コモディティまとめ情報 2040717 11：24
ハト派FRB見通しで金が新高値を記録
価格の動き: 金は水曜日にオンスあたり2,470ドルを超え、新たな最高値を記録しました。FRBが早ければ9月に利下げを行うとの楽観的な見方が要因です。
FRBの発言: パウエル議長は月曜日、6月のインフレ率が予想を下回ったことが価格目標の達成に対する信頼を高めたと述べました。また、インフレが2%に達するのを待たずに利下げを開始する意向を示しました。これに対し、アドリアナ・クグラーFRB理事も火曜日にインフレが目標に向かって進んでいるとの慎重な楽観論を示しました。
市場の見通し: CMEのFedWatchツールによると、市場は9月のFRBの利下げを完全に織り込んでおり、今年3回の25ベーシスポイントの利下げが予想されています。欧州やアジアの他の主要中央銀行も利下げを実施するとの期待が、これら地域での貴金属需要を押し上げました。
中国の需要懸念による原油の損失拡大
価格の動き: WTI原油先物は、4日連続で下落し、バレルあたり約$80.5に達しました。
需要懸念: 中国のGDP成長率と6月の小売売上高が期待を下回り、需要懸念が高まりました。不動産市場の危機と雇用不安が影響しています。
在庫データ: 米国の原油在庫は、7月12日までの週に440万バレル減少し、3週連続の減少となりました。
世界的な見通し: IMFは、米国の減速、欧州の安定、中国の消費と輸出の増加を含む、今後2年間の世界的な成長を予測しています。
原油価格の動向（Oil Settles Below $81）
WTI原油先物は火曜日に3週間ぶりの低水準である1バレル80.7ドルに下落し、3回連続の損失となりました。これは中国からの需要減少に対する懸念が続いているためです。
世界第2位の経済国である中国は、2023年初頭以来の最も遅いペース（第2四半期の4.7％）で成長し、不動産市場や雇用市場の不確実性が影響しました。
月曜日にはFRB議長パウエルのインフレデータに関するコメントが経済活動と石油需要を刺激するための利下げ期待を支持しましたが、石油価格は世界経済成長の不確実性によっても影響されました。
暖房油価格の下落（Heating Oil）
米国の暖房油先物は7月にガロンあたり約$2.48に下落し、1か月ぶりの低水準となりました。これは、中国の経済成長の鈍化を示す兆候により、石油価格の下落が影響しています。
世界第2位の経済国である中国は、2023年初頭以来の最も遅い成長率を報告し、エネルギーの需要見通しを悪化させました。
同時に、米国の暖房油在庫は7月5日に終わる週に356千バレル増加し、回復しました。ディスティレート燃料在庫も前週比でほぼ500万バレル増加し、予想の0.5百万バレル増加を大きく上回り、暖房油価格への下方圧力をさらに強めました。
米国の天然ガス価格の反発（US Natgas）
米国の天然ガス先物はMMBtuあたり$2.2に向かって上昇し、10週間ぶりの安値から回復しました。電力需要が記録的な高水準に達したためです。
猛暑が続くと予想され、発電機はガスに依存することになります。7月9日には記録的な54.1 bcfdのガスが発電に使用されました。
この価格上昇は、テキサス州のフリーポートLNGの輸出プラントが完全に稼働に戻るのが遅れるという予測にもかかわらず発生しました。
LNG輸出プラントへのガス流量は、6月の12.8 bcfdから7月は11.8 bcfdに減少しました。これはフリーポートLNGの停止によるものです。
過去5週間のうち4週間、ガス価格は高い生産と供給過剰のために低迷しており、在庫水準は通常より18％高い状態です。7月に入ってから、米国本土48州でのガス生産は平均102.2 bcfdで、6月の100.2 bcfdから増加しています。
金価格の上昇（Gold）
金価格は火曜日にオンスあたり$2,460を超え、史上最高値を記録しました。今年、主要中央銀行によるハト派の動きが予想され、無利息の貴金属資産を保持する機会費用が低下したためです。
FRB議長パウエルは、6月の予想を下回るインフレ指標が価格上昇が目標に戻りつつあることに自信を与えると述べ、インフレが2％目標に達する前に利下げサイクルを開始することはないと付け加えました。
先物市場では、9月までに利下げが完全に織り込まれており、今年は3回の25bpsの利下げが予想されています。これは、ECB、BoE、およびPBoCの利下げ予想と一致しており、欧州およびアジアでの貴金属需要を強化しています。
それでも、新しいデータは、PBoCが6月に2か月連続で金の備蓄を追加しなかったことを示しており、これは今年の金のラリーに寄与しています。
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