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正月

正月(食っちゃ寝生活)の疲れが溜まり、若く美しい店員のマッサージを受けています。三が日も働いていた、と聞いて、客である私は、恐縮してしまいます。

「この店舗は、お休みだったんですけど、隣県のショッピングセンターにある店舗に応援に行ってたんですよ」。丁寧に背をさすってくれながら笑います。

「癒してほしいのは、こっちの方ですよね」と、私は、同情してみせます。背をさすられながら、「紺屋の白袴」という言葉を思い出していました。

客の注文に追われて、自分の袴を染めている暇がない。他人のことに忙しくて、自分のことを後回しにする。白袴の紺屋とは、ひどく尊い職業人に見えました。

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