折り畳み傘を持ってきた賢い自分

少し前に雨の中、傘をささずに「やばーい、急に降ってきたじゃん」「もうタクシー乗ろう」と盛り上がっている大学生ぐらいの男2女2のグループを見かけました。

まず、これだけで羨ましいですよね笑
男6とかでしか盛り上がったことないので、「いいなー」と様子を見てました。

僕は楽しそうにしてる大学生たちを見ながら、「でも、こっちは折り畳み傘持ってきてるぜ、濡れないぜ」となるべく堂々と、自分に自信を持って歩こうとしていたら、大学生がタクシーを止めようと手を上げ始めました。

「え、来ないじゃん、バスにする?」
「いや、4人で割ったらタクシーの方が安いでしょ」

とデカい声で話しています。
声が大きいので会話が聞こえているのですが、雨に濡れていても、むしろその雨に濡れてることを楽しみながら、タクシーを停めようとしていて、ちゃんと折り畳み傘を準備してきた自分より幸せそうでした。

そして、すぐにタクシーが見えてきました。

「あ、来た来た」「早く早く」
とピョンピョン女の子が跳ねながら手を上げていて、それ以外の会話は聞こえづらかったのですが、とりあえず盛り上がっていて、「こんな大学生活、どうすれば送れたんだろう?」と思ってたら、そのタクシーが迎車でした。
しかも、その3台分くらい後ろにいたタクシーも迎車で、2台のタクシーが雨に濡れている大学生たちの前を、一切スピードを落とさずに通り過ぎました。

「よぉぉぉし」
と、心の中で小さくガッツポーズをしました。
「そう簡単にタクシー乗れると思うなよ?」
「やっぱり折り畳み傘持ってきた俺は賢いぞ」と心の中で喜びながら、
「でも人の不幸を喜ぶのは良くないぞ、ただタクシーが迎車だっただけで俺には関係のないことなんだから、気にしない気にしない」とすぐに反省し、大学生たちから目線を外して、駅に向かって歩き出しました。

でも、それでも大学生たちは楽しそうなんですよ。
まあ、そりゃそうなんですが
「2台迎車じゃーん笑」「最悪ー笑」と、また楽しげな声が聞こえてきました。 

ずるい

雨に濡れてても、タクシー停められなくても楽しそうにしてて、こっちは天気予報見て持ってきた折り畳み傘さしながら、1人で黙々と歩いているだけなのにショックを受けてて、ズルくないですか?笑

結局限界はあるにせよ、嫌なことあっても楽しめる人は楽しめるし、逆に僕は嫌なことには文句を言い、楽しいことにも素直になれず、どうしたらもっと心の動かし方が上手くなりますか?

その後は、大学生のことは気にしてないフリをして、僕は駅に向かいました。
電車に乗るとき、リュックがすごい濡れてました。

クッソぉぉぉーーーー


暖々日和
平澤

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?