星新一
星新一の「万能価値検査器」は、あらゆる物の価値を判定できる装置を手に入れた男の話。男は、それを使って商売で成功し、理想的な妻とも結婚できました。
でも、価値を判定していないモノが1つだけありました。それは、自分。恐る恐る、検査器を自分に押し当ててみた男は、「価値あり」の判定に大喜びします。
けれど、検査器を手にした妻が男を判定した結果は、その逆。つまりは、検査器を身に付けていない男には何の価値もなかった、というオチ。
見舞客のない病室でパルスオキシメータに指先を入れながら、Eさんは、その話を思い出します。自分のいない世の中は、今日も平穏無事に回ってゆきます。
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