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スペイン巡礼の旅 ㉙ 2018.6.17

ラバナル・デル・カミーノ 〜 モリナセカ 25.6km  合計 ( 562.65km )

アルベルゲを出発して、道は上り坂になっていく。
黄色のマメ科の花と同じ形の白い花が増えてきた。
こんな花いっぱいの道は、なかなか歩けないから、朝から気分が高まる。

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 途中、高い木の道もあった。

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そして、花がたくさん咲いている!

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フォンセンバドンの入口。

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なんの建物か分からないけど、おもしろくて。

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そして、鉄の十字架に着いた。

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巡礼者が願いを込めた石を持って来て、ここに置いていくそうだ。
この石の丘は全部、今までいろいろな場所からいろいろな人の手で、ここまで運ばれてきた石でできたという。
どれだけの人の思いがこもっているのだろうか。
ザックを担いでいないヘルメットの人たちは、自転車で動いている人達。

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イラゴ峠超えのこの道は、花がとてもたくさん咲いていて、山全体が花畑のようだったり、遠くの山には、雪が残っていたり、雲海が見えたり。
この花の中の道を歩いて、とても幸せにだった。

主人は、病気でなくなったのだけど、もっと生きたかっただろうなと思うと、私一人だけ残ってしまって主人に申し訳ないという気持ちが、ずっと心に残っていた。
自分は一人で幸せになっては、いけないような気持ちでいた。
以前、この思いを消化したつもりではいたけれど、心の中ではまだ、くすぶっていた。

でも、この日、この花いっぱいの道を歩いて、私は変わった!

旅の中で、この思いが湧いてきたこの日は、最も心に深く残っている私の記念日でもある。

笑わないでもらいたいのだけど、
この日、この道を歩きながらわいてきた気持ちをもう一回伝えたい。
もし天国があって、天国がこのような気持ちの良い所だとして。
主人が穏やかな気持ちで天国にいるのに、
私が、いつまでも下から呼びかけていたら、主人は、落ち着かなくて、かわいそうかなぁ。
いつまでも主人を追うことをしないで、自分も気持ちよく暮せば良いのだろうな。
主人を思う気持ちは変わらないけど、同じ場所で生きてはいないことを、自分に納得させなければいけないんだ。
主人は亡くなった、私は生きている。
住む世界が別々になってしまった。
亡くなったことを認めよう。傍に居ないことを認めよう。

私は、一人でいても幸せになるんだ!
幸せになっていいんだ!

花々、今日のこの道が、私を救ってくれた。

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遠くに雲海が見える。
道は続いている。

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ラベンダーの花がたくさん!

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峠を、どんどん下っていく。

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村の中、道の傍らで休んでいると、車が止まって、声をかけられた。
車にのっていたのは、最初の頃、同じアルベルゲで泊まって、それから何回となく会って、親しくなったブラジルからの一人旅の女性だった。
何で車?怪我をしたの?と思ったら、
ご主人が仕事でブラジルからベルギーに来て、帰りに奥さんに会うためにスペインに寄ったのだと。
ワァーォ!かっこいい!
ハンサムなご主人に挨拶をされて、私も嬉しくなった。

彼女は、ATMにカードを飲み込まれ、次の日に手続きをするために、連泊を余儀なくされたことがあって、その後、会わなくなったなぁと思っていたので、会えてとても嬉しかった。

古い家を横目で見て。

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ここは、歴史的な建物がたくさんあるのかな?

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葵のような花だけど、葉っぱが違う。
日本で見るのと同じような花がたくさんあるけど、少し違ったりするのは、人間も目の色、髪の色が違うようなものかなと思ったりする。

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ずっと下りの道が続き、小川を渡った所に、ドネィティボのお店があった。
ホッとして、果物を買って、休憩。
ここで、ゆっくりしていたら友人が来て、ここから二人で着いたり離れたりしながら歩く。

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この道で、バリ島に住んでいるという日本人の一人旅の女性と会った。
バリは人が優しくて、生活費が安くて住みやすいんだって!
本当に色々な人がいることを改めて思う。

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山道から車道に出て、モリナセカの町が見えてきた。

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道を左に曲ってこの橋を渡る。
この橋の右手の河原で、水着で水遊びをしている人達がいたののだが、写真に撮ることがためらわれて、橋を中心に撮った。
とても気持ちよさそうだったなぁ。

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街をゆっくり見たいなぁという思いを抑え、今夜のアルベルゲを探して行くと、いつの間にか街を通り抜けて、町外れに近くなっていた。
今夜のアルベルゲ。
今、思い出していても不思議なのは、道を歩いていたときは、Nさんと一緒に歩いていた記憶はないのだけれど、なぜか、いつもアルベルゲには、Nさん、友人と3人で一緒にチェックインしていた。
今度、Nさんに聞いてみよう!

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二段ベッドでなくて幸せ。
広々、伸びやかな部屋は、本当に嬉しい。

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ガイドブックでみたのかな、生きた木に仏像を彫ったのがあるというのは知っていた。
それが、この街にあるそうで、一人で、それを見に行った。

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それが、この仏像。
この仏像があるアルベルゲに、何回か同じ宿になって親しくなっていた韓国の若い一人旅の女性が止まっていて、偶然に会えて、お互いにビックリ。
彼女は、俳優をしていて、仕事と結婚と、自分の将来について考えたいと、この道を歩いていると言っていた。

韓国の人は女性も男性も自炊をする人が多くて、彼女も自炊派。いつも一人で淡々と、作って食べていた。
なんというか、その姿が、美しく清々しくて気持ちが良かったのだ。
以前、雨の中を遅くにアルベルゲに着いた若い女性がいた。
それが、彼女だったのだ。
その時その女の子から発せられた雰囲気が独特だったので、記憶に残っていた。
その時も、彼女がベッドに歩いて来たとき、サアーッと爽やかな風が吹いてきた感じがした。
気負わず媚びず自然体で、それでいて毅然としていて。
それから、若いのに、素敵な人だなと気にかけていて、話すようになったのだった。

一緒に生の木に彫られた仏像を見た。

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宿に戻ってビールを、飲んでいると、馬の蹄の音。
巡礼者ではないよね?

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この木は、さくらんぼの木。
洗濯物を干して、近づいてみると、たくさん実が付いている。
でも、まだ早くて、赤いのは少ない。
色づいたのを探して食べた。
おいしい!

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そして、夕食。
町外れなので、街に歩いていくのは億劫で、この宿で頼んだ。
スープ、サラダ、パスタ、デザート。
同じテーブルのフランスのご夫婦は、今日で歩き始めて53日だとか。
あちこちの道を歩いているそうだ。フランス領の島もお勧めと言っていたが、名前、覚えられなかった。

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今日は、とてもたくさんのことがあって、忘れなれない一日となった。

おやすみなさい。



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