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【制作秘話】原稿用紙の話

この記事はFANBOX無料記事と同じものを上げています!

気圧で頭が全く回らないなうなので、原稿用紙を注文した。
12月。あらゆるイベントが終了し、戻ってきたひのこ。年末までの消化原稿枚数は50枚ほど。
原稿用紙はある程度(5冊ずつとか)買い込むので、あるだろうと思って持ち上げた原稿用紙がいつものではないやつだった。

いつも使っているのはミューズ原稿用紙。 

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ちょっとざらっとした使い心地なのですが、もともと彫刻刀とかでものを彫るのがしっくりくるタイプのひとだったので、引っ掛かりがとてもいい紙。逆にすいすい描きたい人には使いにくいかもしれない…。
一度だけ、買った用紙の全部(5袋だから200枚くらい?)の使い心地がいつもと違うので恐る恐る裏面をを使ったら、裏面がいつも通りの書き味で、「これは…裏表逆に印刷してないか…?」と思って会社に電話もしてみたのだけど、実物を送ってくれと言われて、送らずじまいだったことがある…。
1円玉でわかる紙の裏表の実験をしたところ、実験通りの裏表逆疑惑がでたので、たぶんやっぱ逆だったんだろうなぁ…200枚中180枚くらい品質落ちたと思って使ってたのでなんか出来が良くない線というか、狙った場所より2ミリ近くずれてしまう書き味だったので、マジで困ってた…。
という思い出はさておき。
とはいえ、この紙以外は「つるつるすぎる」「にじみすぎる」などで再びここに戻るみたいな感じでもう10年以上…いや、15年使っているん紙です。
ありがとうミューズ。ありがとうミューズ。

対して、手に取ったのはこちら。

アイシー原稿用紙。

公式サイトはこちら

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少女漫画描いている人はほとんどこれ使ってんじゃないかな?くらいのメジャーな原稿用紙なんですが(原画展とか行くと結構これ)、ごりごり彫り進むとだめなきめ細かな紙なもので、私の作画法には向いてないのです…太い線がちょっと描きにくい(ペンをはじくのでインクが飛んだりする…それを避けるためには、ペンを変える(2種類のペンを使う)しかないけど面倒くさいw)。

で、実際に使ってみたというか、今回前半14Pだけミューズで後半10Pがアイシーになってしまった。

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上がアイシーで、下がミューズ。

アイシー結構黄色いんやな…。

もう少し先送りする予定だったのですが、私は線画までアナログで、トーン貼りなどはデジタルでやっておりまして、もともと使っていた「コミスタ」というソフトを「クリスタ」に変える作業をすることになりました。お気に入りの柄のトーンを移行したりする作業もあるし、慣れがどうなるかわからないので、支障がないよう読切を何本か描いてから…と思ったのですが予定外に何本か描いてしまったため、「もう移行できるんじゃないかな?」と新しい連載漫画から完全にクリスタ仕上げになっています。

ここで軽く問題が発生しました!

アナログ原稿はスキャナーでスキャンをし、多少の画像調整をしてデジタル作画で手を加えるわけなんですが、この「画像調整」はなかなか曲者で…。特に少女漫画的な細い線を取り込んで、きちんと1本の線に見えるように調整しなくてはならず、他の太い線もそれにつられてしまったりと、結構面倒な作業です。コミスタはここは弱く、別のフォトショップというソフトで手を入れて、それをコミスタに取り込んで作業していたのですが、クリスタはここもソフトの中でやりやすいソフトなので、クリスタ内で画像調整もやってしまうことにしました。
すると、コミスタの時につられた線はやや細くなり、画面がいい感じになっていたのですが、クリスタで調整するとなぜか太くなってしまうんですね…。おそらくベストな調整が存在するのでしょうけど、毎回20~30枚を1枚ずつ調整するものなので(一括では難しい)、簡単で楽な方法でやりたいわけです。
となると、どちらかというと線画原稿を調整したほうがいいのでは?と思ったのでした。

そういえば、アイシー原稿用紙で描くと、線が細かったなぁ…。と思い出しました。

というわけで、取り出したアイシー原稿用紙を使って、1回目の実験…実践…?
いや、仕事で実験するなよ!と思われるかもしれませんが、おそらく読者の1%にも通じない微妙な差なので、ほぼほぼ私の自己満足です笑。
結果…は、成功したのかは10P程度ではわからず、先ほど、どちらの原稿用紙も5冊ずつ注文したのでした。またこの結果はおってお知らせします。感触としてはいいんですが、大きな凝った画面を仕上げる時どうなるのか、ドキドキです~。


そして、

新年あけて、編集さんも仕事始め!

さっそく新連載のロゴ確認などのメールが来ました…!めちゃくちゃいい感じにデザインしてもらっているので、すごく配信が楽しみです!もうすぐ!解禁前なので、「始まります!」しか言えずすみません…!

今回の新作①はわりと純少女漫画で、トーンとかめちゃ貼りまくってます。イメージ的には「隣の家の悪魔」に近い感じです!※無料で読めますのでどうぞ…!

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原稿用紙の話に戻りますが、「少女漫画ではメジャーな原稿用紙」なので、アイシーを使うことで、少女漫画度の高めな画面が作れるのでは?とも思っています。
少女漫画を描くときは、ティーンズラブマンガより、髪の毛の線を多めにきれいに描くように心がけています。うまくそこもできるようだったら、原稿用紙も変更して、次の新連載②にも生かしていければな…と思っています。

私の中での「作画」の作業は「少女漫画らしい少女漫画画面を描くこと」が一番で、二番目に「アニメーターさんが描くような画面を作りたい」という、なんか矛盾したいいとこどり精神でやっているので、道具がグッと少女漫画に寄ってしまうことに懸念があるのですが、今計画している新連載はどちらもぐっと少女漫画風のものになるので、思い切って進んでいこうと思います。


というわけで、気分転換の無料記事なのでした…少し頭痛がましになったような、気がする…。

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