売れなかった雑貨の話1(プロローグ)
作ったけど全然売れなかった雑貨の話をしよう。商品名は、「スマホ封印太郎」。押入れが段ボールで埋まるくらいつくったけれど、まったくまったく売れなかった。
いまさら、なんで売れなかったんだろうって考えると、そりゃあ恥ずかしいくらい青かった。
でもね、そこから学ぶことも少しはあると思うんだ。
時代はiPhone4くらいの話。スマホ依存とか、デジタルデトックスという言葉をよく聞いた頃。電車に乗れば、若い人から年を召した方まで、スマホの画面とにらめっこ。まあ、今もそうだな。
スマホから離れる時間をつくることが、いけてるんじゃないかという思いつきから、駆けて駆けてかたちにした紙雑貨、それがスマホ封印太郎。
当時すでにスマホ制限アプリとかはあった。でもそれはスマホを触ることの延長で、好きになれなかった。
スマホを物理的に封印する。プラス負荷(この場合は神頼み的な要素)。願い事を祈るようなかたちで、自分を追い込む紙製の雑貨商品を作った。
それは不思議な雑貨となった。東急ハンズに並べられても、どこのコーナーに置いてあるのかわからない。封筒の横か、スマホ雑貨か、あるいはバラエティ商品か。
見たことのないもの。社会的問題提起をするもの。商品のデザイン性も相まって、つかみどころがないままに、たくさんのニュースとなった。国営放送、大手新聞、たくさんのラジオ、民報、webニュースなど。知らぬ間に中国語に翻訳され、バズったりなど、イメージが一人歩きして、そして通り過ぎていった。
正直に売れた数を書こう。おそらく、500個も売れてない。通算で。
次回、売れなかった理由を考える。
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