SexyZoneを信じていいのか悩む乙女たちに捧げる「Trust Me, Trust You.」②ミステリアスな美に迷いこむ
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「アリサちゃんが『anan』の佐藤勝利くんのあまりの美しさに
こわくなってしまったのは、
やっぱりアレかしら？」
チャイさんがちょこっと首をかしげる。
「そうね、『赤ナス』こわいものねぇ。
勝利くんのおそろしいぐらいの美しさと
よく合ってるわよね。」
クレスタさんもプロテイン入りソーダ水を
飲みながら言う。
「あの……『赤ナス』とは？」
アリサが聞くと、クレスタさんは
あ、これこれ、とスマートフォンで
サイトを開いた。
「テレビ東京で毎週月曜夜11時06分から放送中の
ドラマプレミア23『赤いナースコール』。
史上最恐の息もつかせぬホラードラマなの。
勝利くんは主人公の春野翔太朗役で出演中よ。」
「あ、こわいんですね。」
アリサが『赤ナス』サイトをのぞきこむと、
チャイさんが「ドラマはね」と笑う。
「勝利くんは『VS魂』で怒っても
『かわいいタスマニアデビルが怒ってる♡』って言われちゃうくらい
こわくないから大丈夫よ。」
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「TGC(東京ガールズコレクション」に
2回連続で出演して
化粧品『TIR TIR』のCMも続投中の
動く美術品・勝利くんがこわいのは、
ライブでメンバーのボケをたたきまくる
『美しすぎるツッコミ担当』の時と、
セクシーサンキューさんが
モツ鍋のモツを全部食べてしまった時だけなんですね。
美しさはこわくない！よかった！」
アリサは『anan』をふたたび胸に抱いて笑ったが、
またすぐに不安げな表情に戻った。
「でも、まだこわいことがあって。
あの『すごいエロい筋肉美』の人が
勝利くんのグループの人だって……。」
「たしかに、あの『anan』は
私たちも衝撃だったわねぇ。」
「アリサちゃんが逃げちゃったのも無理はないエロさだったものね。」
クレスタさんとチャイさんがうなづき合う。
「チャイちゃん、隣の部屋の
『もっと超絶した風磨のコーナー』から
例のものを取ってきて。」
クレスタさんが言うと、はぁいと答えたチャイさんが
あの…あの雑誌をにこやかに持ってきた。
「こ、これを本屋さんで買えたんですか?!」
両手でおおった指の隙間から表紙を見ながら
アリサが2人に聞く。
「Amazonや楽天でも買えるけど、
これはうちの母親が
駅前の本屋さんで買ってきたわよ。」
クレスタさんがパラパラとグラビアをめくる。
表紙もすごいけど、グラビアページのあまりのエロい筋肉っぷりを垣間見て
アリサはクラクラした。
「クレスタちゃんのママは、
去年のケンティーの『anan 愛とS○X特集』も
駅前の本屋さんで堂々とカウンターに
表紙を上にして出したという、
SexyZoneの裸に免疫のあるセクラバさんなのよ。
やっぱり風磨くん担ってそうなるわねぇ。」
私はちょっと恥ずかしいな、とチャイさんは照れる。
「このエロ筋肉……菊池風磨さんって、
『ドッキリGP』でよく裸になってる人ですよね。」
思い出したアリサが言うと、クレスタさんがそう、とうなづき
「でもね、アリサちゃん」と
アリサにそっと耳打ちする。
「……風磨くんは、服を着てもすごいのよ。」
全裸が菊池風磨のデフォルトなの?!と混乱するアリサに
「10月14日公開の映画『もっと超絶した所へ』では
クズのヒモ男・朝井怜人役なの」
とクレスタさんが言うので
アリサはますます混乱する。
「もう、アリサちゃんが困ってるじゃない。」
チャイさんがあわてて間に入る。
「大丈夫よ、風磨くんは
今年の『24時間テレビ』でも
ジャニーズ内YouTuberユニット『ジャにのちゃんねる』の一員として
メインパーソナリティをつとめた、
ちゃんとしたお兄さんよ。」
「それに『ニノさん』でも毎週土曜日
お茶の間をほっこりさせてるから
安心してね。」
なにしろ洗濯大名だから
ご家庭ウケ安全度もバッチリよ、と
チャイさんが指ハートをしてニッコリする。
「脱いでもすごい、ということでは、
この冬は“坊主ですごい”ケンティーが
観られるのが楽しみね。」
クレスタさんがウキウキとスマートフォンをたたく。
「12月公開の映画『ラーゲリより愛を込めて』で
主演の二宮和也さんと一緒に、
ケンティーは第二次世界大戦後のシベリア強制収容所で捕虜になりながらも
希望を持って生きた日本の兵士を演じてるの。
兵士の役で坊主頭なのよ。」
「え、アイドルケンティーが坊主頭なんですか?!」
アリサが驚くと、クレスタさんはシィ、と口に指を当てる。
「アイドルケンティーは坊主頭じゃないのよ。
俳優のケンティーが坊主頭なの。」
中島健人……なんとミステリアスな。
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「SexyZoneの美しさはこわくない、ってわかって
安心しました。
でも、謎のような美しさは増えてしまって……。
SexyZoneとどうこれから向き合ったらいいのか
迷ってしまいます。」
アリサはうつむいて、テーブルの上の金の食器を見た。
色鮮やかなフルーツが載っている。
「迷ってもいいのよ、小熊ちゃん。」
チャイさんがアリサの肩にそっと手を置いた。
「SexyZoneのクマちゃんだって、
迷ってしまうことがあるんだから。」
SexyZoneのクマちゃん？
アリサが思わずチャイさんに問いかけると
チャイさんはウフフ、と笑う。
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