ライブに落選するということ

行きたかったライブに落選した。

私には何組かの(特に)好きなアーティストがいる。その中で最も好きなアーティストのライブには、まだ行ったことがない。長く活動をしているグループなのでいつかは行けると思っているが、大事な機会に行きたいとも思っているのと、未だに人気があるアーティストなので、もしかしたら行く機会を逃してしまうかもしれない。もちろん一度行ってみたい、生で好きなアーティストを見てみたいとも思っているが、私にとっての音楽とは、まず一人部屋で聴くものというところがあり、長いことライブに興味がなかったこともあるので、このまま行かずに終わるかもしれない。そういう距離感である。

次に好きなアーティストは何組かいて、あるアーティストのライブには行ったことがあり、また他のあるアーティストのミニライブのライブビューイングに参加したこともある。これらはそれぞれ良い経験だったが、実際に体感したライブというのは、確かに良い思い出になった。好きなアーティストが意外と小さいなと感じたというのと、歌声がやはり素敵だなというのと、昔からの素晴らしい曲、新しい素晴らしい曲、それぞれ聴くことができた。(もっとも、ライブというのは騒ぐ人が行く場所であって、自分のメインとなる音楽と向き合うスタイルとは別物だなということも確信したのではあったのだが。)

それらと同じくらいにこの2年程で好きになった、とあるアーティストのライブの開催が予告された。その申し込みには1次先行、2次先行、3次先行というのがあり、その後に一般発売があるというものだった。私は1次先行、2次先行、3次先行に申し込み、全てに落選した。1次先行に落選した時、Twitterで検索すると当選している人のツイートが多く引っ掛かり、へえ、落ちることもあるんだなあというくらいに考えていたのだが、2次先行、3次先行にも落選し、私は絶望した。私は1次先行でシッティングのS席にしか申し込んでおらず、もしかしたら、1次先行でA席に申し込んで入れば安定して席が取れたのかもしれないのに、と思い、後から自分の甘さに気づいた(S席とA席の両方に申し込んで、両方とも当選してしまったら困ると思ったのだが、もしかしたらシステム側でそのような当選を弾いてくれたのかもしれない。転売禁止という注意書きしかなく両方申し込んでよいかはわからなかった)。

そして今日、一般発売の時間となった。私は12時ぴったりにページを開こうとしたものの重くて開かず、次にロードできた時にはチケットは完売していた。チケット保持は15分で途切れるという注意書きがあったため、誰かが15分放置してチケットが買えるタイミングが来るのではと15分後にロードしてみたが、そんなことはなかった。まあ、これまでのn次先行で取るよりも携帯電話のモバイル回線で一般発売を取る方が遥かに難しいことはなんとなくわかっていた。

私がこれまで行ったライブは、ライブの2日前とかでたまたまライブがあることを知って申し込めたりしたものであり、こうやって何次先行に当選落選があるというライブにちゃんと申し込むのは初めてだった。よくよく考えてみると、この歌手は現在人気拡大中の大人気アーティストであり、東京ドームや幕張メッセでライブするわけではないのだから、落選することも初めから想定していればよかったのかもしれないが、私は3次先行もあるのだから、それは何回もチケット発売を打ち出して完売に至るものであり、1次先行から申し込んでいる人はだいたい当選するんじゃないかという、全く根拠のない思い込みをしていたのだった。

先に書いたように、私はライブという形態を音楽の上で特別重視はしていないために、悲しみながら、あれだけみんな当選しているのになんで自分は落選なんだろうと思いながらも、どうにか忘れることはできると思う。しかし、いつかこのアーティストの一番好きな曲を生で聴きたい、それは変わらずに思っているし、自分はライブの観客としては弾かれたけれど、そもそも自分の音楽の聴き方において(他の人とは違い)ライブは重要な位置を占めているものではなく、僕とこの曲の関係は変わらない。そこで変に他の人の価値観には付き合わないようにしようと思った。

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