知覧
知覧の特攻平和会館で、特攻隊員たちがしたためた手紙をたどりました。親への感謝、妻子への労い、一撃必沈、「あなたも私の死を誇ってください」。
異口同音につづられる言葉に、少し戸惑います。そして、そこに残された言葉ではなく、そこに残されなかった言葉のことを思いました。
「死にたくない」「こんな作戦、馬鹿げてる」。なぜ、そうつづらない?考えてみれば、彼等が差し出した手紙は、軍隊において私信とはいい切れません。
私たちは、彼等が慎重に選んで残した文字面だけをたどり、感傷に浸っている気がしてきました。彼等を英霊と褒めそやした、あの頃のように。
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