テレ東ドラマシナリオ案その１

「月がきれいですね」の『好き』が消えた世界を描く恋愛ドラマで一本。

その世界では『好き』という概念が消えてしまったので、人々は好きを伝えるために、自分が他に愛してやまないものを禁じることで気持ちを伝えていた。多くは好きな食べ物を食べないという宣言だ。

「君と一緒にいられるなら、僕は一生アイスクリームを食べない」

など。

ところが、皇太子がプロポーズを考えるにあたり、とんでもないものを食べないと宣言する噂が流れてくる。なぜなら、皇太子は大のカレー好き。そのため、プロポーズの際には

「一生カレーを食べない」

と言いかねない。

なにせ一番好きなものを言わなければ真剣度が伝わらない。皇太子のカレー好きは周知の事実。ここはカレー禁止でプロポーズだろう。

ところが、皇太子の好きな女の子はカレー屋の娘。しかも得意料理はカレーときたもんだ。

皇太子は悩む。真剣さを伝えたい。でもカレーは彼女のアイデンティティーでもある。

しかし、問題は皇太子と彼女だけのことではなかった。

一国の皇太子がカレーを食べないと宣言すれば、それは全国にブームとして広がってしまうだろう。

ひそかに国のカレー協会連盟が集まり、どうにかその宣言を辞めさせようと相談が始まる。しかも、ことは一国に留まらなかった。その会議に現れたのはインド大使、ネパール大使、スリランカ大使など。各国のカレーを日本で売っている国の人々。

カレー食べない宣言を止めようとする裏の動きをコメディタッチに描きながら、皇太子と彼女の恋愛がうまくいくのかを追うストーリー。