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10月個展作品紹介9(23年)

新作の紹介です。

 花はすべて地上へと落ち

後戸と完全に切り離された世界

どのような言葉が紡がれどのような未来が待つのか

作品紹介

 地上の木々の隙間を花が満たしています。この木々から落ちてきた花です。この花は地上の養分となり世界はうるおいます。
 後方には葉も花も落ちた枯れた大樹が並び立っています。
 この木々はかつて花をつけ後戸との繋がりを維持していました。枯れたことで後戸との繋がりが切れ、この世界は独り立ちしました。
 これはつまり象徴界の段階に移ったのです。記号や文字で成り立つ世界であり、この世界の生き物たちが主体となる世界です。彼らはそれぞれ独自の感覚器官を用いて世界を捉えます。同じ種でも違った考えが生まれてきます。こうして私達が知っている世界になっていくのです。記号や言葉によって自分たちを守る世界である一方、この道具によって争いも起こります。

 少女は紫陽花の花を抱えています。後戸に発生したこの世界の元となった紫陽花の花です。少女は天と分離してしまった世界を元の世界へと再生しようとする希望の象徴としてここに立っています。

 本作では意図的に魚と樹を規則的に並べています。
 これは前述のようにこの世界が記号という恣意的で規則的な物によって想像されていく段階の入ったことを暗示しています。秩序だった世界がこれからはじまるのです。
 またそれとは逆に地上に落ちた花びらは後戸というあちらの世界の残滓として存在しており、後にこの花々も象徴界に飲み込まれていくのです。

 少女の足元を見てみると右足だけつま先立ちをしています。地面から離れようとするその仕草が未だに後戸との繋がりを立っていない、天と地の媒介者(巫女)であることを示しています。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 引き続き個展作品の紹介をしますので、よろしくお願いします。

【作品情報】

題名:大切なものを持って (岐 _∅_ 天地の分離)
大きさ:M10 号(530*333m)
技法:パネルに油彩
価格:330,000 円(300,000 円 + 税)

【出品情報】

こちらの展示でご覧いただけます。

平林孝央個展
”再生 世界のみる思い出”

2023年10月20日(金)-29日(日)
24,25日休み
12:00-20:00
最終日は19:00まで

ギャラリーフェイストゥフェイス
〒167-0054 東京都杉並区
松庵 3-35-19 SHOEI BLDG.2 #102
(西荻窪駅南口徒歩 2 分)
03-6875-9377

https://www.facetoface2000.com/

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