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【じーじは見た!】 後編:ポスト小泉大臣の環境省はどうなるか⁉

小泉元環境大臣の後任には、二階派の山口壮(つよし)さんが任命されました。

第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では小泉さんの自信に満ちたスピーチが披露され、それでも「化石賞を受賞」と負の側面ばかりを報道する低レベルのマスコミ報道となるハズでした。

しかし晴れ舞台には山口壮環境大臣が終盤に駆けつけて得意の英語で各国の閣僚との会談をこなしたものの、地味な存在なので、ほとんどマスコミは報道しませんでした。

じーじが代りに帰国後の山口大臣の記者会見を要約しますね。

本編は後編です。前編からお読みいただけると嬉しいです。


✅COP26へ環境大臣が渡英⁉


10月31日に開幕し11月13日まで開催されたCOP26(英国・グラスゴー)の最終盤の11日に渡英した山口大臣の帰国後記者会見では、成果を次のように伝えていました。

1)市場メカニズムのルールや各国の取組に関する共通の報告様式などについて合意が得られ、パリ協定実施ルールを完成できた。
2)また、1.5度の目標達成のため、今世紀半ばの排出量実質ゼロ及びその経過点である2030年に向けて、野心的な緩和策、適応策を締約国に求める内容が盛り込まれた。
3)10の国あるいは地域の閣僚の皆さんとの対面でのバイ会談を通して、人脈を構築できた。

このように、パリ協定を着実に実施する上で非常に大きな成果が得られ、歴史的なCOPになった。特に、市場メカニズムの実施ルールについては、我が国が行った提案がベースとなって合意が成立するなど、大きく貢献できた。
また、ジャパン・パビリオンにおける展示及びイベントの開催等を通して、国内そして世界の脱炭素化に向けた日本の取組をアピールすることができた。

会議の成果について、岸田総理に報告。総理からは、これからは「実行」のときであり、国内でも一層の気候変動対策に取り組むようにとの指示を受けた。引き続き、「環境問題国境なし」との心構えで環境外交に取り組むとともに、地域脱炭素の推進を始め国内外の気候変動対策に積極的に取り組んでいく。


✅記者との質疑からピックアップ⁉


記者との質疑は、とにかく失点のない安全運転の受け答えでした。

そんな中で特に注目したいトピックスは、環境省としては日本の基幹産業である自動車産業をどうするのか?という視点と石炭火力をどうするのか?という視点の質問にどう回答するかでした。

(記者)ハイブリッドを含むガソリン車の販売を40年までに停止するというのに、23ケ国が合意したと思うんですけれども、日本や米中など大国は合意を見送った一方で、グローバルでビジネスをする日本メーカーに影響は出てくると思うんですけれども、ここに対する大臣の御所感を教えてください。
(大臣)一部有志国による声明については、日本は参画をしていません、確かに。他方、同日、閣僚会合において、米国、ドイツを含む主要国とゼロエミッション自動車への移行に向けたアクションプランについては、日本としても合意をしています。

自動車部門でそのカーボンニュートラルという方向性については、関係国の間で広く共有しているところですし、そういう意味では、この閣僚級で取りまとめたアクションプランに沿って、グローバルな取組をしっかりと進めていくということだと思います。

我々の国が、その2035年までに新車の販売で電動車100%という目標を設定されているわけですから、その実現に向けて、包括的な措置を講じていくということになると思います。

環境省的には、再生可能エネルギー調達を条件とした電気自動車等の普及を通じて、我が国における移動の脱炭素化を進めてきたところで、引き続き、関係省庁あるいは自治体と連携して、電気自動車等の普及を含めた脱炭素社会への実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。

日本が得意としてきた内燃機関エンジンをどうするのか?

そこまでの突っ込んだ回答が山口大臣から出なくとも世界のルールは電動車へ移行するということなので、トヨタも本田も変わらなくてはなりません。

(記者)石炭火力について、廃止ではなく、削減になったことについてなんですが、日本としては3割ぐらい発電で石炭火力に頼っている部分はあると思うんですけど、正直日本として、言いづらい部分ももちろんあるかと思うんですけど、廃止ではなくて、削減になったことで、変な話、助かったまではいかないですけど、そういったところだったりとか、日本として、具体的にこの削減の数値目標とかがもしあれば教えていただきたいです。
(大臣)石炭に関しては、19%という話があるんですよね、まずね。主力電源として、その再生可能エネルギーを徹底的に導入していくということと併せて、この19%という数字に向けて努力していくということだと思います。

石炭火力を2030年までに19%に依存度を下げること自体が日本にとっては高いハードルであり、LNG19%と合わせた38%の火力発電依存目指して「しっかりやっていく」という回答は、日本の置かれた環境の厳しさを認識して、ある意味見事な応対でした。


✅これからの環境省の重要課題は?


国連にNDCを提出して2030年に2013年比で46%温室効果ガスの排出を削減することをコミットした以上、2030年に目標が達成できるように法律を作っていかなくてはなりません。

企業や国民の行動が2030年の目標達成に導かれるようにしなくてはなりません。

NDCの主管官庁として、まず注力しなければならないのは、経済産業省と連携して「カーボンプライシングの導入」になると思います。

これは石炭税といった税金方式の考え方だけでなく、業界トップリーダーをベンチマークしてCO2の排出枠を企業に課して、達成できない分を市場から排出枠を調達させるという排出キャップ方式が考えられています。

これに対して産業界からは「国際競争力低下」に繋がるとの観点から反対意見が出ると思います。だからこそ環境省の制度設計の腕の見せ所なのです。

これからも環境省及び山口大臣に注目していきたいと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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