら、礼拝堂の前の天井を見るべきだったって!
ただ歩く!という目的だったので、
まぁ、一つでも、本物を見て、すごいなぁと思えるひとときを頂けただけで、幸せなんだろう、と思うことにする。
見そびれたものは、縁がなかったんでしょうねと、自分をだましたりして。
カテドラルの前には、立派な門も!
Tさんが、明日のバス乗り場を見ておきたいと言うので、3人で橋を渡って新市街のバス乗り場を見に行った。
分かりやすい場所、分かりやすい乗り場だった。
Tさん、良かったね!明日は大丈夫だね!
いろいろなお店があって、観光客ではない普通の暮らしが見えて、旧市街とはやっぱり雰囲気が違うことを感じた。
郵便局。両側の獅子の口は、ポストらしい。
帰りに、3人で、バルでご飯を食べて宿に帰った。
私達の旅は、明日からも続く。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?