都内中学生向け 志望校選びの着眼点

 みなさん、こんにちは大山です。今日は特に中学生に向けて、高校受験の志望校の選び方のポイントについて解説していきたいと思います。ちょっと今年はコロナウイルスの影響で学校説明会がなくなったりして、志望校選びが思うように進まない、という受験生の方多くいらっしゃると思います。でも、どのような状況でも自分がどの高校に通いたいかというのは今から考えておいた方がいいのは違わないので、今日は「こういう人はこういう風に選んだらいい」とか、ちょっとでも皆さんの考えるヒントになるようなお話ができればと思います。

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 当然、ベストな志望校は人によって違います。僕のいうことは一つの着眼点です。何から考えたらいいかわからないという人は参考にして、それでも最後は自分の頭で納得できる志望校選びをしてもらいたいなと思います。

〇高校選びの最初の着眼点

 まず、最初に考えるのは「大学受験がある方がいいか、どうか」です。高校の種類は大きく分けて三種類だと考えてください。

 一つは大学受験がなくそのまま系列の大学にあがる「私立付属校」、
そして大学受験がある高校、これは「私立進学校」、「都立」の2種類があります。

 まずこの3つのうち「付属」か「進学校」かでわけて考えた方がいいので、最初に「付属高校」に進むことのメリット、デメリットから話します。ちなみに、○○付属高校となっていても、実質はほとんどの生徒が大学受験をしている、進学校というパターンもありますからね。ここでいう付属高校というのは典型的な大学系列付属校である「日東駒専(日大、東洋、駒沢、専修)」「G-MARCH(学習院、明治、青山、立教、中央、法政)」「早稲田・慶応」の付属高校だと思ってもらえればいいです。
 もちろん、それ以外にも基本系列に上がる高校はあります。その辺を調べたいのであれば、学校の進学先(HPや進学情報誌)を見て何%が系列の大学に進むのかを見ればわかります。

〇付属高校に進むメリット

 付属高校のメリットって言うまでもなく「大学受験をしなくて大学に行ける」です。これ以外基本ないと思っていいです。
 「ない」っていうと語弊があるかもしれませんね。けど、それ以外のところに魅力を感じて入って、入ってから「思ったのと違う!」ってなっても、やることさえやってたら「大学に行ける」っていうメリットは残るから。だからこそ注意してほしいのは「大学受験をしないですむ」ことが本当の意味で自分のメリットになるのか、という点は、しっかり自分で考えていたほうが絶対にいいです

 なぜかっていうと、附属高校に入って大学受験をやらずに大学行ける、にも関わらず大学受験をやりたくなるって人って結構いるんですよ。
別に在学中に気持ちが変わること自体は決して悪いことではないし、将来を考えたときにやっぱりやらなきゃってなることもあるから、付属高校通いながら受験、これ自体を否定するつもりはないです。

 ただ、やっぱり環境として学校の授業は「大学受験」を念頭に置いたものではない。周りにいる人達も受験をしない人達、この中で受験勉強をやることって、どちらかというとロスの方が大きいから、どうしても「進学校通えばよかった」ってなっちゃうんですよ。極力そういったことがないほうがいいから、「大学受験がないこと」が本当にメリットになるのかどうかを、しっかり考えてほしいかなって思います。

 僕が見ていて、こういう人は付属で大学受験がないことがメリットになると思います。大きく2つのパターン、一つ目は「将来やりたい勉強(もしくは職業)、があって、それを学べる学部が大学にある」というパターン。そういうパターンの人によく調べておいてほしいのは、高校よりも大学の学部です。高校通った先の大学でやりたいことがやれる。それがはっきりわかっていた方がいいです。そして案外落とし穴になるのは付属高校からどの程度の人がその学部に入れるのか、まで知っておいた方がいいです。
 ちょっと極端な例でいうと「医者になりたい」で「日大には医学部がある」だから「日大の付属」という考え、いや、これ付属から日大医学部に入るのってずっと成績トップでも推薦とれるかわからないんですよ。それってほんとに近道になってるの?ちょっと極端な例ですけど、自分の高校から何%の人がその学部に行っているのか、考えている高校のHP調べればわかるので知っておいて下さい。じゃないと近道に見えてそうじゃないパターンってあるので。
 もうひとつのパターンは「とにかく何がなんでも大学受験をやりたくない」って人、大学受験に時間を取られずに学校生活を楽しんで、それでも大学に行ける。まぁメリットではある。ただ、勘違いしないでほしいのは付属高校だからって勉強しなくていいわけではないですからね。基本的に付属高校は進学校よりも留年とかの基準が厳しいです。日々の定期テストの勉強は当然やっておかないとそもそもの進学が危うくなります。そして行きたい学部が人気の学部だった場合は学内の成績がある程度上位にいないと選べないことも多いです。だから、「付属校=勉強しなくていい」って考えるのではなく「日々の学校の勉強はきちんとやっておくもの」という風に考えておかないと思いがけないことになるので注意が必要です。

 意外と注意してほしいのは「勉強以外にやりたいものがあります」というパターンです
 人間って変わる可能性があるから、高校入ってから、自分のやりたいことに興味がなくなったり、今好きなものが嫌いになったり、思ったより熱意をもって取り組めないってこともあるんですよ。もちろん別に今持っている興味が変わるってこと自体は悪いことじゃないです。別に初志貫徹、首尾一貫してなきゃ人間死ぬってことはないので。ただ、やりたいことがなくなってしまったとき、心にぽっかり穴が開いたような状態、それでも学校生活だけで十分楽しめますっていうのであればいいです。それがないと、大体、大学受験やりたくなります。意外と、やってない人からすると「大学受験」ってちょっと憧れたりするんですよね。
 さて要約すると、付属校を選ぶときに「大学に入ったときにどんな学部があるのか」は情報として知っている。大学にはこういう学部があって、どれくらい選べる幅があるのか、というだけでも。あと「勉強しなくても大丈夫、ってわけではない。」ということを心がけておく。この2点は最低でも押さえていれば付属高校に進んでも後悔は少ないのかなと思います。

〇進学校に進むメリット

 続いては進学校、これは「私立」と「都立」ありますが、両方に共通してる最大のメリットは「進路についてじっくり考えられる時間がある」というところです、高校3年間の中での経験をもってどのような学部にしようかを選択できる。そういう考えられる余地があるというのは魅力のひとつだと思います。
 だから、自分の興味、強み、見極めてから大学も決めたい、当然、付属校よりも勉強の負荷が圧倒的に多いけれども。それでもそうしたいって人は進学校でもいいと思います。あと自分の努力次第では3年後に現状よりもさらに上を目指せるという点もメリットだと思います。
 
 その中でも「私立」と「都立」の違いがあります。学校ごと違うので、あくまで傾向の話です。「私立」「都立」の最も大きな違いはカリキュラム(学習の進み)です。「都立」の方が学習の進みが遅く、その分1~2年時の文化祭とか学校行事なんかへの取り組みは熱心なことが多いです。いわゆる高校生活のロールモデルみたいなものってあって、1~2年時は部活に行事に頑張ったりして、いい感じに青春して、勉強もある程度ちゃんとやって、2年の後半~3年時にはがっつり勉強するっていうモデル。そういうのに憧れてますって場合、都立はいいと思います。
 ただその分「都立」の場合は、高校1年時から塾なり学校外の場所に通うっていうのが大学入試を成功させたいって場合はあった方がいいです。これは、先に述べたように「私立」の場合と「都立」の場合で1、2年時の勉強に対する取り組ませ方というのに大きな差があるからです。
 基本的に大学入試に向けて高校3年時はどこの学校に通っていようがどの受験生も使える時間は全部勉強に費やす、それが当たり前だと思ってください。そこがスタートラインです。だから、3年時からは誰もが勉強に時間をフルで使い、使う時間自体に差はつかないんですよ。それがわかってる分、「私立」の場合だと、極力前倒しながら早くカリキュラムを消化していく形をとって、1~2年時から負荷をかけていることが多いです。「私立」の学校の先生とかは大学受験の進学実績がどの程度かっていうのが、学校としての生命線なんで、それこそ学校側が必死です。その分の1~2年分の蓄積が3年進学時点での差につながっていくんですね。そこをつけられないためにも都立進学であれば、1~2年時の時点で、学校のカリキュラムでついていくことで安心しないようにしたほうが絶対にいい、周りの子たちよりも先に進んでいくという姿勢は必要です。
 まとめると「学校行事、部活をやりつつ、大学受験に向けての計画は学校外を含めて早いうちから自分で作っていく」このイメージがしっくりくるのであれば都立はいいと思います。

 「私立進学校」に関しては簡単にいうなら「私立」の方が大学入試に対するノウハウは蓄積されている場合が多いです。基本的に実績を出せる先生はずっと学校に残りますから、そして勉強がしやすい環境を作られているのも「私立」の方が多いです。だから、「学校を中心にした大学受験」を優先するって場合は「私立進学校」は選択肢に上がります。もちろん、「私立」だからといって完全に学校に任せっきりにして大丈夫かと考えるのも危険ですよ。どうしても学校だけでは、自身の弱点とか足りない部分に気が付いてカバーするってことがやりきれない場合もあるので、私立進学校に通いつつ、他のところ(塾や予備校)にも通い始めるって子も少なくないです。あと、「私立進学校」って方針含めていろいろあるから、とりあえず進学校ならどこでも大丈夫でしょって考えるのは非常にまずいです。実際、行こうとしている進学校がどんなところか、実際に自分に合っていて、ちゃんとした指導をしてくれるかに関しては、今通っている塾の先生とかそこに通っている先輩とかがいれば聞くのがいいです。例えばうちの塾であれば、中学卒業後も大学受験にむけて引き続き通っている高校生の生徒さんも多くいるので実際に学校がどんな風に指導しているのかっていうのはある程度把握していることもあります。進学実績とか、学校説明会とか外から見える情報には限りがあるのでその辺りは聞いてみるとまた違った情報が得られることもあります。「学校」が受験に強いからといって、必ずしも「私立」が有利、「都立」が不利とは言えないです。どんな環境にいても結局勉強するのは自分だから。
 要約すると「自分が大学受験の勉強するときに引き出せるツールが学校内に多いのは、どちらかというと私立」というイメージです。私立進学校を受験する場合は「大学受験で学校を最大限利用してやろう」という気持ちがあるといいかなって、僕は思います。


 さて、今回は主に「大学受験」をキーに「志望校選び」についてお話しさせていただきました。繰り返しになりますがここで書いているのは、あくまで着眼点の一つです。他のいろんな要素、部活動、立地、あと学費、「私立」と「都立」でかなり差がありますからね。校舎の雰囲気、生徒の雰囲気、知ってる人が通っている、とかいろんな要素をもって、最終的には自分が納得して「通いたい」って思えるところに行ってくれればそれでいいと思っています。ただ、大学入試は高校生活の中の重要なイベントのひとつではあり、入ってから「思ったのと違う!」とか「こうしとけばよかった…」は極力なってほしくないので、今述べたようなことも頭にとどめつつ学校選びをしてもらえたらと思います。では、皆さん、また教室で、大山でした。

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