にゃんころもち

心理的な問題や人の内面について触れていきたいと思っています。最近小説も書き始めました。…

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心理的な問題や人の内面について触れていきたいと思っています。最近小説も書き始めました。アイコンは愛猫が鳥の集会を監視している様子です。

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  • 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

    初めての小説作品になります。寝る前やコーヒーを飲むときなどに手にとっていただけたらうれしいなあと思います(´・ω・`)もちろん無料です

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#1 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

―――それでもいい。"僕"はこの世界を壊す――― すべての人に憎まれようとも構わない これから"僕"は―――世界の敵になる――― 序章 陰鬱な雨が外の格子にあたり、…

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#11 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第九話:道祖神 「今日はどんな感じにされますか~?」 「ショートヘアで、がっつりと短くしてください」 私は美容室に来ていた。 伸びきってしまったこの髪をそのままに…

#10 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第八話:玄鏡司 三日間寝込みようやく覚醒した退魔師・月御門水月(つきみかど・すいげつ) ところが樹海で遭遇した異質な妖魔によって呪縛を受けてしまっていた。 邪悪な…

#9 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第七話:誰が為に舞う 「知っているなら聞かせてほしい。あの時あったこと、全部」 真剣な眼差しで紅桜を見つめ、彼女が何かを言おうとしたとき ぎゅるるとお腹が鳴って…

#8 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第六話:紅桜 見慣れた天井。使い慣れた寝具。 長い...長い夢を見ていた気がする。 起き上がろうとするが、体が鉛のように重く上半身を起こすので精いっぱいだった。 今何…

#7 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第五話:目覚め 俺は暗闇の中にいた。 夜に灯りを消した部屋のように何も見えず、孤独を感じる空間。 力は入らず指先一つ動かすこともかなわない。 「どこだ...ここは...…

#6 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第四話:情愛の果て③ 退魔師だと名乗る男は指に挟んだダーツの矢をくるくると指の間で転がすようにしてみせた。 「おや...泥で白いパーカーが台無しだ」 「そのまま真っ…

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#6 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第四話:情愛の果て③ 退魔師だと名乗る男は指に挟んだダーツの矢をくるくると指の間で転がすようにしてみせた。 「おや...泥で白いパーカーが台無しだ」 「そのまま真っ…

#5 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第四話:情愛の果て② 本栖湖を一望できる場所にある食堂は少しレトロな雰囲気が漂っていた。 そばやうどん、そしてカレーライスやお酒まで楽しめるメニューが揃っている…

#4 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第四話:情愛の果て① 息も絶え絶えになりながら鬱蒼とした森の中を転びそうになりながら走る。 心臓が激しく脈打ち、自分の鼓動で周りの音が聞こえないくらいになってい…

#3 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第三話:想いを伝えられたなら 今朝の目覚めはとても軽やかだった。 本来ならばアラームを何回も止めて起き上がれるほどなのだが 不快感がない朝は久しぶりかもしれない。…

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#2 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第二話:パートナー 「ご飯できたよー!おりてきなさーい!!」 一階の階段下から母の大きな声が家中に響きわたる。 それは夕飯の用意ができたことを知らせるもので、私…

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#1 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#1 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

―――それでもいい。"僕"はこの世界を壊す―――

すべての人に憎まれようとも構わない

これから"僕"は―――世界の敵になる―――

序章

陰鬱な雨が外の格子にあたり、カンという音が響く。
長い間使用されていない家具からは湿気のせいかカビのような匂いがして鼻を突いた。
4月になるというのに、この空き家はまるで氷室のようにじっとりとした冷気が肌にまとわりついている。

「本当に大丈夫かい...?

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#11 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#11 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第九話:道祖神
「今日はどんな感じにされますか~?」

「ショートヘアで、がっつりと短くしてください」

私は美容室に来ていた。
伸びきってしまったこの髪をそのままにはしておけないからだ。

「えーこんな長いのにイイんですかぁ~わかりましたぁ!!」

元気なお姉さんがテキパキとカットしていってくれる。
見る見るうちにすっきりとしていくのがわかり、頭が軽くなっていく気がする。
ふと横を見ると美容師さ

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#10 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#10 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第八話:玄鏡司

三日間寝込みようやく覚醒した退魔師・月御門水月(つきみかど・すいげつ)
ところが樹海で遭遇した異質な妖魔によって呪縛を受けてしまっていた。
邪悪な存在になりかけていた水月の呪縛を剣の一振りで解き放った黒コートの男とは一体――――

「―――っく...なんだ...ここは」

目を覚ますと、石造りの牢のなかに鎖に繋がれ閉じ込められていた。
牢の前の燭台が不気味に揺れ、暗闇の中の唯一の

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#9 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#9 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第七話:誰が為に舞う

「知っているなら聞かせてほしい。あの時あったこと、全部」

真剣な眼差しで紅桜を見つめ、彼女が何かを言おうとしたとき
ぎゅるるとお腹が鳴ってしまった。

「あらあら...長らく食事をおとりになられていませんでしたものね」
「そちらに弟君が用意してくださった粥がございます故、食べながらどうぞお聞きくださいませ」

紅桜は立ち上がり机に置いてあるお盆から粥の椀を持ちあげ、ベッド

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#8 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#8 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第六話:紅桜

見慣れた天井。使い慣れた寝具。
長い...長い夢を見ていた気がする。
起き上がろうとするが、体が鉛のように重く上半身を起こすので精いっぱいだった。
今何時だろうかとスマホを探すが、近くには見当たらない。
陽の当たり具合だと、朝だろうか...チュンチュンと呑気なスズメたちの鳴き声が聞こえる。

「お兄ちゃん!?」

扉の前に、お盆をもった優紀が立っていた。
とても驚いた様子で私の学習

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#7 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#7 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第五話:目覚め

俺は暗闇の中にいた。
夜に灯りを消した部屋のように何も見えず、孤独を感じる空間。
力は入らず指先一つ動かすこともかなわない。

「どこだ...ここは...」

俺はそう呟いたはずだったが、発した声は自分の耳にすら届かない。
微かに気配を感じその方向を見る。
月明かりの下で群生した彼岸花を愛でる美しい女がいた。
足先まで伸びた女の髪は月に照らされ真っ白の髪が銀のような輝きを放ち、巫

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#6 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#6 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第四話:情愛の果て③

退魔師だと名乗る男は指に挟んだダーツの矢をくるくると指の間で転がすようにしてみせた。

「おや...泥で白いパーカーが台無しだ」
「そのまま真っすぐ行けば道路に出るからね、振り返っちゃあいけないよ」

飄々とした雰囲気の男は明るくふるまってみせたが、その目は笑っていなかった。
この男は危ない。
そう確信した私はなんとか百足女に危害が及ばないようにしないといけないと考えた。

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#6 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

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第四話:情愛の果て③

退魔師だと名乗る男は指に挟んだダーツの矢をくるくると指の間で転がすようにしてみせた。

「おや...泥で白いパーカーが台無しだ」
「そのまま真っすぐ行けば道路に出るからね、振り返っちゃあいけないよ」

飄々とした雰囲気の男は明るくふるまってみせたが、その目は笑っていなかった。
この男は危ない。
そう確信した私はなんとか百足女に危害が及ばないようにしないといけないと考えた。

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#5 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#5 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第四話:情愛の果て②

本栖湖を一望できる場所にある食堂は少しレトロな雰囲気が漂っていた。
そばやうどん、そしてカレーライスやお酒まで楽しめるメニューが揃っている。
店内だけでなく外にも席が設けられており自然の風景と湖、そしてなによりも富士山を間近に感じながら食べるお昼は格別だ。
お昼を少し過ぎていたので、お客さんはまばらで混雑はしていなかった。
せっかくなので外の席で食べることにしてみた。

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#4 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#4 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第四話:情愛の果て①

息も絶え絶えになりながら鬱蒼とした森の中を転びそうになりながら走る。
心臓が激しく脈打ち、自分の鼓動で周りの音が聞こえないくらいになっていた。
まだ昼間だというのに伸びきった樹木が陽を遮り、夜のように光を拒絶している。

背後を咄嗟に振り返ると、うっすらと木々の合間からこちらに向かってくる顔が見えた。
女の能面のような顔が笑みを浮かべ
百足のように細長く伸びた体躯からは無数

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#3 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#3 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第三話:想いを伝えられたなら

今朝の目覚めはとても軽やかだった。
本来ならばアラームを何回も止めて起き上がれるほどなのだが
不快感がない朝は久しぶりかもしれない。
窓辺には白兎がおりチュンチュン鳴いているスズメを観察していた。

「おはよう、白兎」

私が話しかけたことに気づいたウサギは振り返り、心に優しい音色が響く。

「主――オハ、ヨ、ウ?」
「朝のあいさつだよ。"おはよう"っていうんだ」

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#2 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#2 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第二話:パートナー

「ご飯できたよー!おりてきなさーい!!」

一階の階段下から母の大きな声が家中に響きわたる。
それは夕飯の用意ができたことを知らせるもので、私の家族が唯一集まる時間だ。
ベッドで寝ころんでいた私はよっと起き上がり、階段を下りていく。
台所に着くとまだ食事は並んでいなかった。

「ほら、手伝って!小皿もみんなの分並べてね!」

私が食器棚から皿を取り出し、大きめの長方形のテーブ

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