面倒くさい

日々生きているといろいろな感情になりますが、「面倒くさい」という感情が一番制御できない感情な気がします。嬉しいや楽しいみたいなポジティブな感情は制御する必要はありませんが、悲しみや怒りや嫉妬は暴走しないように制御する必要があります。

私の悲しみが暴走したのは、友人の石田くんが亡くなったのを電話で聞いた時ぐらいで、肉親も元気に生きているのでそれぐらいしかありません。強い怒りが込み上げることは年に何回かはありますが、怒りを暴走させてしまうと社会的な立場を失いかねないので、怒りが込み上げると同時にブレーキも一緒に付いてくるんですよね。スーパーで刺し身を買った時のワサビのように。だから、怒りで人を巻き込むことはありません。嫉妬に狂うこともあんまりないですね。嫉妬心が暴走するなんて想像できません。恋愛とかそういう感情がベースになってないと嫉妬心は暴走しない気がします。

それに比べて面倒くさいのは「面倒くさい」という感情です。勝ち負けで言ったら2対8ぐらいで負けてます。「面倒くさい」の制御は本当に難しいんです。一見、「面倒くさい」は感情じゃないんじゃないかと思ったんですけど、どんなに理論武装しても動かない時は動かないので、感情なんだと思います。面倒くさい時はどれだけ説得されても動きませんから。何ならお金でも動きませんよ。

そして、面倒くさいという感情を暴走させても、社会的な立場を失わなかったりもします。例えば、大変な仕事やややこしい仕事をする時、面倒くさいと思いますよ。本当にイライラして発狂しそうなほど面倒くさいと思うこともたまにあります。でも、面倒くさいが暴走して仕事を放棄してしまうことはありません。締切を守らずに逃亡してしまったことも一度もありません。面倒くさいが暴走するのはそんな大事な局面ではないんです。

面倒くさいが暴走するのは、やらなくても大勢に影響がない時です。ホントに具体的な些細な例で申し訳ないんですけど、例えば、取引のある制作会社からマイナンバーカードの番号を書いて封筒で送り返して欲しいみたいな封書が来るとします。

私はこのレベルの事務作業が死ぬほど嫌いでして、その封筒は2年ぐらい開けられることなく放置されます。なぜ開けなくても中身が分かるのかと言うと、制作会社から封筒が届くなんてそんな事がない限り来ないと分かってるからです。そして2年後にその封筒を開けてみると、締切は1年半ほど過ぎているのです。なのに、社会的な立場を失うことはありません。面倒くさいが暴走するのは、そんな条件が揃った時です。もっと言うならば、本当に申し訳ないんですけど、そんな封筒が常に6cmぐらいの厚さで貯まってます。

マイナンバーカードを教えない程度の事では人生に影響はありません。でも、面倒くさいが人生に影響をするのは、やれば人生が好転するのに面倒臭くてやらない時です。やれば人生が好転する「可能性があるのに」面倒臭くてやらない時ではありませんよ。確実に好転すると分かっているのに面倒臭くてやらないんです。面倒くさいの暴走というのはそういう事です。

例えば、っていやいや、例えばだらけですよ。