経済指標リポートまとめ 4.0 23:54 20240816
米ドル指数の動向 (2024年8月)
米ドル指数の低下
指数の推移: 金曜日、米ドル指数は103を下回り、水曜日に記録した7ヶ月ぶりの安値102.6に近い水準で推移しました。市場は最新の経済データを注視し、FRBの金融政策の見通しを探っています。
市場の見解: 米国の経済データが好調であったため、9月にFRBが25ベーシスポイントの利下げを行う可能性が高まる一方、50ベーシスポイントの大幅な利下げの期待はやや後退しました。しかし、インフレがFRBの目標に向かって収束しているとの見方が広がり、年内にFOMCが合計100ベーシスポイントの利下げを行うとの期待が依然として支配的です。
影響要因: 7月の小売売上高が予想を上回り、失業保険申請件数が予想外に1ヶ月ぶりの低水準に減少したことや、ミシガン大学の消費者信頼感指数が予想を上回ったことがドル指数に影響を与えました。一方、英国の小売売上高の回復と強いGDPがポンドを支え、円も今週の売りを一部巻き戻し、ドル指数に圧力をかけました。
米国10年国債利回りの動向 (2024年8月)
利回りの回復
利回りの推移: 米国10年国債利回りは3.9%を超え、8月2日の年初来安値3.8%からの反発を維持しました。これは、堅調な経済データがFRBに大幅な利下げを控える余地を与えたためです。
市場の反応: ミシガン大学の消費者信頼感指数が予想以上の強さを示し、リスクオンの感情を増幅させました。これに加え、7月の小売売上高が1%増加し、市場予想の0.3%を大きく上回りました。また、8月中旬の新規失業保険申請件数が1ヶ月ぶりの低水準に減少し、労働市場の軟化に対する懸念が緩和されました。
市場の見通し: 投資家は9月のFRB会合で25ベーシスポイントの利下げが行われるとの見方を強めています。これは、先週まで50ベーシスポイント以上の利下げが広く予想されていた状況とは対照的です。
ブラジル株式市場の動向 (2024年8月)
Ibovespa指数の上昇
指数の推移: ブラジルのIbovespa指数は0.4%上昇し、134,500ポイントを超えて新たな過去最高値を記録しました。これで9日連続の上昇となり、週初来で3%以上の上昇を記録しました。
市場の背景: ブラジルと米国からの好調な経済データが市場を支えました。ブラジル中央銀行のIBC-Br指数が6月の予想を上回る成長を示し、市場の信頼感が高まりました。
主要銘柄の動向:
Ambev: 飲料大手のAmbevが2%以上の上昇で市場をリードしました。
Localiza: 今週初めの弱い決算報告を受けて下落していたLocalizaが3.4%回復しました。
Rede D'Or Sao LuizおよびBRF: 強い四半期業績を受けて上昇を続けました。
その他の上昇銘柄: B3およびEletrobrasは共に1.4%以上上昇しました。
米国株式市場の動向 (2024年8月)
株価の回復
市場の動き: 金曜日、米国株式市場は消費者信頼感データの改善を受けて回復し、住宅市場データの弱さを相殺しました。8月のミシガン大学消費者信頼感指数は67.8に上昇し、予想を上回り、7月の66.4から改善しました。
住宅市場データ: 一方で、7月の新築住宅着工件数はパンデミック初期以来の最低水準に落ち込み、需要の低迷と在庫の増加が影響しました。
銘柄別の動向: Nvidiaが主要なハイテク株の中で最も下落し、Applied Materialsも売上予測が失望を招き下落しました。
週間パフォーマンス: それにもかかわらず、S&P 500は週初来で3%以上、Nasdaqは5%、ダウジョーンズは約3%の上昇を記録しました。
米国のインフレ期待と消費者信頼感 (2024年8月)
1年先のインフレ期待
インフレ期待の安定: 米国の1年先のインフレ期待は、2024年7月に2.9%と、3月以来の最低水準で前月と変わらずでした。
消費者信頼感の向上
指数の上昇: ミシガン大学消費者信頼感指数は、8月に67.8と上昇し、7月の66.4および予想の66.9を上回りました。これは5ヶ月ぶりの改善を示しています。
個別の指標:
期待指数: 期待指数は72.1に改善し(前月は68.8)、これは個人の財務状況および5年間の経済見通しの改善を反映しています。
現状評価指数: 一方で、現状評価指数は60.9に若干低下しました(前月は62.7)。
カナダ株式市場の動向 (2024年8月)
TSXの動き
指数の推移: S&P/TSX総合指数は金曜日に23,000ポイントでほぼ横ばいとなり、7日連続の上昇をわずかに延長し、今週の約3%の大幅な上昇に貢献しました。主要鉱業株の上昇がエネルギーセクターの損失を上回りました。
主な動向:
鉱業株: 金価格の新たな記録的高値により、アグニコ・イーグル(+1.5%)、バリックゴールド(+1.9%)、ウィートンプレシャスメタルズ(+0.9%)、フランコネバダ(+1%)などの鉱業株が強いパフォーマンスを示しました。
エネルギー株: 中東での供給懸念が緩和されたため、石油価格が下落し、エネルギー関連株(サンコア、カナディアンナチュラル、セノバス)は1%から1.3%の間で下落しました。
市場背景: 最近の米国経済データによりリセッション懸念が解消され、主要なグローバル指数が急激な反発を見せています。
ベラルーシの工業生産 (2024年1月-7月)
生産の増加
年間成長率: 2024年1月から7月のベラルーシの工業生産は前年比で7.5%増加し、2023年同期間の7.1%増加を上回りました。
セクター別の動向:
製造業: 7.7%の増加。
電力、ガス、蒸気、温水、空調供給: 7.7%の増加。
鉱業・採石業: 4.7%の増加。
水供給・廃棄物管理: 0.5%の増加。
7月単独の成長率: 2024年7月の工業生産は前年同月比で9.9%増加しました。
金市場の動向 (2024年8月)
金価格の上昇
記録的高値: 金価格は金曜日に1オンスあたり$2,490を超え、過去最高値を記録しました。これは、安全資産への需要が強まっているためです。
市場の背景:
地政学的リスク: ホワイトハウスは、イランがイスラエルに報復攻撃を行う可能性があると警告しており、ウクライナとロシアでの緊張もエスカレートする可能性が懸念されています。
経済指標: 米国では住宅着工件数と建築許可件数が4年ぶりの低水準に落ち込み、制限的な金融政策が住宅供給に大きな影響を与えていることが示されました。
金利見通し: 市場は、FRBが今年残りの3回の会合で合計100ベーシスポイントの利下げを行うとの広範なコンセンサスを示していますが、強い小売売上高データにより、来月の50ベーシスポイントの大幅な利下げの可能性は低下しています。
米国株式市場の動向 (2024年8月)
株価の下落
背景: 米国株は、強い1週間の終わりにかけて、住宅市場データの失望によって勢いを失いました。7月の新築住宅の着工件数がパンデミック以来最低の水準に落ち込み、需要の低迷と在庫の増加に直面したためです。
市場の反応: この結果、トレーダーはFRBの迅速かつ大規模な利下げの可能性を低く見積もるようになりました。今週のその他のデータは、経済が予想以上に堅調であることを示していました。
銘柄別の動向: Nvidiaが大型ハイテク株の中で最大の下落を記録し、Applied MaterialsもAI関連の投資による期待を下回る売上予測により下落しました。
週間パフォーマンス: それにもかかわらず、S&P 500は今年最高の週を記録する見通しです。
WTI原油の動向 (2024年8月)
価格の下落
価格の動き: WTI原油先物は金曜日に2%以上下落し、1バレルあたり$76.5以下となりました。
背景: カタールがイランに対し、ガザに関する停戦協議が進行中のため、イスラエルへの攻撃を避けるよう促したとの報道が影響しました。カタールの首相がドーハでの交渉初日後、イランの指導者に対して緊張を高めるリスクを警告したとされています。
市場の反応: 先週、イランが7月にテヘランでハマスの指導者が殺害されたことへの報復を誓ったことにより、イスラエルへの攻撃が差し迫っているとの懸念で原油価格が4%以上急騰しましたが、実際の攻撃が行われなかったため、価格は下落しました。また、中国での原油需要の弱さへの懸念も市場に圧力をかけています。
ブラジルの経済活動指数 (2024年6月)
経済活動の増加
指数の増加: 2024年6月のブラジルの経済活動指数(IBC-Br)は、前月比1.4%増加し、予想の0.5%を大きく上回りました。これは3ヶ月連続の増加であり、2023年2月以来の最強のペースです。
年間増加率: 2024年6月までの1年間で、指数は前年同期比で2.12%増加し、12ヶ月間で1.64%の増加を記録しました。
四半期のパフォーマンス: 2024年第2四半期は前年同期比で2.8%の増加を記録しました。季節調整済みで、前四半期比では1.12%増加しました。
米国の住宅着工件数 (2024年7月)
住宅着工の減少
月次減少率: 米国の住宅着工件数は7月に前月比6.8%減少し、年間換算で123.8万件となりました。これは2020年以来の最低水準で、前月の1.1%増加(下方修正済み)とは対照的です。
セクター別の動向:
一戸建て住宅着工件数: 14.1%減少して850,000件となり、全体の減少を主導しました。
集合住宅着工件数: 11.7%増加して363,000件となりました。
地域別の動向: 南部(-13.6%)と西部(-12%)での住宅着工が急減した一方、北東部では42.6%増加しました。中西部では1.7%減少しました。
カナダの製造業売上高の動向 (2024年6月)
売上高の減少
月次減少率: 2024年6月のカナダの製造業売上高は前月比で2.1%減少し、予想されていた2.6%の減少を上回りました。これは過去8ヶ月で最大の減少です。前月の売上高は0.2%上方修正されていました。
セクター別の動向:
売上が減少したセクター: 輸送機器(-2.9%)、化学製品(-5.8%)、一次金属(-2.7%)が主な減少要因となりました。
売上が増加したセクター: 木材製品(+1%)および飲料・タバコ製品(+0.4%)が増加しました。
地域別の動向: 売上高は8つの州で減少し、特にケベック州(-3.2%)、オンタリオ州(-1.7%)、マニトバ州(-4.3%)、サスカチュワン州(-8.4%)で顕著でした。一方で、ニューブランズウィック州(+6.1%)およびブリティッシュコロンビア州(+1.7%)での増加が見られました。
カナダの外国投資 (2024年6月)
外国投資の動向
投資額: 外国人投資家は2024年6月にカナダの証券を52億カナダドル分取得しましたが、予測されていた159億カナダドルを大幅に下回り、過去2ヶ月の投資額を下回りました。
投資の内訳:
債券投資: 外国人投資家はカナダの債券を106億カナダドル分取得し、そのうち104億カナダドルが新発の民間企業債券でした。特に金融セクターによる新規発行が中心でした。
連邦政府債務証券: 外国人投資家はさらに75億カナダドル分の連邦政府債務証券を取得しましたが、連邦政府機関の債券償還により、その影響は抑えられました。
株式投資: 一方で、外国人投資家は6月にカナダの株式を55億カナダドル分売却し、5月の95億カナダドルの売却に続いています。
第2四半期の総投資額: 2024年第2四半期の外国人投資家によるカナダの債券投資額は757億カナダドルに達し、2020年第2四半期以来最大の額となりました。
カナダの住宅着工件数 (2024年7月)
住宅着工の増加
月次増加率: 2024年7月のカナダの住宅着工件数は前月比16%増加し、279,500戸に達し、2023年6月以来の最高値を記録しました。市場予測の245,000戸を上回りました。
都市部の動向:
総都市部住宅着工件数: 季節調整済みの都市部の住宅着工件数は前月比17%増加し、261,134戸に達しました。
集合住宅着工件数: 21%増加して217,306戸となりました。
一戸建て住宅着工件数: 2%増加して43,828戸となりました。
農村部の動向: 農村部の着工件数はSAARベースで18,375戸と推定されています。
米国の建築許可件数 (2024年7月)
建築許可の減少
月次減少率: 米国の建築許可件数は2024年7月に前月比4%減少し、年間換算で139.6万件となり、過去4年で最低水準に達しました。市場予測の143万件を下回りました。
セクター別の動向:
集合住宅許可件数: 5戸以上の集合住宅の許可件数は12.4%減少して408,000件となりました。
一戸建て住宅許可件数: 0.1%減少して938,000件となりました。
地域別の動向: 許可件数は、中西部(-12.6%)、南部(-4.2%)、西部(-5.3%)で減少しましたが、北東部では16.2%増加して136,000件となりました。