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可愛くも美しい、サンタ達の笑顔の魔法 ~MagicSocks~

ライブの余韻と感動の勢いのまま書いて公開します。
個別の回や曲について等々、まだまだ書きたいことはあるのですが、一度全体を総括した思いを吐き出しておかないとライブのことばかり考えてしまい、そろそろ日常生活に支障が出るので...

それでは、特に参加されていない方にはなにかと読みにくい文章となっていると思いますが、それだけ興奮して感情が爆発する良いライブであったということでよろしくお願いします。

0. セットリストのメモ

(一部個人的メモ付き。盛り上がりすぎて、MCのコーナー名までは覚えられませんでしたね)

●12月20日(金)fulfill回
・会場諸注意はcitross(みこみこの「会場内はきつえん……あ、間違えちゃったー、てへ❤」はかわいい)
・fulfillの前説
・オープニング
1. JAM GEM JUMP!!!
MC1 ふるふぃる幼稚園(その中でウィンターワンダーランド歌唱。客席も一緒に振り付けで踊り歌う楽しさ)
2. オンリー・マイ・フレンド(うたひなポンver)
3. しゃかりきマイライフ!
MC2 アフレコのじかん(乳酸菌君とにゃん丸おじさん)
4. 形而境界のモノローグ
5. DESIGNED LOVE
6. 鮮紅の花
7. メッセージ
MC3 コント ピザが食べたいfulfill(MC以外のみんなもピザ屋で登場。フライング返答するレイカちゃんかわいい)
8. ノルマンディ
9. ジングルベルがとまらない (カバー)(原曲:Aqours)
アンコールMC
10. Snow halation (カバー)(原曲:μ's)
11. JAM GEM JUMP!!!(アンコール)
・fulfillの後説
・退場の途中、マチュから終演後物販の注意数回

●12月21日(土)citross回
・会場諸注意はMATULIP(前日のみこみこの言い間違いをまねる撫子さんとか、わちゃわちゃネタ仕込んでてかわいい)
・citrossの前説
・オープニング
1. JAM GEM JUMP!!!
MC1 ゆずみこラジオ(MagicSocks番。ある意味いつも通り。そして錬成される後方彼氏面キメちゃん。もはやキメさん)
2. 形而境界のモノローグ
3. 冬へと走りだすお! (カバー)(原曲:でんぱ組.inc)
MC2 プレゼント交換会
4. しゃかりきマイライフ!
5. ノルマンディ
6. オンリー・マイ・フレンド(うたひなポンver)
7. DESIGNED LOVE
MC3 マルチエンディングエチュード(会場の皆とやる、恋愛ゲームを装ったホラーゲームのアテレコ)
8. 鮮紅の花
9. メッセージ
アンコールMC
10. Snow halation (カバー)(原曲:μ's)
11. JAM GEM JUMP!!!(アンコール)
・citrossの後説

●12月21日(土)MATULIP回
・会場諸注意はERINGIBEAM.(かわいいなにぬの説明時、都度都度小さく「うん、うん」というレイカ様がお姉さんしてて尊くてかわいい)
・MATULIPの前説
・オープニング
1. JAM GEM JUMP!!!
MC1 ファンに声出してもらったり愛を叫んでもらう
2. ぴったりしたいX’mas! (カバー)(原曲:プッチモニ)
3. オンリー・マイ・フレンド(うたひなポンver)
MC2 ユキノ’s Boot Camp、マヤたそと乾杯(アダルティであれな感じのコールとか、長渕剛の乾杯とかをみんなで)
4. ノルマンディ
5. 鮮紅の花
6. メッセージ
7. しゃかりきマイライフ!
MC3 マジソ版変態音響監督花菱撫子、 撫子にもしゃべらせたいマヤとユキノ(題名うろ覚え。確変!ミコミコミコミコミコミコミコミコミコミコ3510)
8. 形而境界のモノローグ
9. DESIGNED LOVE
アンコールMC
10. Snow halation (カバー)(原曲:μ's)
11. JAM GEM JUMP!!!(アンコール)
・MATULIPの後説

●12月22日(日)ERINGIBEAM.回
・会場諸注意はひなぽん(ひなちゃんがちょいちょいネタを挟んできてかわいい)
・ERINGIBEAM.の前説
・オープニング
1. しゃかりきマイライフ!
MC1 ファンと一緒にしゃかりきを歌う
2. オンリー・マイ・フレンド(うたひなポンver)
3. JAM GEM JUMP!!!
MC2 ERINGIBEAM.への質問もしくはセリフリクエスト(ファンに泣かされるとは思わなかった。あと、田中マン怖いよう(ブルブル))
4. 鮮紅の花
5. メッセージ
6. 形而境界のモノローグ
7. DESIGNED LOVE
MC3 どんなセリフも完璧に演じるERINGIBEAM.(タイトルうろ覚え。観客にも参加してもらう演技アテレコ。「見せてもらおうか、ジェムカンの実力とやらをにゃん」)
8. ノルマンディ
9. snowdrop (カバー)(原曲:春奈るな)
アンコールMC
10. Snow halation (カバー)(原曲:μ's)
11. JAM GEM JUMP!!!(アンコール)
・ERINGIBEAM.の後説

●12月22日(日)うたひなぽん回
・会場諸注意はfulfill(みずしーはふにゃふにゃかわいく、ももねくは毎秒かわいい)
・ひなぽんの前説、そいそいランドへの案内
・オープニング
1. サンタさん (カバー)(原曲:ももいろクローバーZ)
MC1 ひなぽん劇場「君の名前は。」(二人が最終的に井○陽水と野○しんのすけになる謎ストーリーのアテレコ。)
2. メッセージ
3. JAM GEM JUMP!!!
MC2 うたたまじゃんけん(じゃんけんで勝ち残った人にプレゼント)
4. ノルマンディ
5. 鮮紅の花
6. DESIGNED LOVE
7. 形而境界のモノローグ
MC3 メンバー全員の、千秋楽での自分に向けた事前録音メッセージ(なにぬやももねくで泣く)
8. しゃかりきマイライフ!
9. オンリー・マイ・フレンド(うたひなポンver)
アンコールMC
10. Snow halation (カバー)(原曲:μ's)
11. JAM GEM JUMP!!!(アンコール)
・ひなぽんの後説
・サプライズ、セカンドライブ発表!!
・長谷さん、トイレに行きたいからお前ら早く出ろと促す衝撃展開

1. 彼女達の成長

今回のMagicSocksは前回のMagicBoxのver1.1、クリスマスバージョンという名目のライブだったのですが、その0.1のバージョンアップの伸びが非常に大きかった、というのが率直な感想です。
偉そうな言い方にはなってしまいますが、MagicBoxと比較して明らかに歌と踊りのパフォーマンスがのびのびとしていて、初日の公演から全員全ユニット、マジボ全通民から初見のお客さんまで一気にライブの世界に引き込むような力強さがあり、全員のアイドル・アーティストとしての成長が感じられました。たぶんネット用語ですかね、喉からCD音源みたいな表現がありますが、むしろ今出ている各曲のMVやCD「GEMSCOMPANY」の収録音源以上の表現力を感じさせる部分すらありました。
これだけでも、こちらはもう胸がいっぱいで涙腺が緩んでしまうところです。

思い返すとMagicBoxでは、みんな何かしら緊張や硬さが感じられるところがありました。特に初日のうたひな回では顕著で、あのみずしーや雫さんでさえ、歌唱中に(...ん!頑張れ、頑張れ...!)と思う瞬間がありました。
だからこそ、緊張も重圧もあるだろうに初日から残酷な天使のテーゼもオマフレも相当に仕上がったものをきちんと表に出せていたうたひな。その「伝説の始まりを私たちが引っ張るんだ、成功させるんだ」という思いを強く感じさせるパフォーマンスに盛大な拍手を送りたくなったり、5公演中の大きな成長、千秋楽では声もすっかり出るようになって全ユニットが客席を煽るようになり、観客も全力でそれに応えるといった感動的な流れがあったので、ファーストライブとしては大成功、どちらのライブが良い悪いという話では語れないと思っています。

ただ、前回をよしとしてそのまま今回のライブに臨む彼女達かというと、そんなことはないだろうなと。あまり表には出さないようにしていたと思いますが、もっとこうできた、あそこの失敗が悔しい、そうした思いも抱えていたのだと思います。(マジソ後の柚希ちゃんとなにぬのツイートなどに垣間見えますね)
少し厳しいことを言えば、全通民や複数公演参加民ばかりではなく一公演しか来られない方も多くいるわけで。中には特定の回だけ友人に連れられてといった方もいるわけで。MagicBoxの時点でもそういう方達を沼に引きずり込む力は十分にあったと思いますが、プロのアイドルとして合格点レベルではなく常に最高のもの、100%かそれ以上を見せたいと思っていたのではないかと想像しています。(周りの大人達からも言われていたでしょうし、言われるまでもなく誰よりも彼女達がそう思っていそう)
だから、勝手な想像ですが、もしかしたら全公演全曲ハイパフォーマンスが目標の一つだったのかもしれないなと思っています。もしそうであったとしたら、それは間違いなく達成できていると思います。それだけ初日から全曲クオリティが高かったです。

個別に数曲だけ触れると、まずしゃかりきの仕上がりが圧巻でした。
元々ライブ映えする曲で、前回もわちゃわちゃ楽しく最高に盛り上がった記憶がもちろんあるのですが、今回は5公演ともそれを上回る安定したハイパフォーマンス。よーすぴさんがエリビー回の影ナレで言っていた「前回も良くて頑張っているなと思って見ていたが、今回は本当に素晴らしいパフォーマンスだ」というようなコメントの通りだなと思います。
以前からよかったダンスは動と静のキレがますますよくなり、そこに歌声が綺麗に乗っていたのが印象的。さらに公演ごとに少しずつ変えていた、ライブを盛り上げるためにあえて崩して歌うタイミングがどれも絶妙で、観客の煽り方ももはや堂に入っていて、「すげえよ、なにぬもレイカ様も本当にすげえよ、ERINGIBEAM.最高だよ......」と思いながらペンライトを振り回し、大声でコールしてしまいました。
最高の盛り上げ曲、しゃかりきの最高レベルの仕上がり、最高に輝いていました。

そして水科葵の鮮紅の花。わたしはこれ、前回の千秋楽ですでに完成されたとすら思っていました。アーティスト水科葵として、それだけのライブパフォーマンスを見せてくれていました。
以前に別のnoteで書いた通り自分にとっては特別な曲なので、今回初日のfulfill回もそれがまた聴けるのかと思いわくわくしながら、一番楽しみにしながらライブに臨みました。暗がりの中、光る赤いネコミミが下手から出てきただけでテンションはMAX。そして響きだすイントロ。踊り出す水科葵と輝く君死ニ零改の舞台衣装。始まる歌唱。
……正直に言います。自分でもびっくりするくらい、ガチ泣きしました。前回だって泣きはしなかったのに!自分はライブで感動すると、泣くのではなく満ち足りた笑顔か逆に無表情で固まるタイプのはずなのに!
なんなんでしょうね、自分は音楽を専門的に学んだことがないので技術的なところはよくわからないのですが、声が伸びて良く通る感じがしたことと、感情の乗せ方・表現の仕方がおそらくレベルアップしていて、さらに心に響くように感じたのです。一番の完璧さを感じたエリビー回でのパフォーマンスに至っては、もうただただ圧倒されるばかり。

考えてみればマジボから約半年経っているのですから、レッスン等の努力も積み重ねていたのでしょう。そしてみずしーは色々なところに出ていき色々な人に会って世界を広げていましたし、歌ってみた系も「いのち」のような元々のみずしーの魅力が生きる歌から「ぼなぺてぃーと♡S」のようなかわいさ全振りの曲も歌っていました。そうした色々な経験の中で、表現の幅が広がったということなのかもしれません。マジソに近い時期のサウンドオンリー1時間練習配信で、尾崎豊の「I LOVE YOU」を3種類の声表現で歌い分けていて、それがみんな違ってみんないいというクオリティだったところから、もう少し予想しているべきでした。
しかも2日目昼のcitross回から(…ですよね?初日はぐしゃぐしゃで涙をぬぐいながらだったので記憶が曖昧で…)のラスサビ前の煽り、「咲き誇れ」。なんかもうわけわからん声が出ました。
さらに進化した鮮紅の花、確かに心に刻ませていただきました。これからも生で聞く機会があることを楽しみにしています。(とりあえず、おうたのじかんでacoustic Ver.が聴けそうなので今からとても楽しみ。今度こそ泣かないぞ(フラグ))

そしてみずしーだけでなく、この約半年の間に全員がレッスンやボイトレなどの努力を積み重ね、イベントに出演したりして場数を踏み、それ以外の歌や踊りに直接は関係が無い様々な経験も経た結果が、それぞれの素晴らしいパフォーマンスにつながったのでしょう。そう考えると、多少なりとも歩みを共にさせていただいたうえでそれを目の当たりにできたこと、本当に幸せでした。
(…………だから、闇のジェムカンがじぇむかんTVで金属バットを持って破壊の限りを尽くしたのも、きっとノルマンディの歌唱やダンスとかに活きているはずなんだ…………けして、じぇむず君や視聴者のSAN値を削っただけではないはずなんだ…………)

2. 「みんな」の成長

そしてさらに偉そうなことを言うことになってしまうのですが、成長したのはメンバーだけでは無くて運営側もそうだと思っています。

前回を踏まえてランダム整理券制とオーダーシートを導入した物販の対応にはじまり、初日は込み具合を見て途中から開演前はペンライト購入だけを一旦進め、終演後に残りの物販をきちんと行う対応。列の進みが抜群にスムーズになった、2日目からのチェキを引く場所をレジと分けた対応。MATULIP会のチェキが早めに枯れてしまった後の終演後チェキ追加対応といった臨機応変さは、素直にありがたかったなと思います。完璧ではなかったにせよ、おかげさまでストレスが減り、よりライブに集中できました。
そして前回は音割れする場面等がなくもなかった音響も、記憶の限りでは今回はトラブルもなく良好。ライティング演出の美しさは増していて、前回からスクエニが絡むだけあったサイドスクリーンの映像は今回もハイクオリティ。
いい運営、最高のライブ演出をしていただき、感謝しきりです。

最後にファンの成長。
前回は、特に初日のうたひな回がそうでしたが、コールや声出しに遠慮がちなところもありました。
様々な出自、年齢層のいるジェムファン。自分がまさにそうでしたが、アイドルのライブに慣れていない、初めてという方が多々いて、千秋楽のfulfill回までにMagicBox全体を通して、舞台上のメンバーも含め皆で盛り上げるための雰囲気を作り上げていった感じだったと思います。

今回はその経験を経てのライブであったこと、ファンもこの半年で交流を深めていたこと、そこで作り上げていたジェムファンの雰囲気がありがたいことに、時に別界隈や海乃ちゃんなどからもお褒めいただけたりするような温かみのあるものであったこと。それらが合わさった結果が、自分のようなまだまだ慣れていない人間も自然と吹っ切れて声を出して盛り上げられるような、そんな良い雰囲気の客席を作り上げられたのだと思っています。

個人的には、コールであったりペンライトの振り方であったりも、わからない方のために基本を提供し共有していただけることも、その一方で強制はしないというスタンスであるところもありがたいです。どうにも自分は邦楽ロック育ちで、曲によってはノってくると足でリズムを取ったり軽くヘドバンしてしまったりとか、わくわくステップを真似したくなったりだとか、ちょっと動きが違ったりするので(汗)。
その一方で、千秋楽のノルマンディにおいて楽曲の終わりに「人類に、栄光あれ」をポーズをしながら言おうという企画であるとか、スノハレの落ちサビでUOを皆で振ろうという企画であるとか、特に周知するでもなく鮮紅の花で客席が赤に染まっていくところであるとか、強制はしないけど彼女達も喜んでくれそうな企画なので!というタイプのものは積極的に合わせていくあたり、彼女達への愛でつながっているんだなと感じます。

まあ、いつも善人でいられる人などまずいないので、あまり良い良いと言われても困ってしまう方もいらっしゃるでしょうからこの辺にして。でも大成功したライブの後くらいはいいでしょう。ジェムファンはいいぞ。

(2.5.ノルマンディ)

ここはヨコオさん勢ジェムファンとして限界オタクになっている部分なので、飛ばして3.に進んでいただいて大丈夫です(笑)。たぶんシコさんクラスの早口になっている。文章の流れ的にも無いほうが自然なのですが、この思いが止められないのです。

今回のユキみこのノルマンディ、狂おしい程に好き。

まず長谷みことの2B衣装と赤羽ユキノの9S衣装。その質感がとにかくマジもので、本当にゲームから飛び出してきたような出来でした(スクエニだから当然と言ってもあれはすごい)。そして髪のセットも硬質な光沢を持つようなスタイリングにしてアンドロイド味を強くしているのが、ユキみこの熱意なのか衣装を作るスタッフさんの意地なのか、いずれにせよハイクオリティで徹底したものになっていて、それだけでNieRファンとしては感動ものでした。

そしてカッコいい機械的なダンス。歌いながらあのキレのあるダンスができるのですから、二人共本当に歌も踊りもレベルアップしたんだなと思います。そしてそのダンスは、単純にかっこいいだけでなく様々なものをその動きで表現していたと思います。
(注:ここからは全て勝手な予想、深読みです。たぶん多々的外れだと思いますが、深読みするのが楽しい)

曲の冒頭の倒されてはすぐ復帰する動きの繰り返しは、ヨルハの世界観(繰り返す生と死の螺旋)を表しているようで引き込まれます。
そこからの曲に乗せたゆっくりとしたポージング、交差して歌が始まってからの足踏みダンス、サビで腕と頭の振りを加えた足踏みや指さしながらの半回転等で、徐々に派手さを加えながらもアンドロイド味が増すところが振付のセンスとユキみこの練習量を物語っていると思います。

そして手をパタパタさせてのロボットダンスは、たぶん音楽劇ヨルハのオマージュかな?(声優の石川由依さんや元モー娘の田中れいなさん達が、ガダルカナルやノルマンディにのせてロボットダンスを披露していた)。いえ単純に考えれば、ユキみこの歌唱が使用された舞台ヨルハ Ver1.3a のロボットダンスを挙げるべきだとは思うのですが、あれ自体音楽劇等それ以前の舞台のオマージュ的なところがありましたので。
なにより音楽劇ヨルハがオール女性キャストの劇で、さらに石川さんが来ていた衣装は2Bのものとよく似ている、つまり長谷さんの今回の衣装にかなり近いものだったので、音楽劇のほうがどうしても想起されてしまいますね。どちらにせよ、ユキみこのロボットダンスもがっちりかみ合っていて見事でした。

また、手を人類に栄光あれ風にして動かしながら目線を送りあうのは、2Bと9Sの繰り返す悲劇の表現のようで。
曲の終わりのふらつきながらさまよい歩くところは、ヨルハの舞台(どれでも)の物語の中で主要キャラがボロボロになっていき、それでも生き残って戦い続ける劇のラストを彷彿とさせる表現で。
とにかく色々なヨコオさん作品のことが頭によぎって、感情が乱されまくりました。それだけ表現力の高いダンスと歌唱で、素晴らしかったです。

MagicSocksが決まってから、実は少し期待してはいたのです。ガダルカナルかノルマンディか、どちらかは披露してくれるのではないかと。
そしてfulfill回でのMCの次曲紹介でノルマンディと言われて、キタキタやった!とガッツポーズしたのですが、下手から出てきたときの二人のシルエットが「……え、まさか?」というもので。
照明が明るくなりはっきりとわかったときには、「本当にその衣装でやるのか!」と驚愕しつつもハイテンション、その後のダンスパフォーマンスも相まって、キンブレもろくに振らず凝視してしまいました。(皆さんと違って、あの子のあの部分ばかりじゃないですよ!むしろ全体を色々と見て記憶に焼き付けるのに忙しくて、もう少しそこを凝視しておけばよかった…)

初日でノルマンディをやると分かってしまっては、昼夜でユキみこがMCを務める2日目はヨルハパーカーを着ていく以外の選択肢が自分にはなく。そして千秋楽の企画が出る前から、2日目の昼のcitross回からは曲のラストでこっそりと、小さく人類に栄光あれポーズを毎回していたという、超絶オタクムーブもここに極まれり、という状態でしたね。
それだけ大好きです。5公演5回見させていただきましたが、もっと何度も見たいですね。ここだけというのはもったいないので、ぜひMV作成などご検討いただけないかなあと思います。

3. 来てくれるお客さんを笑顔に

これまで書いてきたようにライブパフォーマンスという意味では大きな成長を遂げていた今回のライブですが、全体を通してはとにかくお客さんを楽しませよう、笑顔にしようという彼女たちらしい思いが随所に表れていました。今回はクリスマスライブということでサンタ風の衣装に身を包んでいた彼女達ですが、本当にサンタさんからプレゼントをもらうようにたくさんの楽しさ、温かい気持ちをいただいてしまいました。

そもそもライブにおける楽曲のパフォーマンスをハイクオリティにするということ自体が、何よりお客さんを楽しませよう、楽しんで帰ってほしいというものです。
それに加え、各ユニットが自身のMC回でそれぞれの個性を存分に発揮しながら、せっかくのクリスマス、MCや会場内装飾などもみんなで楽しめるものにしようと努力してくれていました。

手作りの飾り付けは毎回少しずつ変えて楽しませてくれて。
会場内のポスターには、ただサインやコメントを入れて掲示しておいてくれるだけでこちらはうれしいのに、回を追うごとにどんどん落書きを増やしてくれるという楽しいことをしてくれて。
fulfillは、乳酸菌君とにゃん丸というかわいいマスコットの飾りつけでお迎えをしてくれつつ、最初に観客も含めた全員でクリスマスソングの振り付け大合唱をすることでこちらの緊張等をほぐしてくれて。
citrossはプレゼント交換会という童心に返る様な企画で、これがライブ当日だけでなくプレゼント選びをしている日々から楽しくさせてくれるもので。そして錬成された後方彼氏面キメちゃんはもう大爆笑。
MATULIPは3人の個性を生かした観客参加型で、特にマヤたそのコールをしたり歌ったりしての乾杯企画が楽しくて、近くの席の方々と何度も乾杯できたのはいい思い出になりました。
ERINGIBEAM.は会場内のモザイクアートに、当たりはずれのある短い動画付きQRコードと、開演前の時間を飽きさせないようにという気持ちがまずもううれしい。さらに始まってからのMCも観客によるしゃかりき大合唱を始め全MCが観客参加型の距離を近く感じさせてくれるもので、温かく優しいエリビーの個性が強く出ていて一緒に楽しむことができました。
そしてうたひなぽん。会場内の装飾が5公演の集大成になっているだけでもう楽しくて。そしてMCではプレゼント付きじゃんけん大会で楽しませつつ、全メンバーの声を聴かせる意味もあったであろうライブ前の千穐楽の自分へのボイスメッセージは千穐楽ならではの感動を提供してくれて。でも湿っぽくなりすぎないようにひなぽんが副音声でコメントを入れながらであったのが、やはり泣くのではなく笑顔のライブにしようとしてくれていたのだと思います。

だからなのか5公演が終わった今、MagicSocksロスといった状態というよりは、不思議と何か満たされたものを感じています。こうして文章を書きながらライブの色々な場面を思い出していると、笑顔になったり涙が出てきたりと色々な感情が湧いてくるのですが、総じて喪失感よりも充実感が強く温かい気持ちになる。
大きなイベントが終わってしまうと、普通はどうしても寂しさが勝るはずなのに本当に不思議で。可愛くて綺麗なサンタさん達に、会場でそういう魔法をかけられてしまったのかなと、そう思います。そんな風に思える素敵な楽しいライブを、本当に、本当にありがとうございました。

4.千穐楽

最後に千穐楽について。
やはり千穐楽というのは、演者側も観客側もこれで最後だとリミッターを外して全力を出してしまうものであり、その盛り上がりは別格でした。

そして千穐楽の公演が「うた」ひなぽん回であったことも、結果としてその空気を独特のものにしていたと思います。
どうしても頭をよぎる彼女のこと。ここまでの文章で意図的に触れずにきた彼女のこと。千穐楽ということで推しのTシャツを着る人が多い中でも、比率の多いメロンソーダグリーンのTシャツ。難しい感情を抱えていた方も多かったのではないかと思います。ライブ開始時のマッチ売りの少女風のオープニング映像で、ひなぽんではなくひなちゃんと彼女が出てきたときの、あの息を飲むような一瞬のどよめきは、今も耳に残って忘れられません。

それでも舞台上の彼女達は、その不在とそこから生まれる空気に真正面から挑んでくれました。JGJで、その空間を詰めずに空きを作っているところからしてそう。どのみち埋められるものでは無いのだから、席を空けておいた上でパートは全員で歌うという真正面からのパフォーマンス。素晴らしかったです。
そして、完全に個人的な見解ですが何よりもひなちゃんです。本当に、ひなちゃんを中心にポン姉がサポートする形で作ってくれていたうたひなぽん回のあの空気感、バランスは、奇跡的なもののように感じます。
なにせ台本や企画がどうしてもうたひななのです。前説もそいそいランド案内という形で作られていましたし、じゃんけん大会もうたたまじゃんけんという名前。意識しないほうが土台無理な話なのですが、ひなちゃんがとにかく持ち前の明るさと剛腕で対応してくれていました。

前説のそいそいランド案内はお姉さん風MCで、ポン姉もちょっと困惑するネタにあふれた楽しさで。先ほど触れたオープニング映像のことがあった後も、元気でパワフルなカバー曲で空気を変えてくれました。というかですね、サンタサンタと歌いながらのひなちゃんの、JUST DO IT なんだか地団駄なんだかわからない動きは、サイリウム振るのも忘れて笑ってしまいましたよ。
そこからのMCも明るく楽しいものでした。そしてその中で変に隠すことなく普通に「うーたま」という単語を使い話していくひなちゃん。それに引っ張られるような形で会場も、意識はしながらも過度に変な空気にならずにライブを、千穐楽を楽しんで盛り上げようという雰囲気になっていたように思います。

あれはもしかしたらひなちゃん(とサポートするポン姉)にしかできなかった芸当だったのではないかと思います。自分は今回のライブ、(そもそも優劣をつけるものではなく全員MVPですが)あえて一人だけMVPを挙げろと言われたら、彼女の事を心に秘めながら「3人」でオマフレを歌ってくれた、そしてピンチヒッターで一番苦労が多かったであろう雫さんにしたいところではあるのですが、熟慮の末にひなちゃんのほうを推します。自分はそれくらい、ひなちゃんに救われた思いがしています。

後はもう言葉にならないですね。
各ユニット、残りのエネルギーを出し切るようなパフォーマンス。
メッセージの客席のラララ大合唱。そこからの一瞬静かになった後の雫さんの震える落ちサビ。
JGJのうーたまパートはメンバーから客席まで含む大合唱で。
ノルマンディにしびれさせてもらったお返しとばかりの「人類に、栄光あれ」企画はうまくいき。
鮮紅の花は咲き誇り、オマフレではオレンジの花が咲き乱れ。
スノハレの落ちサビ、数多のUOが輝く光景は本当に綺麗で。
アンコールのJGJは、もう顔も声も感情もぐちゃぐちゃですよ。

……でも彼女達は、少なくとも舞台上にいる間はずっと笑顔で。それだけ充実した、手応えのある、自信につながるライブだったのであれば、本当に嬉しいです。

笑顔の魔法にあふれた3日間5公演の集大成として、これからもずっと忘れられない、最高の千穐楽でした。

おわりに:アイドルを推すということ

MagicBoxでは、私はまったくアイドルの現場に慣れていなくて、キンブレも振り慣れていなくて、最初はコールとかもほとんどできず。ようやく千秋楽のfulfill回でそれなりに声を出せるようになった感じでした。もちろんその時点でも十分楽しかったのですが、感情を出し切れてはいなかったですね。
それが今回のMagicSocksでは、周りの声が大きな方に助けていただいたのもありますが、初日から前回の千穐楽以上に声が出せていました。公演を重ねる毎に感情が高ぶり、最終日はアンコールのJGJでは何度もむせて声が出せないくらい、おそらく人生で一番声を張り上げて叫んでいました。
アイドルのライブへの慣れという以上に、MagicBoxからの半年でそれだけ彼女たちをさらに好きになっていたんだと思います。

そしてなぜアイドルにはまる人がいるのか、やっと実感できた気がします。
まず基本的な楽しさは、他のアーティストやスポーツチーム、役者や作家などを応援することと何も変わらず、心が躍ります。
その上で、推しがいる日々は本当に幸せで。その人が頑張っていると自分も頑張ろうと思えて。そしてライブでは、日常生活ではあり得ない、家族や恋人や友人にもまずできない、他の数多のイベントでもなかなかできない、声の限りに「好きだ」「愛している」と叫ぶということができる。リミッターを外して愛情を表現することができる。
好きなもの、好きな人を好きだと大声で言えることは、誰かの何かを否定することの何百倍も楽しいことだと私は思うので、それができるということは本当に幸せなことだと思います。びっくりするぐらいはまる人、沼にどっぷりと浸かる人がいるのも頷けるというものです。

まあ客観的に言おうとしていますが、もはや自分もすっかりその一員になっているんですけどね(笑)。とりあえず高まりすぎて厄介化しないように気を付けようと思います。オタクは誰しも、心にシコさんを抱えていると思いますので……


セカンドライブも発表され、ますます盛り上がるGEMSCOMPANY。大きな舞台で後方彼氏面できるその日まで、そしてその先でも、応援し続けていきたいなと思います。

MagicSocksの大成功、改めておめでとうございます。本当にお疲れ様でした。

今日も今日とて。