2.5次元の誘惑(にてんごじげんのリリサ)通称:にごリリ
※2023年7月にOFUSEにて配信されたコラムを編集し再掲したものです。
親愛なる友だちへ、ひねもです。
今回も漫画紹介。
「2.5次元の誘惑(にてんごじげんのリリサ)」
通称:にごリリ
少年ジャンプ+連載作品。
次にくるマンガ大賞2020 Webマンガ部門4位を獲得した漫画。
アニメ化が決まったことで話題になっていたので読んでみようかと。
概要は
2次元のキャラクター・リリエルに愛情を向ける男子高校生・奥村正宗とリリエルのコスプレが好きな女子高校生・天乃リリサを描いたコスプレコメディ
最初の方はエロ重視のストーリーでこれがそんなに面白いのかな？
美少女がエッチなコスプレをしてドタバタするギャグ漫画なのでは？
と、疑問に思っていたのだが、読み進めていくうちにどんどん展開が広がっていった。
あらすじは
二次元にしか興味が無い漫画研究部の奥村くんのところに、エッチなコスプレが好きなリリサちゃんがやってくる。
2人は好きな作品が同じで意気投合。
そしてリリサちゃんが
私のコスプレ姿を撮影して欲しい
と頼み物語が始まる。
漫画やアニメのキャラクター(二次元)
と
生身の女の子(三次元)
の間が
コスプレ(2.5次元)
ということらしい。
2015年辺りから使われ出した言葉とのこと。
知らなかった。。
にごリリは最初にも書いたけど、最初の方はかなりエロ重視。
初期は基本的に1話完結。
高校1年生のリリサちゃんが過激なコスプレをして先輩の奥村くんがドギマギするというエロコメディな内容。
しかしコスプレイベントに参加する辺りからストーリーの方向性が大きく変わってくる。
熱血青春スポ根(?)漫画になってくるのだ。
題材が”コスプレ”というのがまず面白い。
そういう文化がある事は知ってる。
しかし内容は全く知らなかった。
言葉として知っているだけ。
ニュースなどから“コミケ”というイベントが夏と冬にあり何万人も来場者がいるという知識は持っている。
そこで同人誌と呼ばれる漫画を売ったり、コスプレをしているのはなんとなく知ってる。
しかし、どういったカルチャーなのかは全然わからない。
同人誌も読んだ事がなく、どういったものなのかもよくわからない。
“コスプレイヤー”と呼ばれる職業があるのも知ってる。
しかし、えなこさんやショコタンさんくらいしかわからない。
こうした方々の活動内容や何の作品のキャラクターをコスプレしているのかなど細部は全く知らない。
…そんな無知な僕でも漫画を読んでいてめちゃくちゃ面白い。
コスプレってなんなの？
コスプレイヤーってなんなの？
って事がどんどん知れる。
それらにまつわる
“カメラマン”
とか
“写真集”
とか
“コスプレイベント”
などについても丁寧な説明がある。
僕のように言葉はなんとなく知っているが具体的なことはわからない人も大丈夫。
置いてけぼりにはならない。
で、読み進めたらこれはバンドマンと一緒じゃん！って。
好きなバンドができて
憧れて真似したくて
見よう見まねで楽器を始めて
趣味が合う友達を見つけて
バンド組んで
スタジオ練習して
文化祭でライブして
ライブハウスに出てみたくて
だけどどうしたら出れるかわからなくて
レコーディングってなんだろう？
どうしたらCDを作れるんだ？
…みたいな。
僕はバンドマンなのだけど音楽とコスプレは似通っている部分が多々あり、活動にまつわる葛藤や悩みや諸々の気持ちがすごくわかる。
僕も何もわからずただ憧れからバンドを始めた。
何のジャンルのどんなことでも”好き”って気持ちの素晴らしさは共通だなあと。
オタク用語は最初はわからなかったが、ファンの好きの表現については共感しまくれる。
オタクたる者 好きな物の話は否定しない !!
「 何かを熱烈に愛している 」ただそれだけでっ･･･
オタクという仲間なのだから
「あんたが描いたあんたの漫画がッッ
俺を幸せにしたんだッッ!!!」
コスプレが世の中でどう思われてるか
まだ分かってないのよ
真剣にやってれば認めてもらえると思ったら大間違いよ
世の中の目っていうのは そんなに甘くないの
..........
私も恥ずかしくて人に言えない事だと思ってました
今も…大声で言って回れる事だとは思っていません
でも
私のことを話すなら こう言います
漫画が好きです
アニメが好きです
リリエルが好きです
エッチな衣装が好きです
私はコスプレイヤーです
原作者もファンもその線一本が大好きだったりするんです
360度どこから見てもみんなの好きなあの形があのラインが出るように
本物のキャラに見えるように
どれだけ２次元を３次元に持ってこれるか
限界を攻める勝負なんです
...あぁ無断転載が許されるならば名シーンをたくさん貼りたいのだが、それは許されない。
にごリリは題材がエロコスプレで邪道と見せかけて、実は王道中の王道。
ジャンプ漫画の”友情・勝利・努力”が爆発している。
コスプレイベントのために努力し頑張ってその過程で新しい友だちができてイベントではライバルと競って認め合って。
二次元のキャラクターでもない
三次元の人間でもない
コスプレってなんだろう？
を探究する泣けて熱いスポ根漫画なのである。
初期はエロ過多で敬遠してしまうかもしれませんが、読み進めてみてほしいです。
前に紹介した弱虫ペダルもだけれど全く知らない世界を知れるとすごく楽しい。
“コスプレ”も”自転車”も言葉やなんとなくの雰囲気は知っていたが内容は知らなかった。
ちなみにどちらの漫画もライバルは出てくるが、本当の悪いヤツは出てこない。
作者の自分の好きなものを知ってほしい！って熱い気持ちが作品から伝わってきてそこも最高だ。
ブラザー、シスター、新たな扉を開こう！
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