見出し画像

ミッドライフクライシス

時折、怒涛のように襲ってくる虚無感に名前があることを数日前に知った。ミッドライフクライシス。そうだったのか、みんなそうなのか、私もそうだったのかと気持ちが晴れた。この言いようもない寂しさ、生きていることの意味のなさを考えてしまう思考に名前があり、同世代の男女が同じ悩みを抱えていると知り、励まされた。これまで同世代の他人にシンパシーを感じることはあまりなかったけれど、一気に、勝手に仲間感を抱き、勝手に支えられている気持ちになっている。なんとなく光が見えた気になってはいるが、老いとの共存は始まったばかりだ。今打ち込んでいるこの文字も、何度もタイプミスをしたうえでやっと、何とか体裁を保っている。何もないところでつまずく、ぶつける、挟まる、引っかかる、こぼす、忘れる、太る、たるむ、しわが寄る……老いていく自分を認め、まあしょうがない、ええやんかと生きていけるように頑張りたい。いや、あまり頑張らずにそうなりたいと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?