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【英文法】#67 Ella Mai - "Trip"で学ぶtoo ... to ~ 構文

【今回のポイント】

It's too good to be true (Ella Mai - "Trip")

 ◆"too + 形容詞/副詞 + (for + 名詞) + to + 動詞の原形"「…すぎて〜できない」「〜するには…すぎる」の意味になる。これを俗にtoo ... to ~ 構文という
 ◆これは実は不定詞の副詞的用法。ここでは"to be true"が"too good"を修飾しており「本当であるにはよすぎる」の意味
 ◆too ... to ~ 構文はso ... that ~ 構文などに書き換え可能。この文であれば"It's so good that it cannot be true"

今回の動画でお伝えした内容はここまでです。この先、動画の内容に関連する内容をお読みいただけます。英語の話かもしれませんし、音楽の話かもしれません。何が出るかはお楽しみ!

【今日の一言】

今日はエラ・メイ(Ella Mai)について熱く語ろうと思ったのですが、すでにマスタード(Mustard)の回で熱く語っちゃったのですよね…ということで、よろしければ以下の記事をお読みください。

そして、以下はブログ『Genius & Cortez』にも掲載した、昨年のライブ・レポートの転載です。ブログで全文お読みいただけるので有料部分は設けませんが、気に入ったらご購入いただけると嬉しいです。頂いたお金は、YouTubeチャンネル『HIP HOPで学ぶ英語』の今後の運営資金として使わせていただきます。

"It's Scorpio season"と、11月3日生まれのエラ・メイ(Ella Mai)が言った。それぞれの星座の人々が一般的にどのような性格の持ち主だとされているのか知らないばかりか、うお座以外にどんな星座があるのか即答できない程度には星座に疎い私にも、その24歳が自分の季節を迎えてイキイキとしている様子は十分に伝わってきた。エラはそれから、星座を共有する1人の女性をステージに招き、アカペラの「Happy Birthday」をプレゼント。今回の来日公演が実現した理由の一つがその人なのだというから、彼女には感謝せずにはいられなかった。

アルバム『Ella Mai』(2018年)の曲間に挿入されているスキットは、"E"は"Emotion"、"L"は"Lust"と"Love"の頭文字といった具合に、彼女の名前のあいうえお作文になっている。5歳上の兄が書いたというそのスキットの前半がすべて読み上げられると、他の誰でもないエラ・メイがステージに姿を現した。

この日のエラは、TLCの故レフト・アイ(Left Eye)を彷彿とさせるような3ヶ所で結んだヘアスタイル(ごめんなさい、家に帰ってTwitterを見るまで気づかず、普通にツインテールだと思ってました)で、オフショルダーの長袖Tシャツに黒いパンツといったアウトフィット。時折ステージの端まで歩いて観客の反応を見ながら、アルバムの曲順そのままに「Good Bad」「Dangerous」といったアップテンポな楽曲を披露していく。バックコーラスの女性2人と一緒に手を叩きながらの「Sauce」はとてもダンサブルだ。また、個人的にショウ前半で最も期待を上回ってきたのがクリス・ブラウン(Chris Brown)との「Whatchamacallit」だ。椅子に座ってしっとり歌い始めたかと思いきや、"Mustard on the beat, hoe"というマスタード(Mustard)のプロデューサー・タグと共に転調。コーラスの「ワッチャマコーリッ」部分では両手の指を交互に左右に向ける振付があまりにキュートで、心奪われたのは私だけではないはずだ。

前半の最後には「ある曲が私の人生を変えてくれた。何の曲のことだか分かる?」と客席に問いかけると、もちろん「Boo'd Up」が始まる。2ヴァース目ではなんと、ステージを降りて客席の通路を歩きながらのパフォーマンス。全体的に大人しめな東京国際フォーラムのクラウドも、これには大興奮であった。

約2分間の休憩と先述のスキット後半部分を経て、ショウの後半がジョン・レジェンド(John Legend)客演の「Everything」と共にスタートする。この日のセットリストは大部分が『Ella Mai』収録楽曲だが、Day Oneファンに向けて「10,000 Hours」と「Anymore」、さらにタイ・ダラ・サイン(Ty Dolla $ign)との「She Don't」を披露する。中でも「She Don't」においては、後半から聞き覚えのあるピアノの旋律が聞こえてくると、ローリン・ヒル(Lauryn Hill)の「Doo-Wop (That Thing)」のコーラスをカヴァー。ライブには可能なかぎり予習して臨む派の私は、ローリンのカヴァーをどこかで聴けることも知ってはいたが、これには唸らされるよりほかになかった。

さて、ここで先述の「Happy Birthday」のくだりを経ると、アルバム『Ella Mai』の楽曲群に戻る。照明が眩しすぎてステージを直視できない場面もあったが、エラ・メイ本人も負けず劣らず輝きを放ち続ける。後半の個人的ハイライトは『Ella Mai』収録曲の中でもかなり好きな「Gut Feeling」。客演のH.E.R.不在のなか、彼女のパートは音源に任されるのかと思いきや、ショウ開始からエラと共に歌い踊り続けてきたバックコーラスの2人が、見事にソウルフルなカヴァーを披露したのだ。身体の内側から震わせるような3人のパフォーマンスに酔いしれた。

ショウも終盤に差し掛かり、「Naked」ではエラの歌声と携帯電話のライトがヴェニューを温かく包む。その自己愛の賛歌に、誰もがまだライブが終わってほしくないという感情を抱くなか、彼女の初の東京公演はシングル「Trip」で幕を閉じた

約70分にわたるシンプルながら濃密なパフォーマンスで、我々はみなエラ・メイの虜になった。時折24歳のあどけなさを覗かせながらも、その歌声の安定感は、やはりトップクラスの実力を十二分に感じさせる。ロンドンにある実家のベッドルームで、15秒の動画を撮ってはアップロードしていたかつての少女の快進撃は、まだまだ止まる気配を見せない。

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