見出し画像

読む「まっする1」

『まっする1』
2020年1月27日(月)新木場1stRING
18:30開場 19:00開演 21:30終了予定 

18:30   TBSラジオ「アフター6ジャンクション」カルチャー最新リポートコーナー場内放送


電話でパーソナリティーのRHYMESTER・宇多丸さんと会場内のササダンゴマシンによるやりとり。なんで会場にきてくれないのかと電話ごしに宇多丸さんにクレームをいれつつ、今大会の見どころ、DDT UNIVERSEの視聴方法なども話しつつ、最後に無理やり電話越しにマッスル両国大会で披露した開会宣言の最後のところだけをやってもらうことに。
宇多丸「ということで、もう一度、あらためてあの荻昌弘先生の言葉を引用させていただき、シメたいと思います。これは人生『する』、『しない』の分かれ目で、する方の人生を選んだ勇気ある人々の物語です! ひらがなまっする1・イン・新木場ファーストリング、スタートです!!」

19:00 開始
会場スクリーン

♫RHYMESTER「Future Is Born feat.mabanua」

画像2

5ゴング

VTR 「2代目総合演出家登場」

♫フィッシング・ウィズ・ジョンのテーマ
(暗い路地を歩く「マッスル総合演出・鶴見亜門」、別方向から歩いてくる「マッスル不動のエース・マッスル坂井」。あるビルの前でちょうど合流する2人)

画像73

画像74

画像75

亜門「今日も時間ぴったりだな」
坂井「そっちこそ。アキラくんの受験が近いのにすいません」
テロップ「2020年1月25日 PM20:00 千代田区某所」
亜門が鍵を開け、目の前のビルのドアを開ける。
電気をつけるとそこは誰もいないDDTの道場。
マットが敷いてあるエリアに座り、ノートPCをそれぞれ開く。
亜門「どっちから始める?」
坂井「じゃあ亜門さんの方からで大丈夫ですよ」
亜門「いいよ、じゃあ始めますか…」
坂井&亜門「カンバーイ」
美味しそうにビールを飲み、お互い持ち寄ったツマミを出しあい、食べて飲む2人。
坂井「あー美味い」
亜門「この坂井が買ってきたユズセゾンっていうビール本当美味いね」
坂井「ユズセゾンって知ってます? クラフトビール。これ鎌倉のビールなんですけど、鎌倉の幻の柚子が入っている超貴重なクラフトビールなんですよ。逆に神奈川だと手に入らないですよ」
亜門「この崎陽軒のシウマイとも合うわ!」
坂井「でしょう。やっぱ神奈川のものと神奈川のものは合いますからね。いや、これ最高ですよ。マジで」
亜門「坂井が買ってきたのは?」
坂井「俺が買ってきたのはこれ。あえてシナシナになったマクドナルドのポテト。茅乃舎の野菜だしの袋に入れちゃうんですよ。入れて俺が最近大好きなこれ、福岡の茅乃舎っていうブランドの野菜だしなんですよ。これをですね。ちょっと入れるんですよ。シャシャシャシャシャっと。シャカシャカポテトみたいに。これをシャカシャカポテトのように茅乃舎の袋で振るんですよ。(食べて)うん、もうちょっとですね。いや、だいぶいい」
亜門「どっちなんだよ」
坂井「ちょっとビール持ってください」
でもパックを開けてシーズニングとしてちょっと入れて、シャカシャカするとめっちゃ美味くなるんですよ」
亜門「(ビールを飲んでポテトを食べる)うん、美味い。もっと付けたほうがいいんじゃない?」
坂井「もっと付けたほうがいい!」
亜門「これはいいわ。でも俺たちにとっての一番の酒の肴は……」
坂井&亜門「やっぱマッスル両国大会の動画だよなぁ!!!」
マットの上でゴロゴロしながら、動画を鑑賞する2人。
亜門モノローグ「ネットプロレス大賞2019 最優秀興行部門で栄えある準MVPにも選ばれたマッスル両国大会から早一年。あれから俺とマッスル坂井は、月に一度はこうしてDDT道場に集まり、両国大会の動画を肴に、持参したビールを飲みあうという生産性のない行為を繰り返していた。それ自体に何の意味があるかはわからないが、この時間だけは日常の大体の嫌なことを忘れさせてくれ、自分達をあの奇跡のような空間に……」
謎の男の声「たのもぉー! たのもぉー!」
坂井「なんか声しませんでした?」
亜門「ヤバい。高木さんか松井さんじゃないか?」
坂井「えぇ! なんで今日来るんですか?」
亜門「怒られる、怒られる!」
謎の男の声「たのもぉー! たのもぉー!」
坂井「でも頼もう、頼もうって言ってるってことは道場破りじゃないですかね?」
亜門「いや、うちに道場破りなんてくるわけないだろうよ!」
坂井「でもわかんないですよ」
謎の男の声「たのもぉー! たのもぉー!」
坂井「頼もう、頼もうって言ってるじゃないですか! でも俺、全然自信ないですよ、こういうの……」
亜門「だろうな」
(颯爽と走り込み、リングに飛び乗る2つの影)
ユウキ「お食事中お邪魔して申し訳ありません」
南川「へえー、ここのリングって結構柔らかいんすねえ〜」
亜門「なんなんだ君たちは!」
坂井「し、神聖なリングに勝手にあがるんじゃないよ!」
亜門「だいたい外の鍵はかけてあったのに、どうやってここまで入ってきたんだよ! 不法侵入で警察に訴えるぞ!」
ユウキ&南川「くっくっく…」
亜門「何がおかしい!」
ユウキ「おかしいもなにも不法侵入っていうのは他人が所有する建造物に勝手に入ることが罪でしょ?」
長身「(道場の鍵を見せながら)自分の家に自分で入って何が悪いんですか?」
坂井「そ、その鍵は……!」
亜門「どうしてDDTの道場の鍵持ってるんだよ! 今日はな、明後日から始まる『ひらがなまっする』のための台本会議なんだよ!  24時まで我々マッスル班が道場を貸切ってるんだ!」
ユウキ「(食べ散らかした様子を見ながら)は~……、この様子やったら、台本もろくすっぽ進んでないでしょう」
坂井「台本もなにも明後日のひらがなまっするのことは明日のDDTの後楽園ホール大会の後に考えればいいじゃないですか。順調ですよね?」
亜門「ああ。本当あんたたち、一体何なんですか? 勝手に道場に入ってきて、他人の仕事にまで文句つけて!」
ユウキ「文句つけようなんて滅相もないですよ。2人はちゃんとやってるじゃないですか! 鶴見亜門さんとマッスル坂井さん」
亜門「え! なんで俺たちの名前を知っているんだ?」
ユウキ「知ってるも何も、今2人がしゃべってる台詞、僕が書いたんすよ」
坂井&亜門「ええええええええええええ!!!!!!!!」
亜門、あわてて台本を取り出す
亜門「坂井、これオマエが書いたんじゃないのかよ」
坂井「この台本は亜門さんが書いて僕にくれたんでしょう?」
亜門「俺が書いたことなんてないだろうよ!」
坂井「じゃあこれは誰が一体……」
ユウキ「坂井さん、ちゃんと覚えてるねえ!」
南川「坂井さんはね、ちゃんと自主練するタイプらしいんですよ」
坂井「ちょっと待ってくださいよー!」
ユウキ「上手い! ちょっと待ってくださいよー! きれいにできてますやんか! ということで私がひらがなまっするの総合演出と構成を担当します、ユウキザ・ロックと申します
坂井&亜門「ユ、ユウキザ・ロックー!?」
ユウキ「ユウキが苗字でザ・ロックが名前です。今後ともよろしくお願い申し上げます」
長身「同じく私、今回ひらがなまっするの演出助手とサブ作家のサウスリバー南川でございます!」
坂井&亜門「サ、サブ作家!?」
南川「苗字が南川で、英訳したバージョンがサウスリバーです。よろしくお願い致します」
亜門「いや、でもこの台本は一週間前に坂井のLINEアカウントから送られてきたものだし……」
坂井「いや、LINEアカウントも何も俺は台本をLINEアカウントから亜門さんに送ったことなんてないですよ」
亜門「ってことはこれってもしかして…」
坂井「僕たちのLINEアカウントが…」
亜門&坂井「乗っ取られてるー!?」
ユウキ&南川「プププププ!!!!!!」
南川「ユウキさん、まじこの人たちバズりますね」
ユウキ「じゃあ逆に聞きますけど、マッスルを運営して、この道場を貸してくれて、活動をバックアップしてくれていた会社はどこですか?」
亜門「それは株式会社DDTプロレスリングですよ」
ユウキ「そうです。そのDDTの株式の全てを保有する会社はどこですか?」
坂井「それはもう巨大IT企業ですよ。あ、待って。IT企業ってことは」
ユウキ「そう、その超巨大IT企業の保有する最新技術を使えば、あなた達のSNSなんて簡単に乗っ取れるんですよ」
坂井&亜門「えええええええ!?」
坂井「じゃあ俺たちがなんというか、TwitterのDMの内容とかLINEのやりとりの内容とかっていうのは全部見られちゃってるってことですか?」
ユウキ「大体わかってます。坂井さん、恵比寿のメンズエステで紙製の小さいTバックが入らへんからって、全裸で施術しようと思って、スタッフにめちゃめちゃ怒られたらしいっすね」
坂井「なんでそんなこと知ってんすか! 何をなんで…見たんですか、全部?」
ユウキ「ああ」
坂井「フザけんじゃねえぞ、メガネ野郎!」
坂井、ユウキのメガネを掴む。
ユウキ「おい、メガネ触るな! メガネ触るな! だからお前はリンダスパの女からバズられんねや!」
坂井「こっちのメガネか!」
南川、静かにクネクネと2人の間に割って入り、システマの動きで坂井を殴ってダウンさせる。
亜門「さ、坂井!」
南川、亜門のことも威嚇して寸止め。
ユウキ「この南川はロシアの軍隊格闘術『システマ』を体得しています。容易に近づくと命の保証はないですよ」
亜門「す、すいませんでした。ということはつまり、ユウキザ・ロックさんとサウスリバー南川さんは、DDTの親会社・サイバーエージェントの人っていうことでいいんですか?」
ユウキ「そうとも言います。藤田社長からは、早急にこのひらがなまっするを世界に通用するバズコンテンツに成長させるようにと、厳しくバズられています」
亜門「バズられてる……。でも、今回の台本ったって、自分たちがもらっているのは、オープニング前の映像の部分だけ……、まだ5ページしかないじゃないですか」
ユウキ「これがすべてです。これがアナタたちの出番の全てですから」
亜門「いや出番がこれだけって……坂井だって今度の新木場大会のためにチケット50枚手売りしてるんですよ!」
ユウキ「はぁ? チケットの手売り頑張ったから出番多くもらえる? そんな古臭いことやってるから、プロレスはオールドメディアって馬鹿にされるんですよ。ちなみに亜門さん、フォロワー何人すか? Twitterの」
亜門「4千何百人とかだったと思いますけど」
ユウキ「なんやねん、それ。だからTwitterのフォロワー2万人以下のヤツとオフパコすんの嫌やねん」
亜門「オフパコ? これオフパコなんですか?」
ユウキ「ジャストアイデアなんですが、鶴見亜門さんとそこで失神しているマッスル坂井さんには、今収録しているこのVTRが流れた後、リングに登場してもらいます。本来ならば私と南川がすぐにリングインする予定だったんですけども、若干のバッファをもたせたいんで、会場のお客さんに向けてオリエンしてもらってもいいですか?」
亜門「オリエンというのは?」
南川「いきなり客前出るのが怖いんで、前説してあっためてもらってから僕ら呼び込んでもらっていいですか?っていうことです」
亜門「(口パクで)わかりました……」
(VTRここまで)

リング上 亜門&坂井の前説

画像1

ここから先は

18,261字 / 72画像

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?