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スペイン巡礼の旅 ㊵ 2018.6.28

サン•ラザロ 〜 サンティアーゴ•デ•コンポステーラ! 2km ( 合計 776.7km )  

[ ヘッダーの写真、巡礼事務所で発行して頂いた証明書では、サン•ジャン•ピエ•ド•ポーから、799kmと書いてあるのですが、途中で分かれ道もあったりしたので、私達の距離との差が出ているのかもしれませんね。]

今朝、友人はゆっくり歩くからと、朝早く出発していった。
今日は、先ず大聖堂に行く!
Nさんと二人で出発。まだ人影が少ない町を歩いていく。
ゴールまでの残り少ない道、でも、実感はわかない。

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実は、昨夜、夜中に脚が異常に痒くて目が覚めた。
左脚が特に痒い!
どうしょう!?
なんとかしなくちゃ!と思うけど、あまり動くとベッドがギシギシとうるさいので、迷惑をかけないようにそっとかいてみる。
痒くて痒くて、嫌な汗がでてくるけど、身体は、眠くてだるくて、とても、おかしな気分。痒い!眠い!朝までの時間が長かった。
明るくなって脚を見ると、虫刺されの跡がゾッとするほどたくさん!!
でも、とにかく着替えて出発の準備をしなくては!
歩き初めても、脚のことが気になって仕方がない。
他のことに気がいくと、忘れていられるかもと思い、無理にキョロキョロしながらあるく。

まだ、歩いている人、巡礼者は少ない。

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大聖堂の塔が見えてきた。
この旅では、同じように町に入って、教会の高い塔を見ながら歩いたなぁと、心に残っている風景を蘇らせてみたりして。

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着きました!!
これが、正面から見たカテドラル(大聖堂)!
立派です!
工事中で、正面からは入れなさそうです。

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オブラロイド広場。
立派な建物で囲まれているおおきな広場です。
テレビなどで見たことがあります。
そこに今、私が立っています!
でも、グルリと周りを写真に撮ることを忘れていました。
その場、その場の写真を撮ってました。
冷静、ではなかったですね!

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で、後でゆっくり見ることにして、巡礼事務所に向かいます。
街の中は、古い街で、どこも歴史を感じます。


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巡礼事務所の入り口。
友人が、待っていてくれました。
入り口は狭かったけど、中庭には噴水もあて、明るくて広々していました。

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大勢が並ぶと、証明書の発行に時間がかかると聞いて早めに来たつもりだけれど、もう、列ができていた。


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けっこう、のんびりした雰囲気で、あぁ、みんなホッとしているのかなと思った。

パスポートと、クレデンシャルというスタンプを押した手帳と、前もって渡された紙に、名前、国名、年齢、職業、何の目的で歩いたかを書いて待っていた。うろ覚えだけど、歩きか、馬か、自転車かに印をつける所もあったような気がする。

そして、最初に載せた写真の証明書と、もう一枚の、2枚の証明書を頂きました。
と言っても、ちゃんとお金をはらって頂いたのです。

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最初、証明書については、誰に証明するために?とか、誰に認めてもらわなくても、自分が歩いたことは自分が一番知っているし、などと素直じゃない気持ちもあったけど、こうして証明書を手にしてみると、これで良かったのかな!と、落ち着くことができたような気がした。

証明書をもらったあとは、Nさんとは別れ、遅くなった朝ごはんを食べるために友人とバルに入った。

その時に、友人に、虫刺されの話をして、フィステーラまで行きたいと思っていたけど、もうここで帰っても良いというか、帰りたい気持ちだと伝えると、友人も、同じ気持ちだという。

友人は、昨日、大聖堂を、訪れているので今日は、このままタクシーで今日のアルベルゲまで行く予定とのこと。
そこで、アルベルゲに落ち着いたら、旅行会社に連絡をしてみると言ってくれた。

友人と別れて、私は巡礼事務所にザックを預けて大聖堂に戻る。

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この入り口から中に入る。
11:30からのミサにでて、ボタフメイロをみたかった。

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ボタフメイロは、教会の空気を浄化する役目を持ってるおおきな香炉。
それが、高い所から太いロープで吊り下げられていて、点火されてから、教会の中を南北に大きく振られるのだ。

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点火をしている人、ロープを引く人。

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こちらに向かって振られてきました!でも、写真に撮るのは難しい。

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ボタフメイロを見たあと、聖ヤコブの像を後ろにまわり込んで、肩を抱いて感謝をし、そして、地下に下りて聖遺物の入った銀の箱を見て、外に出た。
あぁこれで終わったんだという気持ち。

外に出たところで、Nさんとまた出会った。
Nさんは、早く教会に入ったので、一番前で、ボタフメイロを見たのだそう。
そんなことを話していると、窓のない小さな観光バスが来たので、Nさんと乗ってみた。
サンティアゴの街をぐるっと回るバスで、のんびりした気分になれた。

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パラドール、ロビーだけ見てきた。

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その後、ザックを取りに事務所までもどり、Nさんと今夜の宿まで歩く。
今夜の宿は、神学校の併設されている大きなアルベルゲ。

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先に着いて待っていてくれた友人とNさんと3人で、宿泊の手続きをする。
廊下も、トイレも全部清潔で気持ちが良い!
部屋は3階。今夜もカミーノファミリーの3人、お隣同士。

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ベッドに荷物をおいて、友人の話を聞いた。
旅行会社の人に、今、飛行機があるかどうかを調べてみてもらっているので、連絡待ちとのこと。

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友人は、私達が着くまで地下の食堂で待っていてくれたらしいが、部屋が決まって、3階のこのベッドまで、石の階段を登るのは辛そうだった。

私達二人が元気だったら、フィステーラという巡礼路の始まりの歴史のある岬と、ムシアという町まで行って、帰る日はまだ何日も先になる予定。
今の二人の状況をみると、やっぱり、ここで帰ることに決めて良かったのだ!
とりあえず、今の私に必要なことは、シャワー、洗濯!!

多分、昨夜の虫は、ベッドバグと言われているものだろう。
今まで刺された虫は、赤く腫れて、しこりが残ったけど、今回は刺された跡が違う。
ベッドバグについて、出発前に読んだ記事を思い出した。
家に持ち帰ったら、大変なことになるという。
高い温度のお湯で洗うこと!とにかく、洗うこと!

ザックの中は、大きなビニールが入れてあって、雨が降っても濡れないようにしてあるので、虫は絶対に入ってこれない。
昨日、洗濯した服はその中に入っているので安心。
今着ている服が問題。絶対に虫を日本に連れて帰るわけにはいかない!
シャワーを浴びるとき、脱いだ服は、直ぐに袋に入れて密封して、絶対に他のものとは一緒にしないように気をつける!
そして、シャワーを浴びて、着替えた後、ザックの外の収納部分に入っている物で洗えるもの、
ビニール袋に入れてないシュラフ、インナーシュラフ、布で作られたポーチ、ザックなど、洗えるものは、みんな洗った!
ありがたいことに、大きなアルベルゲで、洗濯機も、乾燥機もたくさんあって、お湯の温度を選べた。
シャワーを浴びて、着替え、洗濯機にかけたときは、本当にホッとした!

最後の夕食は、3人で食べましょう!
こんな感じの街ももうすぐ見納めですね!

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ここはどうかな?

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オーナーが漁師さんだそうで、

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おいしくて頂きました。
3人で話しているうちに、3人が3人とも最後に思っていたような満足感を味わえてなかったということが分かって、どうしてなんだろうと?
でも、結局、結論は出なかったけれど。

そして、私の虫刺されのこと、友人の脚の状態のことが相まって、私達の旅をここでおしまいにしようと決めたことなどを、改めてNさんにお伝えした。
Nさんは、予定通りあと1週間ほど、フィステーラ、トレドなどをまわってから帰るとのこと。
Nさんのこれから先の旅のご無事と、本当にご一緒できて楽しかったことなど、感謝の気持ちをお伝えして、最後の乾杯をしました。

食事をして帰ってから、旅行会社の方と連絡が着いて、とりあえず、明日はマドリードへ移動する事になり、とても長いような短いような一日が終わったのでした。

ゴール、
ベッドの中で、ゴールの意味を考えていた。
サンティアゴを、ゴールと決めていたが、それは、昨日の続きの今日、今日の続きの明日、を生きていく中での通過地点であって、私の暮らし、生き方のゴールではないことに気がついた。
サンティアゴは、どちらかというとマラソンのゴール、登山の頂上の類のゴールに似ている。私が歩くきっかけは、これから生きていくための心の強さ、拠り所のようなものが見つかったら!というものだったので、そんなものにはゴールが簡単に見つかるはずもなく、それをごちゃまぜにしていたことに、やっと気づいたのだ。
でも、精神的なものは、全く何も残らなかったかというとそうではなくて。

「カミーノの終わりは、新しい人生の始まり」
という言葉があるそうで、その言葉の意味が分かるような…と思いながら、いつの間にか寝ていた。



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