10m進めば10m進んでいる
やる気の出し方は永遠のテーマですね。「やる気スイッチが見つからない…」とか言ったりしますしね。私も10代の頃からやる気の出し方をずっと探っていた気がします。
51歳になった今の答えとしてはいくつかあります。1つ目が「世界の捉え方次第でやる気が出る」という事と、2つ目が「運動をすればやる気が出る」という事です。私の場合ですけどね。
「世界の捉え方次第でやる気が出る」と言った時の世界というのは、自分が生きているこの世の中という意味での世界です。やる気が出ない時って、世の中を偏って捉えていることが多いんです。
例えば、X(旧Twitter)で、あるドメスティックな事柄についての議論が起きているとします。政治とかワクチンとか芸能人の不倫とか。それを深掘りして行くとある事柄についての理解は深まりますし、自分のスタンスもハッキリして来るようになります。
それに関して私が「いやいや、今回の不倫は理解出来る。この程度の不倫だったらダメージ少ないでしょ。世の中的にもみんなそう思うはず。」などと思うとするじゃないですか。でも、そんな風に芸能人の不倫のニュースによって世の中を捉えてしまった時、世界で通用する普遍性のあるアート作品を作ろうという気にはならないんです。不倫のニュースで世の中を捉えてしまっている時は「作品を作ろう」などというやる気は出ないんです。
芸能人の不倫というのは一例なんですが、SNSばかり見ていると芸能人の不倫に匹敵する、どうでもいい強い事柄を目にしてしまうんです。どうでもいいと言うのは、私のやる気にとってどうでもいいという意味です。それはネガティブな事柄だけじゃなくて、ポジティブな事柄でも同じです。
パンダの飼育員の足元にパンダの赤ちゃんがまとわりついている動画でも同じです。そんな動画を見てるとすごく幸せな気分になるので、どんどん同じような動画を見てしまうんですが、そんなパンダ動画を見て、世界の人をアッと言わせるラディカルなアート作品を作ろうなどと思わないんです。
だからやる気を出す時はわざと設定を変えなければならないんです。私の場合は、庶民的や大衆的だったり、下品、昭和、ワイドショー的なイメージで世界を捉えてしまうとやる気が出ません。失礼な言い方ですがダサいのがダメなんです。あと真面目すぎたり優しすぎたりしてもダメなんです。学級委員的な世界観てあるじゃないですか。クソ真面目で融通が利かない感じ。そういうのもダメですね。昭和レトロもダメです。昭和レトロっぽい映画とか曲とかイラストとか。たぶん、私の中で昭和レトロがネガティブな設定になってしまっているんでしょうね。
私がやる気を出したい時にやる設定は、上質なユーモアと現代美術と生物のイメージですね。それらのイメージで頭の中を埋めていくと、どんどんやる気が出てきます。たぶん、それが私が本質的に好きなものなんでしょう。私が作った『SHELL and JOINT』という映画は、上質なユーモアと現代美術と生物だけで作った映画でもあります。
そして、それらのイメージで頭の中が埋まって来ている時に、海外の大きな映画祭のサイトを見に行きます。私が好きなのはベルリン国際映画祭のサイトです。ストイックで機能的で見やすいんです。アーカイブもしっかりしているので、適当な年代を選んで適当な作品のシノプシスを読んだりするんです。そこまで行くと私のやる気エンジンはマックスで回転していて、あとは離陸していくだけなのです。
これが私がやる気を出す方法の1つ目です。悲しいことですが、個人個人でやる気が出る世界の捉え方はバラバラなので、自分と向き合って自分のやる気が出る世界観を見つけなければなりません。
ひとつ確認なんですが、私が書いている「やる気」は、仕事以外の事をやる時のやる気です。自分の重い腰を主体的に上げたい時にやる方法です。新しい事をやろうとしている時のやる気でもあります。逆に仕事って、やる気があろうがなかろうがやれるんですよね。言われたことをやらなかったら怒られちゃいますから。恐怖で支配されている仕事ってすごいですね。
やる気を出す2つ目の「運動をする」ですが、これは簡単です。運動をすると自然とやる気が出てきます。私にとって確実にやる気が出るのはウォーキングです。ウォーキングの場合、負荷が弱いのでやる気が出るまで時間はかかりますが。
大体3km以上歩いたところから俄然やる気が出てきます。だから3kmまでは必要不可欠な段取りなんです。3km歩くのは30分ぐらいかかります。いつも1時間ぐらいウォーキングします。
ウォーキング中はメチャクチャやる気が出ますね。あれもこれもとやる気が出ます。いっぱい閃くので歩きスマホでメモをしまくってます。老眼でスマホにメモをする時にメガネを外すので、穴に落ちないように気をつけなければなりません。
若い頃は緑茶でもやる気が出ました。たぶん高濃度カフェインのせいでしょうね。カフェインの取りすぎでお腹が痛くなっても「荒れた胃壁と引き換えに世界的評価を得る!」とか思ってましたね。バカですね。
しかしまあ「やる気が出ない」って、一生付きまとうテーマですよね。特に若い人にとってはやる気が出ない事が悩みでもあると思います。
「作品さえ作れれば、オレだって評価されるはず。」と思っている人がたくさんいると思いますが、極端に言えば「やる気さえ出せれば、オレだって作品が作れて、評価されるはず。」とすら思っているはずなんです。割合で言うと99%ぐらいの人がそう思ってるんじゃないですかね。
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