【英文法】#68 Lil Jon & The East Side Boyz - "Get Low"で学ぶ知覚動詞
【今回のポイント】
I ain't even seen you dance (Lil Jon & The East Side Boyz - "Get Low")
I feel it coming (The Weeknd - "I Feel It Coming")
◆see/smell/hear/feelなど知覚の意味を持つ動詞は、その後に"S' + V'"の形をとり、「S'がV'するのを見る/嗅ぐ/聞く/感じる」の意味を表す
◆ここでの"ain't"は"haven't"と同義
◆V'には-ingの形がくることもあれば、-edの形がくることも
今回の動画でお伝えした内容はここまでです。この先、動画の内容に関連する内容をお読みいただけます。英語の話かもしれませんし、音楽の話かもしれません。何が出るかはお楽しみ!
【今日の一言】
クランクといえば、『HIPHOPで学ぶ英語』にもゲスト出演されたDJ YUMAさんがレジデントDJを務める福生のCLUB CRUNKがありますね。普段、渋谷や六本木のクラブに行くことが多い方にも、CRUNKには一度ぜひ行ってみていただきたいです。スタッフの方が皆さん優しくて、素敵なクラブなんですよ。再入場も可なので、近くの7&7などクラブ・ホッピングしてみても面白いかも。そして、そこでMCをやられているRudy-Kayさんは一時期、CRUNKのブログでヒップホップ楽曲の歌詞対訳を執筆されていたのですが、彼の活動は自分の活動に影響を与えたものの一つです。
以下はブログ『Genius & Cortez』にも掲載した、ザ・ウィーケンド(The Weeknd)来日公演のレポートです。ブログで全文お読みいただけるので有料部分は設けませんが、気に入ったらご購入いただけると嬉しいです。頂いたお金は、YouTubeチャンネル『HIP HOPで学ぶ英語』の今後の運営資金として使わせていただきます。
ライブを観る前から、ザ・ウィークエンド(The Weeknd)の来日公演のレポートは「火曜の幕張に訪れた週末」みたいなタイトルにすればそれっぽいかなと考えていたのですが、なんかもう、そんな小手先のくだらないことを考えていた自分が恥ずかしくなるようなショウでした。とにかく圧倒されました。
どういうわけか、スタンディングが一番ステージに近くて、VIP席はその周りを囲む感じだと勘違いしていて、寸分の迷いもなくスタンディングのチケットを購入したのですが、スタンディングの最前列でもステージから50mくらい距離がありました(以下に貼る写真はスタンディングの4列目くらいから目一杯ズームしたものなので、それでなんとなくの距離感を感じていただければ)。そのため、彼の一挙手一投足をつぶさに観察できたわけではないのですが、演出よりも歌唱力で真っ向勝負するようなセットで、曲間のMCほぼ無しで歌い続けたエイベルの声に、身体の芯までゾクゾクと震わされた90分間でした。セットリストに沿って振り返らせてください。
1. Pray For Me
1曲目がどうやらケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)との「Pray For Me」らしいと知っていて"I'm always ready"状態だったにもかかわらず、ビートがドロップすると興奮のあまり叫んでしまいました。誰も居ないステージをシンプルながらかっこいい照明が照らすなか、同曲のアウトロが流れると、早くも幕張メッセは、そのカナダのシンガーの世界と化します。登場して歌い始めると、当たり前だけど歌が上手い。"Tokyo!"とシャウトする彼の声を聞き、ああ、本当にザ・ウィークエンドが日本に来たんだ、と思いました。
2. Starboy
2曲目はアルバム『Starboy』(2016年)のオープニング・トラックにして表題曲。「Pray For Me」からのトランジションがヤバかったです。青白いライトが、哀愁を帯びた彼の歌声にマッチしていました。
3. Party Monster
2曲目に続き、『Starboy』の曲順そのままにこの曲が始まります。同作の中でもかなり好きな4曲のうちの1曲が早くも聴けて、身体の振幅が大きくなりました。ここで一瞬、周囲のお客さんが比較的大人しいことに気づいてしまいましたが、今日の自分はパーティー・モンスターなのだと自分に言い聞かせ、再び身体を揺らしながら歌いました。"Woke up by a girl, I don't even know her name"って、彼らしい一行でいいですよねー。
4. Reminder
5. Six Feet Under
フューチャー(Future)をフィーチャーした(no pun intended)、冷酷にメイク・マニーする女の子のことを歌ったこの曲から…
6. Low Life
フューチャーつながりでしょうか、彼の『EVOL』(2016年)に収録されているこの曲につながりました。幕張メッセにメトロ・ブーミン(Metro Boomin)のビートが響いたんですよ、皆さん! "Low Life"をレペゼンするエイベルとヘンドリックスですが、ステージに立つそのアーティストの存在感は、彼にロウキーでいることを許しません。
7. Might Not
前曲に続いて客演曲のメドレー的な感じで、ベリー(Belly)のこの曲が始まります。"This time I might not make it"っていうコーラス、歌いやすくてライブ映えしますね。
今回はバンコク公演と同じセットリストを想定してライブに臨んだので、「Might Not」を楽しみつつも、密かに楽しみにしていたドレイク(Drake)の「Crew Love」は飛ばされたのかなと思いました。
8. Sidewalks
すると始まったのが「Sidewalks」。最初にマイクを向けられた"I ran out of tears when I was eighteen"は、ごめんなさい、僕も歌えなかったです。よく話題になる海外アーティストのシングアロング問題について、4年くらい前の自分はシンガロング過激派だったのですが、最近はみんなが好き好きに楽しめばいいと思っています。ただ、「あー今の歌えればよかった!」と思ってしまう僕みたいな人は、やっぱり予習していったほうが吉ですね。
ここでも「Sidewalks」を楽しみながらも、客演曲はメドレー的に固めてくると思っていたので、やっぱり「Crew Love」は飛ばされたのかなと思いました。まぁ、持ち時間が75分らしいしな…と思っていると、ケンドリックのヴァースが始まろうとするその瞬間、
9. Crew Love
きました! あのイントロに合わせてステージ上に炎が上がると、僕はブチ上がり(fire emoji) "This ain't no fuckin sing-along"なんて言われても、関係ありません。だって、この日幕張メッセに集まった人たちは、みんな彼のクルーなんですから!
10. House Of Balloons / Glass Table Girls
そして、その「Crew Love」と同じかそれ以上にアガったのが、デビュー作『House Of Ballons』(2011年)表題曲です。壮大で、それでいて哀愁漂うイントロからしてもうヤバい。幕張メッセは完全に、ザ・ウィークエンドのドラッギーで幸せな家と化しました。
↑ふとステージに目をやると、こんな色してるんですよ。ずるいでしょ、これ。
11. Belong To The World
デビュー・アルバム『Kiss Land』(2013年)からも2曲パフォームしてくれました。切ないですよね、この曲。
12. Pretty
13. Secrets
小休止の後、『Starboy』で特に好きな4曲のうちの2曲目が始まりました。軽快なビートとは裏腹に、ガールフレンドの寝言で彼女が浮気していることに気づいてしまった、という内容の曲です。ウィークエンドの楽曲の中では、普通にポップかつ地味な部類に入るかもしれませんが、こういう小気味良いビートに乗る彼の声も聴けたのは嬉しかったです。声の伸びが凄まじいんですよね、彼。軽めのビートにその伸び具合がよく映えていて心地良かったです。
ちなみに、『Starboy』で特に好きな4曲のうち残り2曲は「True Colors」と「Die For You」なんですが、今回のセットリストには含まれていませんでした…残念!
14. Can't Feel My Face
前曲から一転、ザ・ウィークエンドの代表曲ともいえるこの曲が始まると、今度はお客さんみんなでブリッジを合唱! そして「トーキョー! 行くぞー!」という彼の号令で、"I can't feel my face when I'm with you"のコーラスが始まった時の、会場全体の高揚感たるや。
15. In The Night
同じく『Beauty Behind The Madness』(2015年)から、この曲が続きます。今回のライブに参加することで、日頃感じている「痛み」が和らいだ人も少なくないのではないかと思います。
16. I Feel It Coming
みんな大好きなこの曲は、"You've been scared of love and what it did to you"から始まるブリッジのアレンジが絶妙でした。やっぱり歌が上手すぎます。スクリーンの暖色系の光も相まって、会場は多幸感に包まれました。
17. The Morning
『House Of Balloons』で個人的にけっこう好きな、しっとりしたこの曲が続きます。キャリアを重ねると、当然ながら過去作収録の曲をライブで聴ける機会が減ってしまうものですが、今でもデビュー作の曲を披露してくれるのはありがたいですね。
18. Wicked Games
19. Earned It
20. Or Nah
タイ・ダラー・サイン(Ty Dolla $ign)の『Beach House EP』(2013年)収録のこの曲もやってくれました。幕張メッセにDJマスタード(DJ Mustard)のビートが響いたんですよ、皆さん!
21. Often
僕が中学や高校の頃は、"often"の発音について、アメリカ英語では「オッフン」、イギリス英語では「オフトゥン」と聞いた気がするのですが、最近はアメリカ人でも「オフトゥン」派が増えてきているというのを、どこかで読んだ気がします。ウィークエンドの「オフトゥン」がかっこよかったので、僕はこれから「オフトゥン」派に転向しようと思います。
22. Acquainted
ライブで聴けて思った以上によかったのが、この曲です。ショウ終盤にふさわしいメロウなヴァイブが幕張メッセに充満しました。"I'm so glad we're acquainted"と歌う『My Dear Melancholy,』のクルーナーの声に聴き入りながら、俺も今日会えて嬉しかったよ、ブロ、と思っていました。
23. Wasted Times
最新EP『My Dear Melancholy,』収録のこの曲が、このタイミングで初めて! 改めて振り返ると、彼、本当に多作ですねー。小気味良いパーカッションが存外ダンサブルで、静かに盛り上がっていました。リリックの一部に"Tokyo"を加えてくれたのもこの曲です。
24. Call Out My Name
セレーナ・ゴメスのことを歌ってる?と話題になったスロウなこの曲は、きわめてシンプルな照明の中でパフォームされました。小細工なし、マイク1本。トップ・レベルの歌唱力をこれでもかと見せつけられました。
25. The Hills
前曲を聴いてエモくなっているクラウドにマイクが向けられ、「アー」のコール&レスポンスから、今回のライブで最後となるこの曲が始まりました。もう言葉は要らないでしょう(仕事放棄)。
ショウが終わって時計を見ると22時近くになっていました。当初、ザ・ウィークエンドの持ち時間は約75分と発表されていましたが、結局90分間フルのセットリストでライブしてくれた事実に気づき、改めて嬉しくなりました。しかも、その90分間はほぼノンストップで歌い続けていて、その喉の強さにひれ伏すしかありませんでした。
火曜にライブが終わってから水曜・木曜と、余韻に浸りながら彼の音楽を聴いているのですが、必ずしも全ての歌詞に共感できるわけではないのに、フィーンドのように何度も再生ボタンをタップしてしまいます。その歌声をもって自分の空気を創ることに、抜群に長けているアーティストなんだろうなと思います。今回の来日公演は、そんな彼の創る空気を全身で感じることのできる機会でした。この日の幕張メッセは、「House Of Ballons」でいうところの"a happy house"であり、そこで彼は他ならぬ"crew love"を示してくれました。次はぜひ、もっと近い距離で観てみたい!
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