伝説の安心感 #毎週ショートショートnote
「あの...すいません、安心屋さんでしょうか」
そう声をかけると、男はびくっと驚き無言で立ち去った。
「無駄だよ。奴はもう店を畳んだ」
近くにいた老人が言う。
「あんた、なぜ安心屋を?もう知ってる人間なんていないと思ったよ」
「噂を聞いて...この町の安心屋さんが一番優秀だと伺ったんですが...」
「そりゃあ優秀だったさ、安心屋の中でも奴はピカイチだった。ありゃ伝説だね。商談、プロポーズ、試合に受験。色んな人が安心感を求めて相談事をしに来た。でもそれも昔の話さ。時