中枢神経障害によるしびれ感に対する しびれ同調経皮的電気神経刺激の効果検証 ─シングルケース実験デザイン─

中枢神経障害によるしびれ感に対する しびれ同調経皮的電気神経刺激の効果検証 ─シングルケース実験デザイン─
西 祐樹 1,2),生野 公貴 3),南川 勇二 3),中田 佳佑 3), 大住 倫弘 2),森岡 周 2)
 
1)長崎大学 生命医科学域(保健学系)
2)畿央大学 ニューロリハビリテーション研究センター
3)西大和リハビリテーション病院
 
https://doi.org/10.57337/jjeapt.21-22
 
<目的>
・中枢神経障害によるしびれ感に対するしびれ同調TENSの即時効果および長期的な効果を検証すること

<方法>
・被験者間マルチプルベースラインデザイン
・対象者は、しびれ感を呈する脳卒中患者2名、多発性硬化症患者1名、脊髄損傷患者2名の5 名の上肢計8部位を対象
・しびれ同調TENSは低周波治療器(伊藤超短波株式会社製,ESPURGE,)を使用
・介入を行う前にしびれ感と電気刺激のパラメータを一致させる手続きを行う。具体的には,パルス幅を50μsに設定し,症例のしびれ感のビリビリ,チクチクといった細かい知覚間隔とTENSの周波数を10 Hz間隔で合わせるとともに,しびれ感の知覚強度と TENS の刺激強度を1mA間隔で調整し一致させる。介入期の各日における電気刺激のパラメータは,上記手続きにより決定したパラメータを基準に,各症例の内省に従ってしびれ感と同調するパラメータを調整する。
※先行研究では60分実施していた。(PMID: 36092646


<結果>
・しびれ同調TENSによって中枢神経障害に由来したしびれ感が著明に改善し、その効果が持続することが明らかになった。一方で,介入効果が持続しない症例も存在していた。

<学び、感想>

・臨床でこのような手段にたどり着くまでにいろんなプロセスがあったと思われ、すごいなぁとすごく思った。
・しびれがあることで、上肢麻痺の運動機能を阻害している場合や患者にとって不快感があり生活の質の低下を招いていることを多く経験する。
・これまで様々な物品を使用していろんな感覚を感じてもらうことなどしか手段として考えれていなかったため、新たな手法として臨床で取り組んでみたい。

 
今日も最高の一日に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?