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#2312200

セーラー服姿の学生らしき人、会社帰りのサラリーマンらしき人、買い物帰りの主婦らしき人。みんな、スマホをいじくり等しながら順番を待っていた。

その列をたどった先、ショッピングセンターの吹き抜けのホールには、白いピアノが置かれていて、今は若者が趣味とも思えない腕前を披露していた。

こんな田舎町にこんなにもうまく弾く人がいるのか、ということよりも、物おじしない人がこんなに大勢いるのか、ということの方にAさんは、驚いた。

演奏を終えた若者が一礼して去った後、女の人がピアノの前に座り、譜面も見ずに何か弾き始めた。光り損ねた粒子たちを見る思いで、Aさんは、そこにいた。

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