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たぶん原作はこの雰囲気じゃないけど王道レディコミをやんちゃに振り切ってくれてありがとう!の『ウソ婚』第2話

若社長の爆モテ男が長年の幼なじみの窮地につけこんで「俺の嫁のふりするバイトをして」と家に連れ込む『ウソ婚』の第2話(この雑な説明)。

第1話はひたすら長濱ねるちゃんが可愛かったですね。

本気で一生懸命頑張ってて媚びなくて、でも自分のずるさ弱さを分かっててちゃんと恥じている好感度高め女子。

おのれの仕事のために既婚のふりをしているような自分勝手でかっこつけの爆モテにはもったいない、と歯ぎしりした第1話から1週間。

予告ではカラオケで歌いまくっていた爆モテだが、何をはしゃいでいるのか?まったくどうしてやろうか。

ほぼ八重ちゃんの父の気分で第2話を見始めてすぐ「そうきたか!」と舌を巻きました。

『ウソ婚』の原作コミックを読んでいないのでなんとも言えませんが、たぶん冒険に振った脚本の勝利です。

さて、『ウソ婚』第2話の感想文に入ります。
多少ネタバレがありますのでご注意くださいませ。

第1話「八重視点」からの第2話「匠視点」の意外性が見事

第2話は冒頭から第1話を「爆モテ匠視点」から振り返りましょう、という趣向でしたね。

同じストーリーを違う二人の視点からそれぞれ見る、というのは従来から小説の伝統的手法です、まぁ驚きはしません。

と思ったら驚きました、突然の菊池風磨テイストで。


いや、いつまでも引きずるつもりはありませんが、春クールの『よく食べ』はおそらく原作に忠実な「甘えた男子」だったわけです。

レディスコミックといえば「ツンデレ男」か「甘えたクン」。

『よく食べ』の風磨くんはレディコミの「甘えた男子」をきちんと再現した実写版だったんだと思います。

ふーんもし菊池風磨の容姿で甘えた男子として転生したらこんな感じなんだぁ、みたいな。


しかしですね、『ウソ婚』の爆モテツンデレときたら!

これはレディコミの爆モテツンデレの実写版ではないです、あくまでも菊池風磨の実写版だろうが!

今回は世の女性の幻想レディコミ男子のステロタイプの再現ではなく、「もし菊池風磨が匠の立場だったらこうするだろう」で思い切って来ましたね。

まぁ、タレントさんはパブリックイメージがありますので、あくまでも「ジャにのちゃんねるの卍風味のやかましい菊池風磨」であって本人のプライベートではないとは思いますが。

爆モテ匠を菊池風磨のツンデレで振り切ってきたのは意外でした。

いいんでしょうか原作的に?(脚本家さんのSNSによるとOK出てるそうです)

とても短いシーンに菊池風磨の大学〜20代前半がぎゅっと濃縮

第2話の「匠視点」編では、幼なじみの八重ちゃんと会わなくなってからの匠の「爆モテ金持ち若社長への道」がダイジェストで綴られます。

このダイジェストがめっちゃ面白い。


まず、匠が「八重ちゃんをお姫様にするために自分がひとかどの王者になろう」と決意する、その心意気は尊いよ、うん。

建築士になるべく受験勉強に励む匠のそばには常に100点満点なもう1人の幼なじみ・健斗がいるのですが、これが「ケント」だっていうのがツボじゃないですか、セクラバの皆さん?!

Sexy健人は最近LAでトランスフォーマーのご用事が多そうです。

で、こちらの健斗くんも海外留学するという展開。


その後の匠の足取りが、大学入学から建築事務所への就職・個人事務所を設立した経緯と走馬灯のように流れるところが最高。

大学時代の匠なんてもう「慶応時代の風磨くんだろう」としか思えん。

その後の社会人描写、バイト禁止のジャニーズには難しいところのはずですが、風磨くんも上手いがまずセッティングが上手いです。

『よく食べ』と同じデザイン系の技術者という設定なんですね。

『よく食べ』ではバイトでデザイン事務所に入って有能でステキなお姉さんに教わって、となってました。

ぶっちゃけウソくさくなかったですか?社会はそんなに甘くないぞ。

『ウソ婚』では入社して作業着で鬼のように図面を引いて、数年立ったら上司にたて突いて、その後会社員人生に失望する・・・・・・というリアルさが満載。
ここで上司にド反抗する匠がどう見ても風磨。

レディコミという一種の夢物語を描くにあたり、基本の現実感が大事だなと思った場面です。

八重ちゃんはそれなりに一生懸命恋愛してたから女子を味方につけた

そして八重ちゃんよ。

そもそも可愛い長濱ねるちゃんが女性視聴者の目の敵にならないのは、八重ちゃんが「お姫様を夢見るふわっふわ女子」じゃないからでしょう。

純粋無垢の可愛い女子が自分の心のままフワフワと生きてたらなんだか現実の男の人からの出会いに気付けなくって独りのままになっちゃったぁ、だったらもう観ない、誰得って思います。


なにより大事なのが、八重ちゃんが恋を知らず今までやってきました、じゃないところ。

ちゃんとそれなりに一生懸命恋愛して、お付き合いもして、例の第1話の「オレ、結婚したら自分のことでいっぱいになっちゃうから」男に気を使って別れてます。

可愛いんだけど何も考えてないアタマ綿菓子女子じゃないんだよね。

そこが女性視聴者は嬉しいです。

もう「男性は初恋のあなたしか知らない」ぽわぽわ女子をありがたがるのは止めてほしかったんで。

むしろ、爆モテ遊び人匠が心配です。もうちょい真面目に恋愛してくれって思います。

「ウソ婚」きっかけが古臭いが建設業界ならありがちかもと納得

匠が未婚なのに「既婚です」と言い張らなきゃいけなくなったのは、大きな取引先の社長さんが「男は結婚していないと信用できない」主義だったから。

この、既婚を装わないといけなくなった理由の設定がいいです。


よくあるのが「病気のおばあちゃんが元気なうちに奥さんを見せたい」とか「まだ独身でいたいから身内からのお見合いのすすめを断るために」とか。

この手の理由って軽いな、と前々から思ってたんです。

その点、社運を賭けた商売のために既婚のふりをする、というのはバレたら失うものが大きすぎるので相当な覚悟を感じます。


「結婚している男でないと信用できない」という考えが古臭いのでは、という点は、取引先社長の娘レミさんがパシッと指摘してるのでOK。

で、建築業界のような男社会なら今でもありそうな話じゃないですか。

それにしても、「結婚してないとダメだ、じゃあうちのレミと結婚しろ」展開で「いやぁ、実は妻が・・・・・・」ってウソついたら実は匠のことが好きだったレミさんがうつむく、という流れだったらどうしよう、と思いました。

レミさん役のトリンドル怜奈さん・事務所の相棒ショッピー・風磨くんの横並びな関係が良い感じ。

ショッピーのガーデンデザイナーっぷりもそういう人いてそうで良し。

まとめ:八重ちゃんの幸せは君の努力次第だ!と匠のおしりを叩きたい

匠の人助けに名を借りた悪だくみで八重ちゃんを自宅に捕獲し、あっさりと八重ちゃんと同居になった、というスタート設定がこの2話分で「八重視点」「匠視点」として語られたわけです。

匠がはじめっから下心満載すぎる一方、八重ちゃんは男性と同居しようがあまりの警戒心のなさ。それはそれで大丈夫なんでしょうか。


ところで「社会で苦労してる女性の前に、成長して成功した幼なじみが突然現れて、彼女を好き好き言う」という展開は前のアレと同じですね。

そう、ケンティーの『彼女はキレイだった』・・・・・・。

やっぱりこういうのって働く女性の夢なんでしょうかね。


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