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20世紀初頭のドイツに

20世紀初頭のドイツに、計算のできる馬がいました。その名は、ハンス。質問に対して、ひづめを地面に打ち付ける回数で答えました。

でも、よく調べてみれば、質問した人が正解を知っている場合は正答率が上がり、知らない場合は誤答が増える、と分かりました。

正解を知っている質問者は、ひづめの音が正解に近付けば無意識に表情や仕草を変え、ハンスは、その微妙な合図を読み取って「正解」を答えていました。

「賢馬ハンス」とは、私です。一見すれば、賢く振る舞っている。でも現実は、周囲の顔色をうかがい飼い主を喜ばせている、ただそれだけのカラクリです。

子どもに対していわれる「お利口さん」という言葉は、子どもがいつでも理解する言葉で、しかも、人が決して子どもに説明してやらない言葉である。

(ジョセフ・ジュベール『パンセ』)

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