「イシューからはじめよ」を読んでみて

 

1.この本を手に取ったきっかけ

仕事ができる・一つ一つの仕事が早い人になる為の一つとして、仮説思考を持つことが大切だと感じていた。
この本は仮説の立て方や立てた仮説をどのような切り口で解決していくかを学ぶことができる為、読んでみようと思い購入に至った。

2.内容要約

①そもそもイシューとは何か?


この本を手に取ったとき、イシューという言葉が何を指しているのか私には分からなかった。初めてこの言葉を聞いて、?となる人は多いかと思う。
イシューとは
 2つ以上の集団の間で決着のついていない問題、
根本に関わるもしくは白黒がはっきりしていない問題
この2つ両方を満たすものを筆者はイシューと定義している。
簡単に言うと、その仕事に関しての課題(問題点)のことだ。

②バリューのある仕事


バリューのある仕事とは
(イシュー度)と(解の質)両方が高いことをいう。
自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ(イシュー度)
そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い(解の質)

価値ある仕事をする為には答えを明確に出すだけではなく、自分が解決すべき課題の質も求められる。世の中にインパクトを与える、あるいはお金を稼ごうとするなら尚更、イシュー度も高めることが必要だ。
労働量を上げてイシュー度の低い問題にどれだけたくさん取り組んでも、
バリューは上がらず疲弊し、時間を浮かせることもできない。そうなってしまうといわゆる「ダメな人」になってしまう。そうならないよう、バリューのある仕事をすることを念頭において問題に取り組む必要がある。

③仮説を立てることの重要性


イシューの見極めについては、強引にでも前倒しで仮説を立てることが重要だ。
「やってみないと分からない」とは決して言わない。ここで踏ん張り切れるかどうかが大事だ。理由は3つある
⑴イシューに答えを出す
具体的にスタンスをとって仮説に落とし込まなければ、答えを出し得るレベルのイシューにすることができない。
「〇〇の市場規模はどうなっているか?」ではなく、
「〇〇の市場規模は縮小に入りつつあるのではないか?」と仮説を立てることで、
答えを出し得るイシューとなる。
⑵必要な情報・分析すべきことがわかる
仮説を立てない限り、自分がどのレベルのことを議論し、答えを出そうとしているかが明確にならず、それが明確になっていないことすら気づかない。
仮説を立てることではじめて本当に必要な情報や必要な分析がわかる
⑶分析結果の解釈が明確になる
仮説がないまま分析を始めると、出てきた結果が十分なのかそうでないのかの解釈ができない。その結果労力ばかりかかってしまう。

普段仕事をしていてよく上司に言われるのは「hiroくん、〇〇をやって欲しい」という仕事の振り方をされることが異常に多い。
バタバタしていると、【なぜその問題に取り組む必要があるのか】を聞き忘れ、
目的が分かってないまま取り組んでしまうことがたまにある。
この本を読んで感じたのは、そもそも上司から振られた仕事に対して目的を聞くだけでなく、その仕事に取り組む必要性についても検討する必要があることだ。
取り組んだものを上司に提出して、その上司がチーフに提出する流れになることが多いが、結局何らかの点で無駄になってしまうこともある。
普段から仮説を立てて、イシューを見極めることもしていかなければならない。

④良いイシューの条件


良いイシューを選定することが大事なのは言うまでもない。
良いイシューは、自分やチームを奮い立たせることができるものであり、検証された暁には受け手をうならせるものだ。
このようなイシューには3つの共通項がある。
⑴本質的な選択肢である
良いイシューは当然として、それに答えが出るとそこから先の検討方向性に大きく影響を与える
「右なのか左なのか」というその結論において大きく問題が変わるものでなければイシューとは言えない。
「本質的な選択肢=鍵となる質問」だ。
⑵深い仮説がある
良いイシューには深い仮説がある。「ここまでスタンスを取るのか」というところまで一気に踏み込んでいる。
「常識を覆すような洞察」があったり、「新しい構造」で世の中を説明していたりする。
仮説を深める簡単な方法は、「一般的に信じられていることを並べて、その中で否定できる、あるいは異なる視点で説明できることがないか考える」ことである。
常識を否定するということだ。
常識を否定する仮説が出てこない場合は、「新しい構造」で世の中を説明できないかを考える。
一番簡単なのは共通性を発見することだ。2つ以上のものに、何らかの共通なことが見えると、人は何かを理解したと感じる。
「あの人はメキシコの建国の際に、2つの対立陣営を束ねる大きな役割を果たした人です。」よりも
「あの人はメキシコにおける坂本龍馬です。」と言われた方が日本人であれば圧倒的に理解したと感じるかと思う。比較することで意味合いを引き出すことができる。
⑶答えを出せる
良いイシューとは「きっちり答えを出せるもの」でなければ意味がない。
答えの出ない問題に取り組んでしまうと、時間の面でも手間の面でも消耗してしまう。答えの出せない問題に取り組まないようにすることが大切である。

⑤良いイシューを設定する為には


「仮説を立てることの重要性」「良いイシューの条件」が分かったら、次に良いイシューを設定する為の材料をどう仕入れるかを考える必要がある。
その材料を仕入れるコツは一次情報に触れることだ。
一次情報に触れる
現場で何が起こっているかをみて、肌で感じない限り理解できないことは多い。
一見関係ないものが現場では隣り合わせで連動している、あるいは連動しているはずのものが離れている、といったことはよくあるが、これらは現場に出向かない限り理解することができない。
いかに優れた表現、情報と言えど、二次的な情報は何らかの多面的かつ複合的な対象の一つの面を巧妙に引き出したものに過ぎない。

また情報については集め過ぎない、知り過ぎないことが大切だ。
その分野について何もかも知っている人は、新しい知恵を生み出すことが極めて難しくなる。人がある領域について関心をもち、新しい情報を得ていく時、初めはいろいろな引っ掛かりがあり、疑念を持つものだ。それを人に聞いたりして解明していくたびに理解が深まり、新しい視点や知恵が湧いてくる。知り過ぎたバカにならない程度に情報収集をすることが大切だ。

⑥イシュー分析とは


イシューを見極めた後は解の質を見極める必要がある。
解の質を高め、生産性を大きく見極める作業が「ストーリーライン」作りとそれに基づく「絵コンテ」作りだ。
この2つを合わせてイシュー分析という。
イシュー分析はイシューの構造を明らかにし、その中に潜むサブイシューを洗い出す(ストーリーライン)とともに、それに伴った分析のイメージ作りを行う(絵コンテ)過程だ。
これによって最終的に何を生み出すのか、何を伝えることがカギとなるのか、その為にはどの分析が鍵となるのか、つまりは活動の全体像が明確になる。

⑦アウトプット


イシューを見極め、ストーリーラインができ、それに合わせて絵コンテができれば、あとはその絵コンテを本物の分析にしていく。
アウトプットの質を高める為には、回転数とスピードを重視することが大切である。停滞しないこと為に意識しなければいけないことがある。それは丁寧にやり過ぎないことだ。60%の出来を70%にする為には倍時間がかかり、80%にする為にはさらに倍の時間がかかる。
一方、60%の完成度の状態で再度初めから見直し、もう一度検証のサイクルを見直す事で「80%の完成度にする半分の時間」で「80%を超える完成度」に到達する。
受け手によって十分なレベル(60%)を理解して、やり過ぎないように意識することが大切である。



3.感想


イシューを意識して仕事に取り組む事で、一つ一つの仕事が早くなり、かつ価値のある仕事に取り組めるようにしていきたいと強く感じている。
本を読んで、要約までしたのは初めてだが、感じることがたくさんあった。
①ただ読むだけでは、全然本の内容を理解できていない
②本を全部読んでも内容をほとんど覚えていない
③本を読む前に、本を要約しているYouTube(サラタメさんなど)を見てから読んだ方が理解が深まるのではないか
④一冊全て読むのではなく、目次を見て必要なページだけを読む方が生産性があるんじゃないか

次からは要約して感じた事を意識して本を読んでみようと思う。
いずれにしても、本は読んだだけでは意味がない。
普段の仕事に生かし、実践して感じた事をまたnoteに書いてブラッシュアップしていく。


終わり



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?