「ガッキーはかわいい、私はかわいくない」ってノートに書きなぐった

私は自分のことを日本一かわいいmtfだと思っています。自称する分には許してほしいです。こんなことを言うと本当に頭のおかしなやつと思われても仕方ないのですが、以前は自分に自信が持てない、鏡に向かって「ブスブスブスブス…」とつぶやいているような自己肯定力0の人間でした。そんな私が自己肯定力をどのように高めていったのかお話しさせてください。

結論から言うと、私の場合周りの人に「かわいい」と言ってもらえたことが、自己肯定力を少しずつ高めてくれたと思います。なあんだ見た目のことか、と思われるかもしれません。

私は男の子として生まれています。どうしたら女の子らしい顔に近づけることができるのか、長年メイクを研究してきました。ノートいっぱいに男性と女性の顔の特徴の違いを書き出して、一つ一つメイクや表情で対応する方法を研究してきました。自分とガッキーはどれだけ違うのかをノートいっぱいに書き出したこともありました。100近い項目の中には「ガッキーはかわいい、私はかわいくない」という救いようのないものまであります。こんなことをしていると余計に自己嫌悪に陥いりそうなのですが、洗い出した項目にそれぞれに対応方法を研究することが狙いなのです。課題を洗い出すことで改善方法や最適解を見つけることができます。研究を進めると共通項目というのも見えてくることだってあります。紆余曲折あって、いつしか友達から「かわいくなったね」と言ってもらえるようになりました。優しさもあるとは思いますが、こうした言葉が自信をくれたのは間違いありません。私の研究はいまもつづいています。

一方で私はこれまで整形をしたことがありません。整形が悪いとは全く思いません。個人の自由ですし、私も必要な時が来ればやりたいです。整形も化粧も自己満足の世界ですから、第三者の目線を持てるか否かが「美しさ」という曖昧な基準の分岐点だと思っています。第三者の観点が抜けている、つまり客観視できていない顔や化粧というものは存在します。本人がそれでもよいと思っている場合、私はこれを否定しませんが、より多くの人に印象良く見られたいと思う場合には遠回りだと思います。

私はより多くの人にかわいい、美しいと思われたいです。おそらくこれは生来の自己肯定力の無さが起因していると考えています。自分が良いと思ったものを素直に良いと思えず、他者からの評価があって初めて良いと思えるようなところが私にはあるのです。もっとも、他者からの評価を顧みずとも自己肯定ができるならそれが一番幸せなのかもしれません。しかし一方で自己評価だけでなく他者評価が行われることによりより最適評価につながることがあります。私の自己評価はこのように自己+他者によって行われています。そして、私の周りの人もこのようなタイプが多い。

「あんたいいよお!」「きょうなんか可愛いね」「メイクいいね」といわれると素直にうれしいし、自信につながります。他者の評価によって自己肯定力がたかまると考えているのはこういうことが実際にあるからです。鏡の前で「私はかわいい、私はきれい」と言うだけでは自己肯定力はそこまで高められないと思っています。「仕事がはやいね」「あなたに任せれば安心だよ」なども他者からいわれたほうがうれしい。

見た目の話に戻れば、より多くの人に印象良く受け取られるということは、自己肯定力を手っ取り早く高めることにつながると考えています。

でも、私は自己愛に満ちたメイクやお化粧を見るのが大好きです。最近だと地雷系とか量産系とか言われるものがそれにあたると思います。涙袋がナメクジみたい、リアルで見るとやばいけど、加工フィルターかけたら最高かわいいみたいな。私しか勝たんみたいな。自分の世界を持っていてとても魅力的に見えます。他者からの評価など気にしない強さがまぶしい。一方で整形などで、第三者視点がすっぽりと抜けてしまい、自然界ではありえないと思えるような不思議な造形をした顔をもつ人もいます。本人が幸せであればよいのですが、「美しい」という曖昧な基準の分岐点はこうしたポイントに発生しているといえます。

どうしても自己肯定ができない、自分を好きになれない、というときに自分の見た目を研究するのはとても効果のあることだと思います。voceや美的、マキアを読んでメイクをアップデートしましょう。この3誌に掲載されるようなメイクはまず間違いがありません。いつもよりベースメイクがきれいにできるとまず自分の気持ちが上がります。それを友達に褒められたら、もっと嬉しい。他者からの評価だけをたよりに生きていくのは不健康ですが、褒められることはやはりうれしい。媚びを売るのとは違います。情けは人の為ならず、と言いますが、美しさもまたそうだと思うのです。わたしなんて、、、と今まであきらめていたこともできるようになってきたのは、いつかのだれかの「かわいい」が背中を押してくれたからだと思っているのです。だから私も「かわいい」「そのリップめっちゃいいどこの?」と素直に口に出すようにしています。嘘をつく必要はなく、かわいいと思ったことを素直に口に出すだけです。そうするとその場がいい雰囲気になるし、あわよくば「かわいい」を伝え返してくれます。かわいいの奪取と意地悪な人なら受け取るかもしれませんが、幸せな空間で行われている分にはべつに良いではありませんか。そこには近江商人も納得の三方かわいい🥺があるのですから。


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