子宮頚がん検査から円錐切除手術した話


はじめに

 2023年の終わりに子宮頚がんの検査を受け、精密検査を経て円錐切除手術をしました。
 検査とは具体的に何をやるのか、入院や手術の流れはどうなのか、身体への負担はあるか、その他私が経験して困ったことなどをお伝えしようと思います。これから子宮頚がんの検査を受ける方の参考になれば幸いです。


何気なく受けた検査で異常発見

 子宮頚がんの検査を受けるきっかけは、友人との何気ない会話からでした。

 友人が会社の検診で子宮頚がんの検査をして、受けてみたら? と軽いノリで言いました。私はその軽いノリに乗って検査を受けに行きました。
 二週間か三週間ほど経った頃、結果が届きました。そこには精密検査を受けるようにという案内が。
 案内の用紙を持って再度婦人科へ行きました。

 検査では膣の奥の方の細胞を採取します。私の場合は三箇所採取しました。ほとんど痛みはありませんが、結構出血していました。止血して(これも痛みはなし)タンポンを入れて帰宅。その日の夜にタンポンを抜いて異常な出血などがなければ大丈夫です。

 また二週間ほどして、婦人科で精密検査の結果を聞きました。高度異形成という、がんの一歩手前の段階でした。ですが緊急性はそこまでなく、経過観察して悪化するようなら手術という話になりました。


経過観察とHPV型判定

 経過観察のついでにHPV型判定も受けました。

 子宮頚がんはヒトパピローマウイルスの感染が原因です。そのウイルスにも型があり、ハイリスクなもの(進行しやすいもの)とそうでないものがあるそうです。私の場合は51型でハイリスク。後々癌になる可能性が高いということでした。

 というわけで大きな病院を紹介してもらい、そこでさらに検査して手術となりました。

 最初に子宮頚がんの検査を受けたのが十一月下旬で、手術が決まったのが四月中旬でした。あっという間でした。


手術方法について

 手術は二種類あり、子宮頸部をレーザーで焼くものと、子宮頸部を切除する円錐切除がありました。

 円錐切除手術では、高度異形成の部分を完全に切除し、切除した部分をさらに詳しく調べることができます。ですが、出産などに影響することがあります。あまり詳しく聞きませんでしたが、早産になる可能性などがあるそうです。
 私は様々な理由から出産する予定がないので、迷わず円錐切除手術を選びました。

 そこから予定を決めて六月初旬に手術となりました。
 主治医や麻酔科医から手術の詳細を聞き、同意のサインをします。家族や親しい人の同意も必要となります。
 日程を合わせて同行してもらうのが一般的ですが、私は事情があって同行してもらうことができず、スマホを通話状態にしてリモートで同意してもらいました(医者からは滅多にないことだと言われました。最後の手段と思ってください)。

 私は持病の関係でピルを飲んでいたのですが、手術の一ヶ月前から断薬を指示されました。飲んでる薬によっては手術に影響があるようです。主治医にすべて伝えた方がいいでしょう。


入院〜手術前日の過ごし方

 手術にあたって入院することになりました。手術前日から入院し、翌日に手術、その翌日に問題なければ退院。二泊三日です。
 入院用に着替えやタオル、その他細々したものを用意して持って行きましたが、短期間なので、病院で貸し出している入院セットを借りた方が楽だったと思います。

 入院初日は割と自由でのんびりしていました。強いて問題を言うなら食物アレルギーが複数あって、病院食の種類が限られていたことです。
 診察室で最後の確認をし、看護師さんに下の毛を剃ってもらい、順番を待ってシャワーを浴びました。
 その後はiPadでダウンロードしていた映画を観て就寝しました。
 病院によってはWi-Fiがないところがあります。リラックスして過ごすせるように、自分に必要なものを持ち込んでみてください。


手術〜退院まで

 翌日の午前中から手術が始まりました。
 手術着に着替えて手術室へ。狭い台に仰向けに寝て、あちこちコードを付けられて、点滴をされて、その状況で脊椎麻酔をしました。脊椎(背中)を出さないといけないので、台の上で丸くなるのですが、狭いのと私の身体が硬いので一番大変でした。

 脊椎麻酔の前に痛み止めを打つのですが、効きが悪かったのか結構痛かったです。痛み止めを追加して麻酔続行。最初は何もなかったのですが、突然右足が冷たくなり、動かなくなっていきました。その感覚があっという間に胸当たりまで広がって、意識はあるけど下半身は何も動かせない状態に。温度や痛みは感じませんが、触れられている感触はありました。

 その状態で手術開始。三十分くらいだったと思います。私はやることがないのでぼんやり天井を眺めてました。
 手術が無事に終わるとそのまま寝台らしきものに移され、病室に戻りました。
 そこで看護師さんから寒くないですかと尋ねられ、そういえば寒いかも? と。麻酔で胸から下の感覚がないせいか、気温がよく分かりません。看護師さん曰く唇が紫になっていたので寒かったのかもしれません。

 電気毛布で身体を温めましたが、その温度が分かりませんでした。足もまったく動かない。上半身は自由に動かせますが、点滴や股間の謎の管(カテーテル?)で動きづらかったです。

 三時間ほどして麻酔が切れてきましたが、電気毛布が暑すぎて汗びっしょりに。看護師さんに着替えさせてもらいました。痛みはほとんど感じませんでした。

 一番の問題は尿道に入っているであろう管でした。これの違和感が強烈で、下手に動くとずれて違和感が強くなるので仰向けのまま動けません。看護師さんが定期的に来て出血がないか確認するのですが、その際に管がずれた時は気持ち悪くて「えっ⁉︎」なんて変な声を出してしまいました。

 映画を観るつもりが、管のせいで動けないのでずっと天井見てました。今回の入院で一番つらかったのはこの管です。手術した部分や脊椎麻酔した背中より、とにかく管が気になりました。

 麻酔をしたのでその日は絶食。寝る前に水を少し飲む許可が出ました。持病の薬も大丈夫でした。就寝後、一度だけ目が覚めました。やはり管が気になって落ち着ませんでした。


一夜明け退院へ

 翌朝は6時に起きて診察室へ。ようやく管を抜いてもらい、経過も問題なかったので退院となりました。ちなみに痛みはほぼ感じませんでした。

 退院時は荷物をまとめたり支払いをしたりとバタバタしました。術後なのであまり無理はできません。可能なら退院時は誰かに手伝いを頼んだ方がいいです。

 退院後は一週間ほど大人しく過ごしました。事前に医者から言われた通り、一度だけ多めの出血らしきものがありました。手術痕が良くなってかさぶたが剥がれたかららしいです(この辺はうろ覚えなので間違えているかも)。
 この出血があるので、手術前後に生理が被らないようスケジュールを調整した方がいいと思います。

 手術から二週間後にまた診察を受けました。手術で切除した部分の検査結果、浸潤がんの可能性の有無。私には婦人科系の持病があったので、そちらも診察しました。幸い問題は見つかりませんでした。


手術を終えて日常へ

 それから三ヶ月に一度のペースで検査に行っています。日常生活に支障はなく平和に過ごせています。

 これを書くに当たって、ふと気になったことを医者に尋ねました。性行為はいつから可能か、ということです。三ヶ月ほど経てばいいだろうとのことでした。ただこれは私を診察した上での回答なので、ご自身で主治医に確認した方がいいです。
 恥ずかしさや抵抗感があると思いますが、相手は婦人科医です。真剣に答えてくれます。私は性行為の予定はありませんでしたが、自分の身体のことは把握しておきたいと思い確認しました。
 何事も把握しておけば落ち着いて過ごせます。
 


最後に

 体験談は以上です。
 子宮頚がんの検査から手術、そして退院後まで覚えている限り書きました。書けなかったのは心理面と金銭面に関することです。

 私は子宮頚がんや手術に対する不安があまりありませんでした。診断当初は少し不安になりましたが、友人と話したり、自分がやるべきことを考えると落ち着きました。
 子宮頚がんを甘く考えたことはなく、戦う覚悟を決めていました。

 心理面は人それぞれです。不安な方は身近な人に相談し、寄り添って頂くのが良いと思います。

 金銭面も人それぞれといいますか、保険や高額医療費支給制度など色々あります。この辺りもご自身で確認してみてください。

 この記事が少しでもお役に立てば幸いです。


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