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所有欲に欠ける私

所有欲に欠ける私にとって、他人への贈答には尻込みを伴います。自分の欲しい物さえ思い浮かばない以上、他人に贈って喜ばれる物など、見当もつきません。

「よかれと思って贈った物が不興を買うことだってある」等と考え始めてしまえば、旅先の土産物一つの選択でさえ気乗りしなくなります。

贈る側としては、相手の好き好みや暮らし振りに想像を巡らせ、最大限に悩む。贈られた側としては、相手の尻込みも含めて気持ちを受け止める。

意に沿わないプレゼントでたとえ不興を招いても、それが贈答の醍醐味と思いたい。そんな言い訳をしながら、陳列棚の商品をむんずとつかんでいます。

贈り物と施しは慈悲の表現である。慈悲の核心ではない。(ジョゼフ・アディソン)

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