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蒼い恋

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#BL小説

俺たちの春風 四

俺たちの春風 四

 式を終え教室に戻り、一限目は
自己紹介で終わった。
「あのぉ、あの宮下信也君いますか」
「宮下君! お友達来てますぅ」
入り口を見ると優弥! 俺は思いっ切り前のめりで飛んでいった。
「どうした?」
俯く優弥が、
「あのね……ライン」
「そうだ! 来てくれて有難う!」
交換しながら、
「委員会一緒のにしない? 多分残るのは、美化委員か園芸委員だから。美化委員立候補しよう?
良い?」
「任せろ!」

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俺だけの春風 三

俺だけの春風 三

 学校が見えて安心した俺たちは立止まり息を整えた。
「ハアハアハア早いね、優弥は」
「ハアハア、信也だって速くて驚いたよ」
 俺たちは汗を拭きながら校門を通り抜け、一年の受付を済ませると、クラス分け表を見に行った。
 なんと同じクラス! なんてドラマみたいなことは無く、優弥は隣のクラスだった。
「あの……信也……良かったらライン交換しない?」
「えっ!」
嘘っ! 嬉しい優弥!
「ダメ?」
「駄目な

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俺たちの春風 ニ

俺たちの春風 ニ

 あれからとんとん拍子に事は進み、俺は晴れて「私立霞山大付属霞山高校」に入学、勿論男子高だ。
 いよいよ入学式当日。
昨夜から興奮気味の俺は、足取りも軽く駅に向かった。
 電車に乗り周りを見回すと、同じ学ランを着たピッカピカな奴や、先輩男子がウヨウヨいる。
お~やった!女がいないってほっとしていた矢先、突然前の女性が立ち上り、凄い勢いで降りて行った。その時俺の手は、彼女に弾かれスマホを落としてしま

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俺たちの春風 一  お題BL小説初心者 3000字以内

俺たちの春風 一  お題BL小説初心者 3000字以内

 俺の中にあった違和感が少しずつはっきりしてきたのは中学二年の終わり頃からだった。
それは、特に一対一で女子と関わると顕著に現れた。
酷い疲労感を覚える事なんだ。
救いは、よく連んでいる奴らが、必ず助けてくれる。
俺は男子といると安心? 変な表現だけどね。
 そんなある日、家の女性陣が賑や過ぎるなんて話しを父親としていて、俺はそれとなくこの話しを為てみた。
父親は、驚くほど普通に聞いてくれて、

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